(2015/06/11)
前回の記事では、ウィスカーくんと権之助くんというふたりの猫たちが暮らすマース ジャパンを訪れたスタパ齋藤氏の大興奮レポートをお届けしました。
海外と比べるとまだまだペット後進国の日本。ペットと暮らせる集合住宅はまだまだ少なく、ペットを飼うことを諦めている人も多いはずです。そんな日本の環境で、猫たちがオフィスの中で暮らしていることに、驚かれた人も多いことでしょう。ウィスカーくんと権之助くんを飼い始めた理由や実際の暮らし、スタパ齋藤氏の愛猫が大好きなドリーミーズ、ふたりがいることでオフィスにどのような効果がもたらされているのかなど、広報・渉外部の中村由帆さんにうかがってきました。
――オフィスでふたりが暮らし始めた経緯について教えてください。
中村さん:グローバルでペットケアを扱っているマースは、「A Better World for Pets」というミッションを掲げています。ペットのためのよりよい世界を実現するために、まずは自分たちのオフィスで、猫や犬などのペットがいられる環境づくりをグローバルで推進しています。以前は、日本のオフィスもペットを飼うように推奨されていましたが、動物愛護の進んでいる海外ならオフィスもすぐに見つかりますが、日本の場合はなかなか難しいのが現状でした。
2005年に移転する際には、ペットが飼えたり、連れて来られることを前提にオフィスを探し、ビル側との交渉の末にようやく実現することができました。
――ウィスカーくんと権之助くんとの出会いは?
中村さん:ウィスカーはブリーダーさんから、権之助はシェルターで保護されていたのを譲渡していただきました。ふたりとも今年で10歳の男の子です。
スタパ齋藤:ふたりともスゴくきれいな体型ですね~。けっこう運動もしているんですかね?
中村さん:お褒めいただきありがとうございます。いまは4.5kgくらいなので標準体重をキープしています。体重は毎日量っています。また、社内に獣医師がいますので、たとえば食欲が無かったり、部屋に閉じこもっていたり、何か変わったことがあればすぐに様子を見てもらいます。
運動に関してはそんなにするほうではないですね。部屋から会議室までの渡り廊下ができたのは、ふたりが7歳のときで、シニアになって運動量が足りないので、それを解消する目的でつくりました。
スタパ齋藤:なななな、なんと!! 獣医師までいるとは!! スゴイですな~。
――本当にふたりのことを考えられていますね。土日など休日の場合はどうしているんですか?
中村さん:ふたりが来た当初はペットホテルに預けていた時期もありますが、具合が悪くなることもあったので、いまはペットシッターさんにお願いしています。朝と晩のごはんのタイミングで来ていただき、一緒に遊んでもらっています。体温調節で負担がかからないように、休日でも季節にあわせた温度調整をしています。
ほかには社員がウィスカーや権之助を連れて帰ることもあります。年末年始のような長期の休みのときには、お子さんもペットが好きだけど飼えない社員が連れて帰ったりすると、すごい喜ばれるようですね。
――権之助くんはシャイですけど、社員さんのお宅ではどのように過ごしていますか?
中村さん:基本的にはビビりの権之助はソファの後ろから出てこないときもあるそうですが(笑)、ウィスカーと一緒の場合は、お子さんと遊んだりしているそうです。ふたり一緒ならまず心配はないですね。
スタパ齋藤:ウィスカーくんは本当にドリーミーズ大好きですねえ。
中村さん:ちなみにアメリカではフレーバーや形状だったり、32種類のラインナップがあるんです。おやつではありますけど、コミュニケーションを図る目的で売られていますね。動画サイトにも上がったりしていますが、袋を振って音を鳴らすだけで隣の庭にいる猫が戻ってきたり、2階にいる猫が駆け下りてきたりします。やっぱり、みなさん猫とコミュニケーションしたいんですね。
スタパ齋藤:うちではドリーミーズを戸棚に入れてるんですけど、その戸棚を開ける音でものスゴい速さで走ってくるんですよ。うちの子はけっこうデカくて普段はあんまり走んないんですけど、そのときだけは走るんですよね(笑)
中村さん:それはいい運動になりますね(笑) ドリーミーズの2層粒は特許を取得しているんですけど、外はカリッとした食感で中身は猫の舌でとろけるクリームになっています。この2つの触感がとてもおいしいようで、嫌いな猫の話は聞いたことがありません。
スタパ齋藤:絶対いないですよね!! 以前に猫関係の仕事をしていたんですけど、同じ構造のシーバもいろんな人に「シーバ嫌いな子っているんですかね?」って聞いてまわったんですけど、聞いたことないですね。
中村さん:シーバをあげたらほかのものを全然食べなくなってしまって、「高いのに困ります」と言われた経験ならあります(笑)
――ペットがオフィスで暮らすことが、ドリーミーズのような製品開発に活かされたりしますか?
中村さん:それが直結している製品はありませんが、たとえば猫を飼いたくても飼えないマーケティング担当者がキャットフードの担当になるケースもあります。飼い主さんを訪問したりもしますが、やっぱり飼っていないと実感できないことも出てきてしまいます。ドリーミーズのように猫が手から食べてくれることが、こんなにも楽しいことなんだという感覚は、実際にあげてみないとわからないので。
スタパ齋藤:(激しくうなずく)
中村さん:でも、うちにはウィスカーと権之助がいて、それをやらせてくれる子たちなので、担当者の理解はだいぶ深まっていると思います。ほかにもシーバやカルカンをあげたときにどうやって食べるのか、ドライフードとウェットフードをあげたときの違いなど、いつでも食べている様子を見ることができるのは、間違いなくプラスになっているはずです。
ちなみにこの会議室でドリーミーズの発表会も実施しました。製品開発などの話をしたあとに、ウィスカーと権之助によるデモンストレーションをご覧になっていただいたのですが、やっぱり記者のみなさんの理解の深まりも違ったと思います。そもそもふたりが食べてくれなかったどうしようとは思いましたが(笑)
スタパ齋藤:絶対に食べますよね!! これはワタクシの体験なんですけど、これまで猫のおやつはハズレが多かったんです。ほぼハズレ、的な。最初だけ食べてすぐに飽きて食べなくなっちゃう、的な。よく食べるおやつに遭遇するようになったのは、本当に最近ですね。そのなかでもドリーミーズは別格なんですが。
中村さん:猫のおやつ市場は伸びてきています。犬の場合はしつけのご褒美としておやつをあげていましたが、しつけのできない猫には必要ありませんでした。ですが、最近はドリーミーズのような形でコミュニケーションを図るおやつが少しずつ浸透してきました。私たちが遊びたいときには遊んでくれない、猫が遊びたいときはこっちが忙しくてもお構いなしにどんどんやってくる(笑) 需要と供給があわないことがたくさんあるので、みんなコミュニケーションをとりたいんですよね。
スタパ齋藤:うちではドリーミーズはテーブルの上であげるんですが、「ここに来るには、ここを通って、この椅子に乗って~」と何回かルートを教えたら、ちゃんと覚えて!! 猫って食べ物でしつけられるんだ~ってビックリしました。ふつうのときは、ここのルートで上がるんだよ、って教えても全然覚えないんですけど。「ほら、ここに乗って」というと、2~3カ所乗るところがあるんですけど、ちゃんと乗れるようになりました。ドリーミーズってスゴくないですか!?
中村さん:それはすごい! スタパさんの猫ちゃんがすごいのかもしれないですけど、もしかしたら、猫もしつけできるのかもしれないですね。遅いかもしれないですけど、ウィスカーと権之助もしつけてみようと思います(笑)
スタパ齋藤:ところで、ウィスカーくんは眠そうな感じですが、まぶしいんですかね?
中村さん:おなかいっぱいで眠たくなったんだと思います。しばらくしておやつがもらえないことがわかると、この部屋から出ていくと思います(笑)
スタパ齋藤:ウィスカーくんは本当にスゴイですね。取材中もずっとこの部屋にいますもんね。というか、むしろずっといてほしいから、うれしすぎるんですけど!!
中村さん:今日はとてもいい子だと思います。以前、ここで重要な会議をしていたときには、机の上のものを遊んで落としたり、ど真ん中でおなかを出して寝ちゃったこともあるくらいです(笑)
――でも、ウィスカーくんや権之助くんが遊びにくると、場が和むし、みんな笑顔になりますよね。
中村さん:たしかにふたりがオフィスにもたらす効果は、それが一番だと思います。社内の打ち合わせで少し行き詰ったムードになっても、ウィスカーや権之助が入ってくると、打ち合わせがそこで小休憩しますし、それまで厳しい表情をしていた人も笑顔になって、空気がガラリと変わった状態で打合せに戻れますしね。もしかしたら、ふたりとも自分の役割をわかっているのかもしれませんね。
オフィスにペットがいるのといないのとでは、だいぶ社員に与える影響は違うと思います。実際に仕事の効率などに影響があるのかというと、ペットがいれば一緒に遊んでしまう時間も増えてしまうので、そこまで効率があがることはないのが正直なところです。でも、間違いなくコミュニケーションの頻度は変わります。これまではパソコン画面に向かって黙々と仕事をやっていたのが、猫の部屋で誰かと話をしたり、同伴通勤したペットのもとには、とくに用事がなくてもたくさんの人が集まり話が弾んでいるのをよく目にします。社員同士のコミュニケーションは間違いなく活発になっていると思います。
次回は、ペット好き&ペットを飼っている人にはうらやましすぎる、マース ジャパンのペット奨励制度についてのインタビューをお届けします。