「2015年オリコン日本顧客満足度ランキング(モバイルデータ通信部門)」において、総合満足度No.1を受賞するなど、着実にユーザーの信頼を確保しつつあるUQコミュニケーションズ。「ギガヤバ革命」をスローガンに、「ヤ倍速」や「ギガ放題」などによって革命を起こす新生WiMAX 2+もスタートした。これからのUQについて、野坂章雄氏(UQコミュニケーションズ代表取締役社長)に話をきいてきた。
「ギガヤバ革命」で新たな価値観を生み出すWiMAX 2+
―1/15に新しいサービスについて発表されてから2ヶ月が経過しました。これまでを振り返って状況はいかがでしょうか。
1/15の発表会で、UQは大きく変わりました。ヤ倍速(下り最大220Mbps)でギガ放題(月間データ量制限なし)のモバイル通信という世界に入り、料金面も変わったわけですから。それらが世の中にどう受け入れられるか気にしていました。
でも、各メディア様の論調や、SNSの書き込みなどを見ていると、一般の携帯電話事業者とは違う方向のDNAでやっていることを理解していただけているようです。「価値あるものを価値ある値段で提供する」という我々の方向性をわかってもらえたんですね。光やCATVなどの固定ブロードバンド代替の可能性なども理解してもらえました。先頃の2015年オリコン日本顧客満足度ランキングでも、モバイルデータ通信部門で3年連続で総合1位を受賞いたしました。
WiMAX 2+の利便性をさらに高めるためにCA(キャリアアグリゲーション)や4×4 MIMOなどのテクノロジーを導入してスピードアップを狙う「ヤ倍速」。また、7GBや10GBといった月間データ容量から脱却し、使い放題をリーズナブルに提供する「ギガ放題」。この2本柱による「ギガヤバ革命」は着々と進行中です。これを機に投入したTVCMも好評をいただいているようです。渋谷駅コンコースでの大規模な広告展開や、山手線ラッピング電車をご覧になった方も多いのではないでしょうか。
メディア各社にも今回のサービス導入について理解していただき、周知いただけたのはありがたかったです。例えば、2/20に行なわれた栃木県真岡市でのCA 220Mbpsのデモンストレーションですね。メディア各社にも取材していただきましたが、現地で195Mbpsまで出たことは画期的で、とても好評なお声をいただいています。
4×4 MIMOについては、都心部で170Mbps近く出たことがその特性を如実に表しています。電波が乱反射するマルチパスのよくあるところはグンとスピードが出るんです。ビルなどの建築物が乱立する都市においては確実にスピードが出るテクノロジーです。
―NTTドコモも、2/25に下り最大225MbpsのLTE Advancedに関するデモンストレーションを実施し、3/27からのサービスインを発表しました。UQは220Mbpsですが、速度競争についてはいかがでしょう。
業界的には非常におもしろいことだと思っています。複数の企業が次世代の速度に向かって競争しているわけですから、必ず、お客様にメリットをもたらすはずです。
格安SIM系のMVNOの動向にも注目していますが、料金が安い代わりに速度面や月間データ容量の面で制限が多く、UQが目指す「高速/無制限」の世界とは一線を画していると思います。
出そろったラインナップ。WX01は起爆剤に
―CA対応W01と4×4 MIMO対応WX01の2端末についてはいかがでしょう。
メインとなる新端末を少しでも早くお客様にお届けできるよう、「Speed Wi-Fi NEXT W01」を急ぎ1月に発売し、後続の「Speed Wi-Fi NEXT WX01」はこの3月に発売しました。これで下り最大220Mbps対応の主力端末が出そろったことになります。W01がCA技術、WX01が4×4 MIMO技術対応と、別の技術を採用していますが、W01がエリア重視、WX01が都市部での速度重視という特長もあり、お客様が自分の用途に合わせて選んでくださっているようです。
WX01は、発売の初日は量販店頭ですごく売れたという報告を聞いています。また、WiMAXからWiMAX 2+へのお乗り換え申し込み数も、WX01が登場して大きく増えています。この機種を待ってWiMAXから乗り換えようと思っていた方がたくさんいらっしゃったということですね。
―新機種としては、据え置きのURoad-Home2+も発売になりました。どのような方にお勧めでしょうか。
自宅で固定網の代わりに工事不要のブロードバンドとして使いたいお客様にはうってつけの端末です。ドコモの光回線サービスが始まったことで、固定回線がクローズアップされている今こそ、固定回線代替としてのWiMAX 2+をお勧めしていくチャンスだと考えています。これを春商戦の起爆剤にしていきたいですね。
全国に広がるCA 220Mbps
―CAによるヤ倍速化は栃木県の真岡市からのスタートでしたが、今後のエリア拡大予定について教えてください。
3月末から順次、エリアが大きく広がる予定です。詳しくはホームページの対象エリア一覧(PDF)をご覧いただければと思いますが、北は北海道から南は鹿児島まで、全国に広がることをご理解いただけると思います。
UQは本気でギガヤバ革命を成功させるため、CA対応もなるべく早く、半年くらいで完了させたいと考えています。だから、今WiMAXを使っていただいているお客様には、少しでも早く「史上最大のタダ替え大作戦」を利用して無料でWiMAX 2+に機種変更していただき、ヤ倍速の世界を一刻も早く実現してお客様に体感していただきたいです。
エリアや端末をますます充実させ、よりよいサービスを
―今後のUQは、どのようなことを目指していくのでしょう。
まずは旗揚げしたばかりのギガヤバ革命をしっかり定着させていきます。
スマートフォンやタブレットのデータ通信はいつのまにか実質的な従量制が一般的になってしまいましたが、そういった不自由さからお客様を「カイホー」するのがUQの「ギガヤバ革命」です。そのために、画竜点睛を欠かさないように、これまで以上にあらゆる面に配慮し、サービスに万全を期していきます。
1月の発表以降、プロモーションを含めて派手にやってきましたが、これからは、ちょっと地味になるかもしれません。とにかくデバイスやエリアの面で穴がないようにしていきます。UQの変化へのお客様の率直な反応も、UQ恒例の「お客様の会」などで、生の声を聞いていきたいと考えています。
UQは音声通信サービスを提供していません。だからこそ音声通話が減少することで売り上げに影響があるといったことなど、今のタイミングで失うものがないのです。とにかくデータ通信を積極的にやっていきます。
今後はIoTの時代になって、データ通信としてはスタンダードをすべて満たすものが求められていくでしょう。東京オリンピックが開催される5年後くらいには、別の基準が求められるかもしれません。そこで生き抜くために、まずきちんとしたサービスを提供しなければなりません。
今後は、外との接点を増やさなければならないでしょうね。日本のキャリアは内向きで、日本の国内しか見ていない傾向にありますが、UQとしてはグローバルスタンダードのトレンドや技術を積極的に採用することによって、ローミングフリーや端末フリーといったことまで視野にいれたサービスの展開を考えていきたいです。時期をお約束することはできませんが、様々なデバイスでWiMAX 2+が使えるようになる日も遠くないかもしれませんよ。
これからのUQにぜひご期待ください。
―ありがとうございました。
(Reported by 山田祥平)
関連リンク
- UQ WiMAX ホーム - 超高速モバイルインターネットWiMAX2+
- http://www.uqwimax.jp/
- WiMAX 2+ 新サービス・新デバイス発表会
- http://www.uqwimax.jp/lp/220m/