「史上最大のタダ替え大作戦」とは、UQが実施する、下り最大40MbpsのWiMAX契約から最速220MbpsのWiMAX 2+契約への無料アップグレード&機種変更キャンペーンのことだ。現WiMAXユーザーは、契約解除料、登録料、機種代金など、移行にまつわる費用が「完全無料」でWiMAX 2+へ移行でき、文字通りの「タダ替え」が可能となっている。これによるユーザーのメリットとはいったい何なのか。今回はUQコミュニケーションズの大可昌明氏(営業部門営業企画部長)に、その背景を聞いてきた。
UQが「タダ替え」を推進するワケ
UQでは昨2014年11月から、既存のWiMAX機器またはルーター、USBドングルを、WiMAX 2+対応ルーターに無償で交換するプログラムを展開してきた。これが「史上最大のタダ替え大作戦」だ。下り速度40Mbpsだった従来のWiMAXから、この3月より順次下り220Mbps対応するWiMAX 2+へ移行するのは、ユーザーメリットとしては理解できるが、なぜ、UQは、既存ルーターのタダ替えまで敢行して移行を急ごうとするのだろう。
「なによりも、お客様により速く、快適な通信環境を使っていただきたいからです。
UQは50MHz幅の周波数の割り当てをいただいてモバイルネットワークのサービスを提供していますが、これまで WiMAXが使用していた30MHz幅のうち、20MHz幅をWiMAX 2+に移行し、40MHz幅でのCA(キャリアアグリゲーション)利用により最速220Mbpsのサービスを提供していく予定です。それによってWiMAX 2+はより速く、電波利用効率も良くなります。WiMAX 2+を中心に周波数を再編することで、より多くのお客様に、より快適な通信環境を提供できるようになるのです」(大可氏)。
電波は限られた資源だ。同じ周波数帯の電波を同時に利用できるユーザーは限られる。つまり、個々のユーザーが必要な処理、つまり、Webページを表示させるとか、動画を読み込むといったことを素早く終わらせることができるほど、電波は有効に活用できることになる。各ユーザーの通信速度が速ければ速いほど、電波の利用効率は上がっていく。UQが周波数の再編、そして「ヤ倍速」による通信速度アップを進めるのには、そうした背景があるわけだ。
「再編成に伴い、これまで30MHzだったWiMAXは10MHz幅での提供となり、帯域幅の理論値は1/3の13.3Mbpsとなってしまいます。WiMAXを使っているお客様にとっては、いきなり速度が落ちてしまうわけで、動画などは十分に観られる速度を確保するものの、ご迷惑をおかけしてしまいます。だからこそ、少しでも早いタイミングでWiMAX 2+ルーターに無料で機種変更していただき、これまでよりも、さらに高速な世界を体感いただきたいと考えています。実際、弊社の調査では、WiMAX 2+に乗り換えてくださったお客様の満足度は高くなっています」(大可氏)。
ユーザーの快適さのために周波数の再編成を行なうこと。そして、現WiMAXユーザーにWiMAX 2+の高速の世界に移行してもらい、ユーザーの満足度を高めていくこと。その2つが、「史上最大のタダ替え大作戦」と銘打ったキャンペーンを行なう理由となっている。
「UQではトラフィックの状況を見ながら、エリアごとに順次周波数再編をしていく予定です。できるだけお客様に迷惑がかからないようなネットワーク設計をしていくつもりです。少しでも早く全国での周波数再編成を行なうことで、お客様に下り最大220Mbpsのさらに先、下り最大1Gbpsを体験いただけるような世界を実現したいと考えています」(大可氏)。
あるエリアがCA対応するためには、周波数帯を減らしても一定以上の通信品質を確保できるようにする必要がある。つまり、WiMAXユーザーが少ないエリアであればあるほど早期に周波数再編成ができるということでもある。もちろん、そんなことを考えずに、一気に再編してしまう手もあるが、UQとしては既存ユーザーを裏切れない。だからこそ、スピードが1/3になる前の段階で早めに乗り換えてほしいと訴えるのだ。
WiMAX 2+に移行したユーザーの反応は?
「やはり速いスピードのニーズは高く、高速であればあるほどお客様の満足度は上がります。また、“使い放題”へのニーズもますます高まっています。WiMAX 2+なら、高速さと使い放題を合わせることで、多くのお客様に満足していただけるようにしています。また、エリアの面でも、WiMAX 2+のエリアはWiMAXに追いつくところですので、心配はいりません」(大可氏)。
やはり、タダ替え大作戦の訴求ポイントは、スピード向上だ。「ヤ倍速」により下り最大220Mbpsとなるスピードは、WiMAXの40Mbpsとくらべれば5倍以上もの向上となる。現時点の「ヤ倍速」対応端末は「Speed Wi-Fi NEXT WX01」と「Speed Wi-Fi NEXT W01」。
「Speed Wi-Fi NEXT WX01」は4×4 MIMOによる220Mbpsに対応し、端末購入したその時点で、全国どのエリアでもすぐにスピード向上を体感できるのがメリットだ。特に、高層建築などでの電波反射が多い都市部では4×4 MIMOの恩恵が多いとのことで、都心などでいち早く下り最大220Mbpsを使いたいならおすすめだ。
「Speed Wi-Fi NEXT W01」は、順次エリア拡大していくCAによる220Mbpsに対応する。また、au 4G LTEにも対応するので、使用可能エリアを重視するならが有力になってくる。3月には、WiMAXとWiMAX 2+のエリアは、一部の屋内や地下鉄駅などをのぞいてほぼ同一となるので、WiMAX 2+のみでもエリア面では安心できるが、au 4G LTE(3月末までの加入で5月末まで無料)を併用することで、対応エリアに関してはほぼ盤石となるだろう。
「タダ替え」対象機種は全5機種
「WiMAX契約のお客様はまだまだいらっしゃいます」と大可氏。だから、DMやEメールの案内で、懸命にアピールする。店頭などでもポスターや広告で告知する。
「SNS上のリアルなお客様の生の声を拝見し、一か月単位で分析することでマーケットの調査をしていますが、それを見る限り、「タダ替え」の施策についての評判はおおむねご好評をいただいています。特に、すでに乗り換えてくださったお客様の反応が良く、“こんなにスピードが上がるのか”という声があるのに加え、“WiMAX 2+のエリアは、もうこんなに広かっているのか”という声も多くつぶやいてくださっています」(大可氏)。
また、WiMAX 2+への移行はキャリアの都合とはいえ、完全無料のキャンペーンに関しては誠実さを感じるといった声もあるとのことで、タダ替え大作戦はおおむね好評であるようだ。
「今」が乗換に最適なタイミング
「都心部はほとんどがWiMAX 2+エリアになっていますから、今すぐ乗り換えていただいても問題はありません。また、「タダ替え」対象となる端末も、PC対応のUSB接続タイプ「URoad-Stick」などが加わり、現在WiMAX内蔵パソコンを使っている方の乗換対象にできます。さらに、ホームルーターの「URoad-Home2+」も「タダ替え」の対象になります。固定ルーターのニーズは高いんですよ。新生活需要もあって要望は多く、新規のお客さまでも、特に若い女性の一人住まいでは、自宅工事が不要でゴチャゴチャした配線もナシというのが支持されています。導入までの速さもさることながら、工事スタッフを部屋に入れなくてもいい、というのが安心感につながっているようです」(大可氏)。
新生活目前のこのタイミング、面倒なしに導入できるWiMAX 2+は有力な選択肢になるというわけだ。また、今が「良いタイミング」な理由はほかにもある。
「UQ Flat ツープラス」は2年契約ですが、その期間が終了するころには、次のステップである440Mbps対応が現実化しそうです。この先の機種乗り換えも見据えると、今は本当に「良いタイミング」と言えます」(大可氏)。
今より環境が悪くなることはない。WiMAX 2+は今以上のサービスになるのはまちがいない。一気に周波数を再編してしまえばそれですむのにUQはそれをしない。キャリアとしての誠意の証としてのタダ替え大作戦。これに乗らない手はないのではないか。
(Reported by 山田祥平)
関連リンク
- UQ WiMAX ホーム - 超高速モバイルインターネットWiMAX2+
- http://www.uqwimax.jp/
- 史上最大のタダ替え大作戦
- http://www.uqwimax.jp/lp/tadagae/