VR Watch
Google提唱の「VR180」とは。VR動画撮影・視聴・シェアがより手軽に。専用カメラが2018年春登場
2018年1月12日 08:00
米国ラスベガスで開催のイベント「CES 2018」にて、Googleが提唱するVR動画フォーマット「VR180」に対応するカメラが2機種、発表されました。この記事では、VR180と対応カメラについてまとめてみました。
VR180とは?
「VR180」とは、ざっくり言うと「前方180度の視界のみを撮影・再生するVR動画」フォーマットです。
- Google、180度動画の新フォーマット「VR180」。カメラも各社が開発
- https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1067127.html
「VRといえば360度、全周囲を見回せるもの」という認識が一般的な昨今ですが、一方で「VR動画に360度の視界は本当に必要なのか?」という疑問も絶えず提起されてきました。
例えば撮影時でいうと、360度カメラは既存のカメラとは全く異なったアプローチが必要となり、初心者には扱いづらいことがあります。撮影者が写り込むという独特の問題もありますし、編集にも専用のアプリケーションが必要となります。
そもそも、そうして360度の動画を製作しても、視聴者側からすれば、わざわざ背面に振り向くという面倒なことを本当にしたいのか?という問題もあります。
そうした疑問への「別に360度いらないのでは?」というGoogleなりの答えが「VR180」です。
VR180のメリット
では、VR180の具体的なメリットはどのような部分にあるのでしょうか。
初心者でも使いやすい
VR180対応カメラでは、撮影時にカメラを持っている撮影者は映り込まないため、より気軽に撮影できます。また、「レンズを被写体に向けて撮る」という既存のカメラ撮影手法の延長線上にあるので、初心者にもとっつきやすくなっています。
画質が良い
一般的に、360度動画では、撮影したデータを360度全方位に引き延ばすため、解像感の低下が目立ちがちです。一方VR180はその半分の視界で済みますから、データが360度動画と同容量、同解像度であれば、より解像感の低下が抑えられる見込みです。
編集環境を整えやすい?
360度動画の編集には専用のアプリケーションが必要となりますが、GoogleによればVR180フォーマットは通常の動画編集ソフトでも編集可能になる見込みです。ただ、アプリケーション側での対応は必要になりそうなので、現時点では未知数といえます。
3D立体視で撮影できる
今回発表されたVR180専用カメラは前面にレンズを2個搭載しており、視差を利用した3D立体視での撮影が可能です。これにより、視聴時には臨場感のある体験が可能になります。
クラウドとの連携
VR180専用カメラはWi-Fiを内蔵し、YouTubeやGoogle Photosなどに撮影データを手軽にアップロードできるようです。また、YouTubeでのライブストリームにも対応します。
Googleが公式ブログなどで「思い出を残す」というパーソナルな用途を強調する通り、個人が手軽に使えるというのがVR180の一番のウリということになるでしょう。
対応ハードウェアが2018年に登場
今回、CES 2018で発表されたVR180対応カメラは、レノボの「Mirage Camera」と、YIの「Horizon VR180 Camera」の2機種。ともに2018年春以降に発売の見込みです。
Lenovo Mirage Camera
Lenovo Mirage CameraはVR180に対応する4K対応の静止画/動画カメラ。デュアルレンズにより3D立体視での撮影が可能。発売時期は2018年第2四半期を予定しており、ターゲットとする価格は300ドル以下を目指すとのことです。日本での発売については検討中。
ディスプレイを搭載しないという割り切った仕様が特徴。スマートフォンと連携することで、スマートフォンのディスプレイでライブビューやモード切り替えなどが可能となります。
Wi-Fiモデルのほか、LTE内蔵モデルも用意されるようです。
記録メディアはmicroSDカード。充電はUSB Type-C経由で行います。