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Review
新UI採用で使いやすさ向上

パフォーマンスもアップした
「ReadyNAS NV+ v2/DUO v2」

 

上位モデル並の性能と安心をより手軽に

ネットギアから、コンシューマー向けのNASの新製品「ReadyNAS NV+ v2」、および「ReadyNAS DUO v2」が発売された。

以前に販売されていた「ReadyNAS NV+」、「ReadyNAS Duo」の後継に当たる製品となっており、ユーザーインターフェイスが一新され、従来比2倍という大幅なパフォーマンスの向上が図られているのが特長だ。

ReadyNASと聞くと、法人向けの高性能NASを思い浮かべるユーザーが少なくないかもしれないが、本製品は、どちらかと言えばハイエンドのホームユーザーやSOHOユーザー向けとなっており、手頃な価格でありながら、法人向けモデル並のパフォーマンスや長期保証を受けられるのが魅力となっている。

デジタルカメラやデジタルビデオカメラなどの映像の保管先として活用したり、SOHO環境でのデータの保存先として利用するなど、幅広い用途への活用が期待できる最新のReadyNASシリーズの中から、4ベイモデルで高い拡張性を備えた「ReadyNAS NV+ v2」を中心に、その実力を検証していこう。

ReadyNAS Duo v2
RND2000-200AJS
ReadyNAS NV+ v2
RND4000-200AJS
価格 19,800円前後 34,800円前後
スロット数 2 4
CPU 1.6GHz Single-core Marvell
メモリー 256MB
対応RAID X-RAID2/JBOD,0,1 X-RAID2/JBOD,0,1,5
LAN端子(1000BASE-T) 1
USB USB2.0×1/USB3.0×2
前面ディスプレイ なし あり
サイズ(幅×奥行×高さ) 101×220×142 134×223×205
重量 2.12kg 4.7kg

※ReadyNAS DUOv2/NV+v2と、従来品であるReadyNAS Duo/NV+とのファイルシステムの互換性はありません。

Ultraシリーズと共通の筐体

本体デザインは、同社製NASの上位モデルとなる「ReadyNAS Ultra」シリーズとほぼ共通で、前面のメッシュ状のパネルを開けるとHDDベイが姿を現し、上部に電源ボタンやファンクションボタン、USB2.0×1が用意される。

ReadyNAS NV+ v2 前面、側面、背面
ReadyNAS Duo v2 前面、即目、背面

一方、背面は、USB3.0×2と1000BASE-T対応のLANポート×1、およびACアダプタ用のポートが搭載され、中央に排気用の9cmファンが搭載されている。Ultraシリーズと比較すると、USBポートが3.0対応×2となったが、LANポートは1ポートに減り、さらに電源が内蔵ではなくACアダプタとなっているのが違いとなる。

内部の構成もIntel ATOMプラットフォームを採用するUltraシリーズに対して、本製品ではMarvell製の1.6GHzのプロセッサを採用しており、搭載メモリも256MBとなるなどの違いがある。

見た目はUltraシリーズと同じだが、コストパフォーマンスが重視された構成になっている印象だ。

実用十分なパフォーマンス

Ultraシリーズに比べると、下位に位置するモデルとなるReadyNAS NV+ v2/Duo v2だが、従来のReadyNAS NV+やReadyNAS Duoと比べると、プロセッサの変更によって、大幅にパフォーマンスが強化されており、メーカーの公称値では、従来比約2倍の速度が謳われている。

具体的にどれくらいのパフォーマンスが実現できるのかを検証してみたのが、以下の画面だ。テスト用のPC(Core i7 860/RAM8GB/1.5TB HDD/Realtek8168/Windows 7 Professional 64bit)から、ネットワークドライブとしてマウントしたReadyNAS NV+ v2のボリュームに対して、CrystalDiskMark3.0.1b、およびIOMeterを実行したところ、シーケンシャルリード・ライトともに50MB/s前後の値を確認できた。

CrystalDiskMark3.0.1bの結果
IOMeterの結果

従来モデルとなるReadyNAS NV+は、米国サイトで公表されいてるIOMeterの値が20~30MB/sとなるため、従来比2倍というパフォーマンスは確かに実現されていると考えて良さそうだ。

もちろん、競合メーカーのNASと比較しても、50MB/s前後あれば互角の勝負が可能で、コンシューマー向けNASの中では、ハイパフォーマンスな製品の1つと言って差し支えないだろう。

なお、今回は値を掲載していないが、ReadyNAS DUO v2の性能もほぼ同じ。2ベイと4ベイという拡張性の違いとサイズ以外は、ほぼ共通の性能と機能を持った製品となるので、利用シーンや予算に合わせて、どちらを選ぶかを決めるといいだろう。

より使いやすくなった新UI

ReadyNAS NV+ v2/Duo v2の特長として、もう1つ忘れてはならないのが、新UIの採用だろう。同社のコンシューマー向けNAS「Stora」の影響も少なからずあったのではないかと思われるが、これまでのオーソドックスな設定画面から、グラフィカルな画面に大幅に変更されている。

日時やホスト名、管理者パスワードなど、必用な項目を入力していくだけで手軽にセットアップ可能

中でも特徴的なのは、初期設定の手軽さだ。PC用のユーティリティ「RAIDar」を使ってネットワーク上のNASを検索するまでは、従来製品と同じだが、ここから設定画面にアクセス後、わずか数クリックで初期設定を完了させることができる。

ウィザードで設定されるのは、日時、警告の送信先(メール)、ホスト名とワークグループ、管理者パスワードと復元用メールアドレスと、ごく基本的な項目となるが、これまで、メニューから設定項目を探していたことを考えると、非常に楽になった。

また、管理者パスワードなど、標準値をそのまま使ってしまいがちな設定も、流れでしっかりと変更できるため、セキュリティ上のリスクを低減させることが可能になったのも高く評価したいポイントだ。

設定画面の構成も、イラストなどを用いたわかりやすいものとなっており、トップページの動作状況では、ネットワークの動作状況やファンの回転、温度などがアニメーションでわかりやすく表現されている。

アクセス権の設定などもわかりやすく、フォルダを選択後、右側の一覧で共有へのアクセスをオン/オフしたり、ユーザーごとのリード/ライト権限を選択したり、DLNAサービスをオン/オフできるなど、設定に迷わないような工夫がなされている。

従来のUIに慣れているユーザーは、最初のうちは戸惑うことがあるかもしれないが、慣れればむしろ手軽に設定できるようになるだろう。

ReadyNAS NV+ v2の設定画面(ダッシュボード)。温度やHDDの搭載状況、ファンの回転数などをグラフィカルなアイコンで確認できる
共有フォルダーの設定なども、大きなアイコンで見やすいうえ、右側に設定項目が一覧表示されるので、必用な設定が簡単にできる

ReadyNAS Photos IIを搭載。写真共有やEye-Fiからの転送に対応

また、アドオンとして「ReadyNAS Photos II」が標準でインストールされているのもReadyNAS NV+ v2/Duo v2の特長だ。

ReadyNAS Photo IIは、写真の表示や共有などが手軽にできるサービスだ。ブラウザのUIからの操作で手軽にReadyNASに写真をアップロードしたり、ReadyNASの共有フォルダーに保存された写真をアルバムとして取り込んだり、保存された写真をスライドショーで表示することなどができる。また、メールアドレスで友人など招待することで、その人と手軽に写真を共有するなど、インターネット経由での写真の共有も可能なサービスとなっている。

ReadyNAS Photos II。アップロードした写真をスライドショーで表示したり、外出先からスマートフォンで参照したり、友人と共有することなどが簡単にできる
ReadyNAS Photos IIの設定も簡単。ウィザード形式で手軽に設定できる

もちろん、スマートフォンからの利用も可能となっており、「http://photos.readynas.com/ホスト名」経由で写真を参照したり、「フォトグラファー」と呼ばれるユーザーごとに個別に用意されたメールアドレス(ホスト名-番号@photos.readynas.com)を利用して、スマートフォンで撮影した写真をアップロードすることもできる。

このほか、Eye-Fiにも対応しており、リモートアップロードの設定を有効にすることで、FTPのアドレスが有効になり、自動生成されたユーザー名とパスワードを使って、撮影した写真をEye-FiからダイレクトにReadyNASに保存することも可能となっている。

ReadyNAS Photo IIのアルバムは、共有フォルダとは別に管理される点に注意が必要だが、前述したように共有フォルダーから一括で写真を取り込んだり、アルバムに取り込んだ写真を共有フォルダーにバックアップする機能なども搭載されている。NASの写真管理機能としては、かなり高機能なサービスと言って良いだろう。

招待メールを送信することで他の人とアルバムを共有することが簡単にできる
iPhoneなどのスマートフォンからアルバムにアクセス可能
リモートアップロードの設定を有効にすると、メールでの写真の保存やEye-Fiからのアップロードも可能

3年保証が魅力

以上、ネットギアから新たに発売されたReadyNAS NV+ v2、およびReadyNAS DUO v2を実際に使ってみたが、従来モデルの不満点だったパフォーマンスが改善され、さらに新UIで使いやすくなっている点は高く評価したいところだ。

もちろん、今回はあまり触れなかったが、ReadyNASならではのX-RAID2による高い拡張性もそのまま備えており、ホットスワップによってHDDを追加していけば、面倒な設定をすることなく、自動的にRAIDのレベルを調整しながら容量を拡張していくことが可能だ。難しいことはわからないというユーザーも少なくないコンシューマー市場におけるNASとしては、このX-RAID2の手軽さは重要だ。

また、地味ながら、標準で3年保証が受けられるのも大きな魅力だ。通常1年以上の保証は有料になる場合が多いが、これなら長期間、安心して、しかも低コストで使えるだろう。個人ユーザーはもちろんのこと、SOHOや小規模オフィスなど、業務での利用を検討している場合にも有力な選択肢になりそうだ。

(Reported by 清水理史)

製品情報

■ReadyNAS NV+ v2 製品情報
http://www.netgear.jp/products/details/RND4000-200AJS.html
■ReadyNAS Duo+ v2 製品情報
http://www.netgear.jp/products/details/RND2000-200AJS.html
■NETGEAR ホーム向けNAS製品ラインアップ
http://www.netgear.jp/products/home/storage