2001年12月
『スナッチ』

『ターミネーター』

『グリンチ』

2001年11月
『キャスト・アウェイ』

『スター・ウォーズ エピソードI ファントム・メナス』

『ショコラ』

『ゴッドファーザー』

スタンド・バイ・ミー』
2001年10月
『明日に向かって撃て!』

『羊たちの沈黙』

『バトル・ロワイアル』

アンブレイカブル』
2001年9月
『アラビアのロレンス』

『初恋のきた道』

『ペイ・フォワード』

クリムゾン・リバー』
2001年8月
『コヨーテ・アグリー』

『リトル・ダンサー 』

『ザ・セル 特別プレミアム版』

『火垂るの墓 -ほたるのはか-』

『17歳のカルテ コレクターズ・エディション』

2001年7月
『ダイナソー』

『宮廷料理人ヴァテール』

『グリーン・デスティニー』

『ダンサー・イン・ザ・ダーク』


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原題:『THE GRINCH』
Cast&Staff:
監督:ロン・ハワード
製作:ブライアン・グレイザー
脚色:ジェフリー・プライス/ピーター・S・シーマン
原作:Dr.スース
製作総指揮: トッド・ハロウェル
撮影:ドン・ピーターマン A.S.C.
特殊メイク:リック・ベイカー
音楽:ジェームス・ホーナー
出演:ジム・キャリー/テイラー・モンセン/アンソニー・ホプキンス(ナレーション)
発売メーカー名:株式会社 ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
定価:3,800円(税別)
■大切なあの人とご一緒に。心温まるクリスマス・ファンタジー


 それは昨年の春ごろのことだっただろうか。年末に『グリンチ』という作品が公開されるという話題を耳にした。その時、真っ先に浮かんだ疑問は「誰が主演か」でもなければ、「誰が監督か」ということでもなかった。「グリンチって何?」であった。実は恥ずかしながら、それまで筆者は“グリンチ”のグの字も知らなかったのである。グリンチは童話作家のDr.スースが生んだ名作古典「いじわるグリンチのクリスマス」という物語の主人公である。物語が映像化された今でこそ、彼が誰かを皆が知っているが、作品が公開されるまでは我々日本人にとって、この“緑のもじゃもじゃ”はそれほど馴染みのあるキャラクターではなかったように思う。

 原作童話が発表されたのは1957年。以来、アメリカでは世代を超えて読み継がれている大ベストセラーだそうだ。物語は世界で最もクリスマスを愛するファンタジックな街、フーヴィルが舞台。街の皆が年に一度のお祭りを心待ちにしているのだが、山に犬と暮らしているひねくれ者のグリンチだけは、クリスマスをいまいましく思っている。ひょんなことから人々の楽しみを奪ってやろうと計画をたてるグリンチだったが、ひとりの少女との出会いが彼を次第に変えてゆく……。これがアメリカ人なら大人から子供まで、誰もが知っているストーリーだ。

 原作も、映画もどこから見ても子供向けのファンタジー作品である。だがそこには現代社会を鋭く風刺するという深みも存在している。本作ではイジワルなグリンチのイタズラの数々が面白可笑しく描きながら心にゆとりを持たない者の淋しさのようなものを浮き彫りにしてゆく様子が見事だが、もうひとつの大切なテーマがここにある。それが「クリスマスの意味は?」という問いかけである。プレゼントやケーキを買いあさる人々。隣家のデコレーションにライバル意識を燃やす女性。すっかり商業化されてしまった「キリストの誕生日」が映し出され、表面的な華やかさに浮かれる人々の様子を通して現代社会を風刺しているのだ。

 Dr.スースは、クリスマスをすっかり俗っぽいお祭り騒ぎに仕立ててしまった現代人への警告としてこの物語を書いたのかもしれない。だとすると非常に耳の痛い話である。日本で12月24日といえば、何と言っても「本命とデートする日」なのだから。とはいえ、“大切な人と一緒にいられる幸せ”を感じさせてくれる物語であるのは間違いない。このクリスマスは『グリンチ』を大切な誰かとご覧になるのも悪くないだろう。恋人のいる人は恋人と、いない人は友達と、そして家庭のある人は家族みんなでこのクリスマス・ファンタジーを是非楽しんでいただきたい。

■変幻自在。カメレオン俳優、J・キャリーの魅力ぎっしり!



 クリスマス・ファンタジーというだけあって、本作で印象的なのは“動く絵本”のようなヴィジュアルである。Dr.スースの作り上げた世界観を壊さないように細心の注意が払われたというセット、キャラクター設定、容姿などが見事におとぎ話の世界を再現している。
 その見事な数々の作り込みの中でも、特筆すべきはハリウッドでも名うての一流メイクアップ・アーティストを起用し実現したグリンチである。特典映像「特殊メイクアップ&デザイン」ではグリンチが完成するまでのエピソードが披露されていて非常に興味深い。撮影期間92日もの間、毎朝2時間半かけてメイクをし、仕事が終了するとまた同じだけの時間をかけてメイクを落とすということの繰り返しに、さすがのキャリーも「撮影が終わった頃には禅マスターになったみたいで、殴られても笑顔でいられる気分だった。忍耐力を養ったよ」と話しているほどだ。メイクをデザインしたアーティストでさえ、「あれは拷問だね」と語っている。演じているのはジム・キャリーでも、その特殊メイクのおかげで彼の姿はほとんど原型をとどめていない。あまりにメイクが見事なので、演じるのは誰でもよさそうに思うほどだ。だが、監督は言う。「8人にグリンチのメイクをして、黙って立たせたら誰がジムかきっとわからない。だが、顔が動いた途端、一目で彼だとわかるんだ」。作品を観た人なら、その意味が良くわかるだろう。
 ところで、撮影の際に毎日ジムにメイクを施していたのは日本人アーティスト、ツジ・カズヒロ氏だ。特典映像で彼の活躍を覗くことができるのも、我々日本人にとってはちょっぴり嬉しいものである。



■片面2層
■画面サイズ:ビスタサイズ(16:9)
■収録時間:約105分
■音声仕様:
1,英語 ドルビーデジタル 5.1chサラウンド
2,英語 ドルビーデジタル 5.1chサラウンドdts
3,日本語 ドルビーデジタル 5.1chサラウンド

 


■メイキング・ドキュメンタリー
■未公開シーン
■NGシーン
■フー・キャラクター
■特殊メイクアップ&デザイン
■セット装飾
■視覚効果
■ミュージック・ビデオ:フェイス・ヒル“ホエア・アー・ユー・クリスマス?”
■フー・レシピ
■膨大な数字たち
■オリジナル劇場予告編
■プロダクション・ノート
■バイオ&フィルモグラフィ
■DVD-ROM
■DVD通信
■マックスのプレイハウス
グリンチと遊ぼう:おしゃれなグリンチ
ミュージック・タイム!
“ホエア・アー・ユー・クリスマス?”
一緒に歌おう!:“ホエア・アー・ユー・クリスマス?” “ユア・ア・ミーン・ワン・ミスター・グリンチ”



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