最後にキャストだが、『サルサ!』でその美青年ぶりが注目を集めたヴァンサン・ルクールが野心あふれる劇団員の男を演じており、筋肉モリモリの立派な肉体を披露している。古城の主アクセル役に、『さよなら子供たち』や『無伴奏「シャコンヌ」』などの名優フランソワ・ベルレアン。彼の演技のおかげで映画に緊張感がみなぎっている。また、カラックス映画で常連のドゥニ・ラヴァンが気味の悪い庭師役を演じているので注目。本来彼は恋愛映画よりもこういった役柄の方が断然似合ってると思う。また、一言もセリフがないアクセルの孫である少年ニコラ役を演じたティボー・トリュッフェール君だが、大人達に負けない存在感があった。ニコラと言えば、妄想少年ニコラ君を描いたそのものズバリ『ニコラ(原題はLA
CLASSE DE NEIGE)』という映画があったけれど、フランスでは“ニコラ”って、なんか不気味さを連想する名前なのかな? 日本で言う“貞子”みたいな(笑)。んなわけないか。あ、あと、アル・パチーノを太らせて、かなり間抜けにしたみたいな刑事(ミッシェル・ミュレール)があまりにも役に立ってなかったので印象に残ってしまった(笑)。