2001年10月
「シブヤ・シネマ・ソサエティ(S.C.S)」 総支配人 山下章さん

「シネクイント」支配人 斉藤 智徳さん

「ユーロスペース」劇場支配人 北條誠人さん

2001年9月
「シネアミューズ」劇場支配人 佐藤順子さん

「東宝株式会社」菊地裕介さん

「アップリンク」中村美穂さん

「セテラ・インターナショナル」加賀谷光輝さん

2001年8月
「ザナドゥー」杉山淳子さん

「ブエナ ビスタ インターナショナル ジャパン」石井恵美子さん

「スローラーナー」遠藤麻早美さん

2001年7月
「有限会社リベロ」武田由紀さん

「日本ヘラルド映画」島田いずみさん

「UIP映画」宮下恵理さん

「オンリー・ハーツ」中村洋子さん

「プレノン・アッシュ」佐藤美鈴さん


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 9月14日、宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』が公開56日目で『もののけ姫』の興行収入を超え、邦画第1位となった。公開日初日の7月20日から9月13日までの累計人員は1512万4019人、興行収入は193億5430万5630円だ。『千と千尋の神隠し』効果で、東宝は過去最高の業績を叩き出すとみられている。『千と千尋の神隠し』の宣伝活動に携わっている菊地裕介さんに話を聞いた。
 


「映画宣伝企画室でよかった、と思っています」
 東宝の映像宣伝部はパブリシティ室と映画宣伝企画室の2つの部署で構成される。パブリシティ室は、主に雑誌やテレビ媒体などへの宣伝活動が主体であり、一方、映画宣伝企画室は、予告編やテレビCMの製作などの企画、進行管理を担当するのである。

 実は菊地さん、入社時から映画宣伝企画室へ配属されたわけではない。「最初はパブリシティ室に2年いました。その後、事業開発室で、インターネット関連の事業開発を2年やっていまして、5年目で映画宣伝企画室に配属されたわけです」。映画宣伝企画室の場合、パブリシティ室が行う俳優の事務所、媒体や製作会社などとの連絡役も行わなくてはならない。そのため、「仕事は忙しいですよ。でも暇よりは全然いいですね。事業企画室では、う~ん、正直言って、暇でしたね~」。

 東宝の基本的な人事ローテーションは「2年、2年、その後」という構造になっているようで、「たとえば、Aという部署に新人で配属され、その後Bという部署へ廻され、次の部署に行くときが、その後の仕事を決定するんです」。それまでは適正を見る段階なのであろう。菊地さんの場合、5年目で映画宣伝企画室の配属が決まったわけで、一応一安心、という状況らしい。


「ニューヨークはよかったですよ~」
 大学2年から3年の間にかけて、菊地さんはニューヨークに留学した。映画製作がその目的だった。大学の映画学科に7ヶ月間通い、その後、専門学校で3ヶ月間映画製作の基礎を学んだ。「日本でも8mmで映画を作ってはいたんですが、やっぱり向こうはいいですよ。16mmで映画を作ることができましたし。非常にクリエイティブな環境で過ごすことができてとても楽しかった」。しかし、1年で帰国。ニューヨークの物価は東京とひけをとらないほどに、高い。「金が尽きました・・・」と菊地さん。結局、大学に戻るが「法学部ってホントにつまらないんですよね」とニューヨークで過ごした環境がどうしても忘れられなかった。

 その後、就職活動では、映画関連企業を受けたが「それだけじゃなくて、金融以外の業種はほとんど受けたと思いますよ。就職活動自体はすごく楽しかったですね。いろいろな業界の人にお会いできるし。今となっては、そういう活動自体することができないですし」。とはいっても、やはり映画の世界は捨てきれず、結局、東宝ともう一社に内定をもらった。「悩みましたね、すごく。担当者の方にもどうすればいいでしょうか、と正直に話したりもしました」。作品の配給では、東宝が日本最大手の企業であることは事実。菊地さんの心は大きく揺れていた。また、東宝には製作部門があった。エントリーシートには宣伝をやりたい、と書いたものの、将来的には映画製作にも乗り出していきたいという密かな野望も持っていた菊地さんは、そんな訳で東宝を選んだのだった。その数カ月後にもう一社が映画製作に乗り出すというニュースが・・・。「しまったぁ!と正直思いましたけど、まぁ、今になってみれば東宝で良かったと思いますよ」。


「失敗は山のようにありますが」

 現在、菊地さんが担当する作品は『千と千尋の神隠し』と11月中旬に公開予定

の市川昆監督による『かあちゃん』の2本。『千と千尋の神隠し』については、サブ的な役割に徹するが、『かあちゃん』では菊地さんがメインで宣伝活動を取り仕切る。「毎日細かい失敗の連続なんですが、すぐに忘れちゃうんですよね」と明るく笑う菊地さんの今後に期待したい。



『かあちゃん』
2001年 日本

監督:市川崑
原作:「かあちゃん」山本周五郎
出演:岸恵子、原田龍二、うじきつよし、小沢昭二、石倉三郎

全国東宝系にて公開予定
□オフィシャルサイトへ

(C)2001 TOHO CO.,LTD

 

 

 

(谷古宇浩司)

 

 

 
 
・・・LINK
□『かあちゃん』オフィシャルサイト
http://www.toho.co.jp/kah-chan/welcome-j.html

□東宝株式会社
http://www.toho.co.jp/

 



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