2000/03/16 23:20
[2000東京おもちゃショー]おもしろロボット大流行
おもちゃの展示会「2000東京おもちゃショー」が18日と19日、東京ビッグサイトにて開催される。16日と17日はビジネスデーとして報道・業界関係者に公開された。各社がさまざまなロボットを出展しており、その一部を紹介しよう。
バンダイはさまざまな形態のロボットをブースの前面で出展し、意欲的にこの分野に取り組む姿勢を見せた。
ネコ風ロボットの「BN-1」は見た目、非常に完成度が高い。腰が回転する、腕が360度回るなど独特な動作が可能で、その動きは非常に素早く、柔軟で安定していた。秋頃に5万円以下で発売される予定。なお、PCにつないでプログラミングすることも可能であるが、接続キットなどは別売りになる模様。出展されていたロボットのデザインはネコ風。同社の持つキャラクターをデザインに使うことも考えられたが「たれぱんだ」だと動きが少ないので却下されらしい。
「ワンダーボーグ(WonderBorg)」は同社の携帯ゲーム機「ワンダースワン」に接続するロボット。「光を受けたら後退する」などのようなプログラミムをワンダースワンで入力し、それを赤外線通信で転送させて自律動作をさせる。展示されていたモデルは昆虫型をしているが、下半身部は比較的簡単にユーザーでも改造できるようになっている。ワンダースワンとの接続ユニット込みで1万円前後で夏に発売される予定。こちらもデザインはまだ確定はしておらず、場合によっては何らかのキャラクターを使用することもありうるとしている。
参考出展としてコミュニケーションロボット「PATATA」も展示されていた。PATATAは歩き回る機能はないが、顔面に装備された10数個のモーターにより不気味なくらいの豊かな表情を表現することが可能。人間と会話をする機能の中で表情を変化させる。しかしPATATAはあくまで参考出展であり、商品化などの予定は未定としている。出展されていたものも、削りの粗いアルミ材とラジコン用のサーボが使用された試作機であった。
この他「BN-2」という手のひらサイズの小型ロボットも出展されていた。PATATAを除く今回出展されていたロボットはみな「光フェロモン」と称される赤外線信号を発信し、互いに互いを認識することができる。それを利用して「逃げ惑うBN-2をBN-1が追う」といった「トムとジェリー」ごっこや、光フェロモンを発するペンダントで飼い主を認識させるなどが可能だという。
タカラは「ROBOPAL」シリーズとして、ペットロボットとホームロボットを展示していた。
ペットロボットは犬デザインとネコデザインの2種類があり、それぞれ「モーターで動くもの」「ぜんまいで動くもの」など、さまざまな大きさと機能のものを展示していた。そのなかの「レシーバードック」は、携帯電話の着信に反応してチンチンをするというもので、3月28日に3800円で発売する予定。
ホームロボットとしては「目覚し時計」「玄関でのお出迎え」「空気清浄」などといったちょっとした機能を備えた5000円以下のロボット6種類と、留守番中に異常を発見すると電話で知らせてくれるなどの機能を持つ「Co Pan」(20万円)が出展された。Co Panは12月に、他のロボットは9月に発売される予定。
またこの他にも携帯電話を載せ、着信すると音を立てながら歩き出すという「レシーバーロボ」も出展されていたが、残念ながら展示されていたものは動作しないモックであった。こちらは4800円で5月に発売される予定。
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参考出展の2足歩行ロボ
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トミーは犬型ロボット2モデルとともに参考出展として小さな2足歩行ロボットを出展していた。これはブリキのおもちゃなどによくある「変な形状をした足」で歩くのではなく、ちゃんと重心を左右に移動させて歩行をするというもの。ロボット工学的にいう静歩行であり、動作している姿はホンダのP3を髣髴とさせる非常に本格的なものであった。
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プーチを語る加藤晴彦さん
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NAMI
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セガトイズはペットロボット「ココロボ」シリーズを展示していた。すでに発表されている「プーチ」については俳優の加藤晴彦さんが登場してその魅力を語るなどした。そのほかのココロボシリーズとしては、成長する猫型ロボット「ニャーチ(2980円で9月発売)」、50曲もの歌を歌える鳥型ロボット「チピーチ(2980円で9月発売)」、プーチ同士での通信に対応したプーチのアメリカ版「プーチ U.S.(3980円で8月発売)」、マサチューセッツ工科大学(MIT)とAIを共同開発している「AIプーチ(5980円で10月発売)」、PCとUSBで接続してメールを読んだり動作をプログラムしたりできる「PCプーチ(詳細未定)」なども展示されていた。
また、セガトイズではMITと共同で開発している次世代のおもちゃも出展していた。「NAMI」は触ると色が変わり、また周囲の球の色が変わるとそれに反応してまた色が変わるという独立分散ネットワークの概念を取り入れたもの。音楽知識の要らないデジタル楽器や、犬の行動原理などを学習させたAIなど、最先端の技術を利用したおもちゃも展示していた。
このほか、各社が数千円程度で自律型・リモコン型とさまざまなペットロボットを出展していた。それらを見るとソニーがペットロボット「AIBO」を発表して以来、すさまじい勢いでペットロボットが増えたこと感じさせられる。しかしバンダイの「BN-1」などは1年やそこらで完成させたとは思えない完成度であったので、これから登場するロボットも、そのすべてがAIBOの二番煎じ狙いともいえないと思われる。
(白根 雅彦)
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