C1で地図を呼び出せ!! モバイルマップforザウルス
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■ C1専用の地図配信サービス
さて、今回も引き続きシャープスペースタウン(以下SST)の情報サービスの話をば。ネタとしては、必要な時に必要な場所の地図をC1にダウンロードして使うという地図配信サービスことモバイルマップforザウルスなのだが、結論から言って、このサービス、かなり実用的。いや、かなりじゃなくて、すげー実用的。これなら便利に使い倒せるゼって感じなのだ。
個人的にはパソコン用地図閲覧ソフトの『マップファン』シリーズを使っており、クルマにはDVDカーナビを載せており、ハンディGPSマップのロカティオなんかも使っておった(←現在お蔵入り中)俺は、ザウルス用のマップサービスっていまひとつピンと来なかった。GPSも使えないザウルスで地図!? みたいに、なーんかこう、使い道が見えにくい感じだった。が、モバイルマップforザウルスを使ってビックリ。そうだよ!! コレだよ!! コレでいいじゃん!! コレがいいよ!! みたいに一気にこのサービスのスタンスに賛同してしまった。
モバイルマップforザウルスは、SSTの情報配信サービスのひとつで、具体的には“指定した場所の地図をC1にダウンロードして閲覧する”というもの。このサービスを利用するには、まず利用条件としてSSTの情報サービスに入会している必要がある(入会は無料)。それから、あらかじめC1本体にMOREソフトとしてモバイルマップMOREとMOREソフト版地図ビューアを入れておく必要がある。さらに、MI-C1のファームウェアが12以上(メモリー管理画面の右下に表示されるソフトウェア管理番号が12以上)である必要もある。要するに、SST情報サービスに加入し、C1を最新の状態に(ファームウェア)アップデートし、2種類のMOREソフトをC1にダウンロードしときゃぁ、モバイルマップforザウルスを使えるわけだ。
ちなみに、モバイルマップforザウルスは、現時点では無料。使いたいだけ使い倒せる。が、4月から有料化されるようだ。今のうちサクッと試して善し悪しを見定めておくのがスマートなC1野郎だと言えよう。
■ C1で地図を呼び出せ!!
モバイルマップforザウルスの詳細についてはココを参照していただくとして、このサービスは言ってみれば、ネット上にある地図データをC1に取り込む“だけ”のものと言える。C1に地図を取り込んで見る“だけ”で、別に大して珍しくないようなサービスだと言える。
ところが、C1を常用する者としてこのサービスを使うと、“ネット上の地図をC1に取り込んだ”というよりもむしろ、“C1がネットから地図を引き出した”というイメージが強い。
モバイルマップforザウルスの具体的な使用手順は、まず初めに、モバイルマップを起動する。C1上の各種データを検索する時のような検索画面が出て、そこに検索キーワードを入れるのだ。キーワードとしては、住所、電話番号、郵便番号、人名、店名、会社名、駅名が入れられる。次に(通信する準備=携帯電話等との接続とインターネットへのダイヤルアップ設定を済ませている状態で)キーワード入力後に[検索実行]ボタンにタッチすると、モバイルマップが自動的にSST(ていうかセイコーエプソンのi-point networkサービス)にアクセスし、キーワードに見合う周辺地図を検索・ダウンロードし、(ネットとの接続を切断すると)自動的に地図ビューアが起動して、地図が表示されるのだ。
言葉で書くと手順が長いように見えるが、実際の感覚としては、ザウルスにキーワードを入れると、地図が表示される。ネットに接続して地図をダウンロードする時間はあるが、操作はほんの数段階のもの。また、キーワードは前述のようなカテゴリで指定してもいいが、恐らく普通はアドレス帳データの中からの指定になるだろう。例えば、訪問先オフィスのアドレス帳データを表示させ、その住所部分をなぞって選択し、モバイルマップを起動すると、後はC1が前述と同様の動作をし、結果、地図を表示する。
つまり、C1のアドレス帳の住所部分を選択→モバイルマップ起動→地図表示、という……あの……えーと……ぶっちゃけた話、何も複雑なコトは考えなくてよくて、アドレス帳から地図が引っ張り出せたという感覚なのである。そして地図を引っ張り出してくれたのはC1さん。C1さんは俺のためにネットだかなんだかに行って地図持ってきてくれた!! みたいな他力本願性の強い楽勝感がある。
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モバイルマップを起動すると、この画面になる。ここでたとえばインプレスの住所を入力して、検索ボタンを押す。検索ボタンを押すと、インターネットに接続しにいくので、あらかじめ携帯電話などにつなげておく必要あり。接続→ダウンロード→解凍と、ほぼ自動で、待ち時間はあるけどカンタン |
で、インプレスの住所からゲットしてきたのがこのマップ。写真では見づらいけど真中の旗が立ってるところがインプレス。こんな感じで訪問先の住所から地図をダウンロードしておけば、初めて行くところでも安心だ |
少々抽象的な説明になってしまったが、これまでザウルスで電子地図を使うというと、あらかじめ使うであろう地図をユーザーがザウルスに入れておいたりした。あるいは、ウェブの地図ページを開いてユーザーが目的の地図を探していった。どちらにせよ、ザウルスでの地図使用は、なんかこう、ユーザー努力型の利用スタイルだったのだ。だがモバイルマップforザウルスは、必要な時に必要な場所の地図を、キーワード入力のみでC1上に表示させられる。あらかじめ用意がなくても、いつでもその場で地図を用意できる。この使用感覚は非常に安楽、そして合理的、加えて実用に即したものなのであり、俺にとってかなり衝撃的だ。
敢えて言えば、サブノートにインストールした全国版の地図ソフトや、あるいはGPSマップ機器より、モバイルマップforザウルスの方がツボを心得ている印象さえあるのだ。わりと一般的なモバイルの状況について、他のマップ利用スタイルに対してちょっと意地悪な言い方をすれば、「GPSマップで自分の位置わかるのって意味ある!? クルマで走るわけじゃなし、山ん中にいるわけじゃなし、だいたい目的地あるわけだし、経路だってだいたいわかるじゃん」とか、「全国の地図をディスクに入れてんのって無駄じゃない!? 全国くまなく歩くわけじゃないんだし」みたいなことになる。
そういう意味で、例えば駅や空港に着いた後、そこから目的地までの地図が欲しいという時には、その必要な地図だけを非常に簡単な方法で入手できるモバイルマップforザウルスは群を抜いて効率的だし現実的だと感じる。
■ すげー便利だけど……
モバイルマップforザウルスは、“要る地図だけをその時にゲット”という、なんかこうクライアントサーバな感じの地図配信サービスで、C1のようなユーザーメモリ(リソース)がやや貧弱なツールにとっては、大いにマッチするシステムだ。地図の表示方法なども現実的で便利だと感じる。
例えば、ダウンロードした地図は画面上をタッチ&ドラッグ(??)すれば自由にスクロールさせられるし、縮尺も変えられる。地図のダウンロード時にはナビスポットデータ(検索ポイント付近の位置データ)を付けられ、このデータはパーソナルデータベースIIのデータとして保存されるので、ユーザーの好みで知人宅地図データベースとか、プレイスポット地図データベースなんかを作るのも容易だ。ちなみに、地図データはダウンロードした後も(ユーザメモリが許す限り)残して置ける。
ただし、日本全国の地図をキッチリ“便利に利用できる”かと言えば、そうでもない。このページの“利用(ダウンロード)できるデータ”の項の説明のとおり、地域によっては地図の縮尺がさほど実用的でないような場所もある。つまり、大雑把な地図しか出ない地域もあるってこと。まあこのあたりは、i-point networkの地図データの充実を期待するしかないと思うが、現時点では都市部じゃない場所はちょいと地図が見にくいという残念さが残る。
それから、モバイルマップでのキーワードとして、例えば“東京都千代田区三番町20”という文字列を入れれば問題なく検索される。が、“東京都 千代田区三番町 20”というふうに、キーワードに空白が入ってしまうと検索ができない。些細な問題ではある。
でも、パソコン接続用キット等とMicrosoft Outlookを使い、C1のアドレス帳とOutlookの連絡先をシンクロナイズさせた時に、C1のアドレス帳データの住所部分が空白で区切られてしまうことがある。Outlookを正直に使っている人はたぶん空白ができちゃうハズだ。で、C1のアドレス帳の住所をなぞり、そのままモバイルマップを起動して地図検索をしようとすると、(キーワードが空白で区切られるので)いつも検索不能となる。まあ、このことを知っていれば、検索前に空白を削除するとか、Outlook側での住所入力字に空白が入らないように工夫するなど手はあるが、なーんかせっかくのクイックさが少々そがれた感じで残念。
あと、これはモバイルマップがMOREソフトだからしょうがないコトだが、マップビューワ等を使って地図を閲覧し、そのまま再度アドレス帳に移動し、そこからモバイルマップへキーワードを移行させて検索しようとすると、モバイルマップを一度終了させ(てから再度起動させ)る必要が出る。これもなんか、ちょっと面倒。
これらキーワード空白問題やモバイルマップ終了起動問題は、ホントに些細なコトなのだが、しかし、アドレス帳データからモバイルマップを使うことを繰り返すユーザーや、OutlookとC1を几帳面にシンクロナイズさせているユーザー(例えば俺なんですけど)にとっては、けっこう気になる問題であった。
ちょっと個人的環境を棚に上げた文句っぽくなってしまったが、ともあれ、このモバイルマップforザウルスは、C1本体にかかる負担もユーザーにかかる負担も非常に少なく、またモバイルの場面に非常に適した効率を持った、かなり使える電子地図配信サービスだと言えよう。前述のように、少なくとも3月中は無料で使えるので、興味のあるC1ユーザーは試しまくるのが吉であってゴーSSTナウって感じだ。
◎関連URL
シャープスペースタウンのホームページ
http://www.spacetown.ne.jp/
新ザウルスMI-C1製品情報
http://www.sharp.co.jp/sc/eihon/mic1/text/index.html
MI-C1周辺機器情報
http://www.sharp.co.jp/sc/eihon/mic1/text/p6.html
シャープのホームページ
http://www.sharp.co.jp/
(スタパ齋藤)
2000/03/24
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