■ 机上の空論!?
俺はこないだまで、パワーザウルスMI-610を使っていたのだが、コイツを外に持ち出してメールを使ったりする場合は、だいたいいつもセイコーインスツルメンツ製PCカード型PHSのMC-P100を使っていた。これはDDIポケットのαDATA32対応のPHS端末一体型PHSで、コレをMI-610のPCカードスロットに挿すだけでメールだのウェブだのが使えて、非常に快適だった。通信時、MC-P100とMI-610が一体化するので、立ったまま余裕で使えるし、座るといつもより余計に余裕ブッこいて利用できる点が非常に良かった。なので、かなり気に入りまくり、MI-610との併用はもちろん、サブノートでも使ったし、大掃除中とか引っ越し中にはオールインワンノートでも使った。俺にとってもの凄く役立っている製品なのであった。
さて、MI-C1でのモバイルとなると、カードスロットがCFサイズなので、この最高に役立ちまくりでフェイバリットなMC-P100が使えない。限りなく残念なのだが、まあ挿さんないんだからしょうがない。じゃあMI-C1はどんなスタイルで通信機器とつなごうか!? MI-C1本体を買う直前、シャープのMI-C1用周辺機器紹介ページを見て、俺はアレコレ考えた。
まず、CFカードスロットを使っての通信となると、せいぜいモデムカードがあるだけ。モデムカードなら、携帯電話類を使うよりも通信速度的なメリットがあるが、でも結局ケーブルでMJに接続しなくちゃならない。MI-C1を家やオフィスで使うなら、まあそれもいいかもしんないけど、モバイルとなると基本的にはモデムカードはパス。グレ電(ISDN公衆電話)使った通信ってのもあるけど、ん~、やっぱり場所に囚われたくない感じ。場所限定での通信でも、たぶん現実的にはそーんなに困りまくりってことはないにせよ、せっかくのMI-C1のフットワークを束縛する感じなので、考えないことにしよう。
そして残るは携帯電話との接続。俺の場合、NTTドコモのPDC端末、IDOのcdmaOne端末、それからDDIポケットのPHS(エッジ)端末を使っている。ドコモのPDCにするとMI-C1での通信速度は9.6kbps、IDOのcdmaOneにすると通信速度が64kbpsになりそうなモンだが実際は14.4kbps、DDIポケットのエッジにすると32kbps(よりやや遅い)。通信速度だけ見ると、やはりエッジでしょう!! ということになるのだが、でも、そうは簡単に決められない。
エッジは安くて速くて端末側のバッテリーがよく持つので非常に良いのだが、MI-C1はどこにでも持ってく“常用PDA”なのだ。もしかしたらある種僻地な場所で使うかも!! とか考えると、エッジだけってのはちょっと心細いかもしれない。通話圏的に少々不安アリ。
じゃあやっぱりドコモの端末!? ドコモっつーくらいでホントにドコでモつながるから、通話圏的な不安はない。でも9.6kbps。安心感と引き替えに速度を失うのか~!? むむむ~。
間を取ってcdmaOneか。通話圏も広く、通信速度もそこそこ。それに通話の音もイイし、俺はパケット対応のEZアクセスサービスとかがけっこう気に入っている。なんかけっこう問題ない感じ。そうだcdmaOneにしよーっと。
ということで、さっそくMI-C1とcdmaOneをつなぐためのケーブル(CE-CT1/標準価格4500円)を購入。そして心の安心のためにデジタル携帯電話接続ケーブル(CE-DT1/標準価格4500円)とPHS接続ケーブル(CE-PT2/エッジ端末およびα-DATA32対応電話機用/標準価格4500円)も購入って何だけっきょく全部つなぐつもりかよ>俺。そうなんです!! 結局ひととおり試してみたいんです!! ダメですかこんなに無差別にケーブル買っちゃ!? ねえダメですか? 人間失格ですか? どーせ使うのは1本ですか? どう思います、クドーさん!?
「いいんじゃないスかー。クドーも面倒だからケーブル全部買っちゃいましたよ。あとPDC用のホルダーも買いましたし」
そうですよね。私なんかまだまだ全然大したことないですよね。そう言えばホルダー買わなくちゃ。アレおもしろそうですよね。
そうなのだ、ケーブル3本買って喜んでいる場合ではない。MI-C1用に、非常によさげな周辺機器が出ているのである。ホルダーは、機能的には前述の接続ケーブルと同様だが、MI-C1本体と合体し、そのうえ携帯電話をホールドしてくれる機構(というかカラクリ)を備えた便利っぽい製品。デジタル携帯電話/ドッチーモ接続用のホルダー(CE-C1DH/標準価格7000円)と、cdmaOne接続用のホルダー(CE-C1CH/標準価格7000円)がある。
■ 結局cdmaOne用ホルダーは……
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これはデジタル携帯電話ホルダーだが、cdmaOne用と形状はまったく同じ。装着してもMI-C1が片手で操作できるのが売りだが、装着がちょっとだけ面倒なのと、持って歩くのに意外とかさばる |
MI-C1のモバイルにcdmaOne端末を使うことに仮決定した俺は、結局、cdmaOne接続用のホルダーも購入。3本のケーブルと1個のホルダー。きっとホルダーばっかり使っちゃってケーブル無駄にしちゃうんだろうなぁとか思いつつ、とりあえず全部使ってみた。
まずホルダー。MI-C1とホルダーの接続は非常に簡単で、パソコン連携キット(CE-C1PK)のクレイドルにMI-C1を接続する時のように、MI-C1のオプションポート16のフタを開き、ホルダーをMI-C1の左側からカチャッとはめ込むだけ。ちなみに取り外す時はホルダーの両端にある丸いボタンを押さないと外れないので、MI-C1と合体中のホルダーが不意に外れてしまうようなことはない。
で、合体させたら、いきなり何かイマイチな違和感が。ホルダーが意外にもかさばるのだ。ホルダーを装着した部分はMI-610と同じような厚みになってしまう。またホルダーを装着したMI-C1の横幅もMI-610と同じくらいになる。これじゃあMI-C1の軽快さが失われる感じ。でもまあ、せっかく買ったんだから使わなきゃ……使ってりゃこの違和感にも慣れるだろきっと……。
というわけで、しばらくMI-C1とホルダーとcdmaOne端末を使ってみたが、結局、細かな違和感があって使うのをやめてしまった。それは、まず前述の“かさばる”ということ。どーにもスッキリしないのである。それと、ホルダーにcdmaOne端末を付けるのがけっこうやりにくい。ホルダーにはcdmaOne接続ケーブルが(コミュニケーションパルのようなイメージで)収納でき、まあこの点はいい。が、ケーブル自体がかなり短い(約2センチ)。通信時やケーブル収納時はこの短さがありがたいのだが、携帯電話とホルダーを接続する時、この短さにストレスを感じる。
と言うのは、携帯電話をホルダーと接続する時は、まずホルダーの押さえ金具部分に携帯電話を通し、その後、携帯電話とケーブル(コネクタ)をつながないといけない。実際この作業をやると、携帯電話のボタンは押しまくっちゃうわ、コネクタがつなぎにくいわで、なーんか非常にかったりいのだ。
通信時に携帯電話をホールドしてくれるこのホルダーは、通信時に限って言えば、片手でMI-C1を持って片手でペンという感じで、MI-C1を立ったまま使える便利グッズなのだが、どーも通信準備段階と非通信状態がナニであった。アイデアとしては非常に積極的で親切な製品だと思う。が、どうも実用上、俺は気持ち悪いと感じてしまった。なので、結局、俺のcdmaOneホルダーは1週間の命。あー焦ってデジタル携帯電話ホルダーの方まで買わなくて良かったァとか思った。
■ エッジでの通信に落ち着いた俺
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結局、エッジとMI-C1の組み合わせで落ちついた |
ホルダーがお蔵入りってことになったので、あーまぁしょうがないかな~ケーブル接続で、と思いつつ前述の3本のケーブルを使用。
いろいろ試した結果、最終的にはMI-C1とエッジを組み合わせて使うことがいちばん多くなった。やっぱり現時点では最も高速で通信できる(MI-C1の場合)し、通信料金も安いし、コンパクトだし、バッテリーも持つ(MI-C1側のバッテリーに関しては通信速度の遅い通信機器での使用の方が長持ちするようだ)。よく考えてみればそうだ。俺はMI-610とMC-P100を組み合わせてずっと使っていたのだ。そしてほとんど不便を感じたことがない。エッジが最もリーズナブルなのだ。
ちなみに、PDCの接続はやっぱりその通信速度の遅さに耐えられなくなった。シャープスペースタウンなんかをバリバリ使うようになると9.6kbpsじゃストレスたまりまくりだ。cdmaOneはPDCよりまだマシだが、でも14.4kbpsじゃやはりタルい。正直な話、PIAFSでさえ多少物足りない。モバイルマップやザウルス電子マンガを使うようになるとなおさらだ。
ところで、前述の3本の通信用ケーブルだが、これはもしかしたら、前述のホルダーよりも実用的かもしれない。特に俺の場合、本体重量の軽い端末(エッジ)を使っているので特にそう感じる。具体的には、3本のどのケーブルも長さが約32センチあって、ケーブルは専用のコンパクトなケースにスッキリ収められるというあたり。机上のみで考えた場合、MI-C1と携帯電話類をケーブル接続すると、MI-C1を手で持ち、ケーブル接続された携帯電話類をどっかに置かなきゃならない感じで、無理すれば立ったままMI-C1で通信できるかもしれないけど、なんかぎこちなさそうだな~、とか思う。が、実際そんなことはない。
長さが32センチもあると、MI-C1を手に持ち、ケーブル接続された携帯電話等を胸ポケットに入れられたりする。また、携帯電話のストラップをMI-C1を持つ手の手首にかけておけば、それで済む。ストラップにクリップが付いていれば鼻や耳に引っかけることもできるってそれは痛いゼ>拙者。とにかく、ケーブル接続でもMI-C1を立ったまま使えるのだ。
さらに、ケーブルを専用ケースに入れた状態でも、そんなにかさばらない。当然だがMI-C1のサイズも変わらないので、MI-C1の軽快さが失われない。ケースに入れないでケーブルを持ち運べば、もはや“持ち運ぶ”という印象がないくらい気にならないサイズに収まる。ついでに、MI-C1と携帯電話にケーブルを接続する作業にも手間取らない。立ったままでも、MI-C1か携帯電話のどちらかを胸ポケットに入れるとか、MI-C1にもストラップを付ける(MI-C1本体左下のストラップ用の穴を利用)などして少々工夫すれば全然問題なく使えるのだ。
なんてなコトを書くと、俺は、お蔵入りさせたホルダーが残念になるどころか、あーもうホントに俺の机上の空論ってダメな感じ~というヘコみ感を自ら味わうことになる。でもまあ、俺の結論としては、俺の場合はエッジ+MI-C1+接続ケーブルCE-PT2だけでオッケーとなったし、多くの人の場合も携帯電話やPHSとMI-C1と1本のケーブルの組み合わせで済むような気がする。
■ 願わくは……ムリなのかなぁ
現在のトコロ、前述のようにMI-C1にエッジをケーブル接続して使っている。が、できることなら、セイコーインスツルメンツのMC-P100のようなPHS端末内蔵型データ通信カードを使いたい。MC-P100のCFカードサイズ版ってのは出ないモンかなぁ……と思っていたら、通信機器の達人こと法林岳之氏の連載『週刊モバイルCATCH UP』でMC-P100の新型ことMC-P200が紹介された。うっ、コレはイカシてるかも!! エッジな感じのカード!! 絶対買うでしょ!! ていうか既に注文済みなのだが、でも、残念なことに、これはPCカードサイズなのであり、MI-C1とはカンケーない通信機器なのだ。
あー、DDIポケットはどうしてCFスロットにスコッと挿せるエッジ端末ないしαDATA32対応端末を出してくんないのかなー。ムリなのかなー。あんなにちっこい板っ切れには端末入んないのかなー。でもキャリアはDDIポケットじゃないとダメなのだ。部屋の中でスンナリ使えるのはやはりDDIポケットしかない!! と俺はつくづく感ている!! だからぜひ!! CFカードサ……っていくら力んでもないモノはないのである。残念。
◎関連URL
新ザウルスMI-C1製品情報
http://www.sharp.co.jp/sc/eihon/mic1/text/index.html
MI-C1周辺機器情報
http://www.sharp.co.jp/sc/eihon/mic1/text/p6.html
シャープのホームページ
http://www.sharp.co.jp/
(スタパ齋藤)
2000/02/25
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