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MI-C1、細かいようだがココがナイス!!
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POW-ZAU MANIAC(仮)

ザウルス新連載第2回
MI-C1、細かいようだがココがナイス!!


■ いい感じのメニュー

シャープ ザウルスMI-C1
標準価格88,000円。ファインシルバーとフォーマルブルーの2色がある。店頭価格は7万円前後

 俺の場合、ザウルスに慣れたザウルス派なのだが、カラーポケットことMI-310から採用された、新たなメニュー表示こと“基本インデックス”というのが性に合わなかった。

 っていきなり細かい話で恐縮なのだが、ザウルスには、これまで大きくわけて2種類のメニュー表示方式があった。ひとつは、ザウルスの各機能をいくつかのインデックスに分けて表示していたタイプ。単に、ザウルスでできるコトを、ザーッとアイコンで一覧させていたものだ。そしてもうひとつは、基本インデックスを採用したタイプ。

 ふたつのメニュー方式の細かな違いはここでは割愛するが、大雑把に言うと、前者が“目的を達成できる機能をユーザーが選ぶ”タイプのメニュー表示。後者(基本インデックス)が“ユーザーの目的そのものを選ぶ”タイプ。それから、前者のインデックスを搭載したザウルスは、電源を入れたら“最後に使った機能”の画面になるという特徴があった。一方、基本インデックスを搭載したザウルスの場合は、電源を入れればいつも基本インデックス画面になるという違いがあった。

ザウルス アイゲッティのメニュー。お手軽メニューであり、初心者には楽勝感が高い。が、ザウルス中級以上ユーザーにとっては、必ずコレが表示されちゃうのがちとまどろっこしい

 で、俺の場合、この基本インデックスを使いにくいと思っていた。
 基本インデックスは、初心者などには大きなメリットのある機能だ。なぜなら“やりたいこと”がすなわちメニューになっているから。どの機能を使えば“やりたいこと”ができる、というような知識もあまり要らない。例えば、メールを書きたいと思ったら、画面上に表示されている[メール書く]・[メール見る]の後者にタッチすればいい(それまでのザウルスはメール機能を選んでから[新規作成]などを選ぶ必要があった)。基本インデックスは、それ自体わかりやすく便利だった。が、いちいち基本インデックスに戻る感じなので、どの機能を使えば何ができるというコトを把握している中級者やヘビーユーザーにとっては邪魔な存在でもあった。

 まあアレと同じだ、ソフトウェアの敷居を低くするためにある一種の“ランチャー”。これはソフトウェアを使い始める頃は非常にやさしく馴染みやすいオブラートだ。が、ある程度ソフトの内容・機能がわかるとダイレクトに目的の機能を呼び出したくなる。いずれランチャーを使わなくなり、メニューバーから目的の機能をダイレクトに呼び出すようになるモンだ。

 ともあれ、カラーポケット以降の新機軸ザウルスは、なーんかこう、ランチャー指向であって基本インデックスを搭載していた。と同時に、基本インデックスがあるがために、電源を入れるといつも基本インデックスになっちゃうというか、ザウルスのレジューム機能的便利さには少々欠けた。この点が、従来からのザウルスユーザーに不評だったりした。


写真上:MI-C1の「ホームインデックス1」。「ホームインデックス2」はアイゲッティ風の初心者向きインデックス。
写真下:インデックスは6つ用意されており、オリジナルインデックスも作成できる

 で、MI-C1はどーなのかと言うと、基本インデックスはそのまま(ホームインデックス2として)残っているのだが、それと同時に「基本インデックスなんか邪魔くせーんだよ」と感じるユーザーに便利なインデックスも用意されている。具体的には、C1が持つ機能(アイコン)を一覧できるインデックスや、カテゴリ別に機能を一望できるインデックスなど、合計6種類のインデックスがある。

 この中には、ユーザーが頻繁に使う機能だけを登録できるオリジナルインデックスもある。なので、メニュー表示の方法としては、これまでのザウルスシリーズを包括する多彩な表示が可能となっている。と同時に、MI-C1前面左上にある[戻る]ボタンのみで、各種インデックスを切り替えて表示させられるなどの機能もある。さらに、電源投入時にどのインデックスを表示させるかも設定できる。

 まあ、最初はとにかくインデックス画面が出てしまう(アドレス帳やスケジュールを表示させる方法もある)が、絶対に基本インデックスが出てしまう強引さはなくなっている。

 それからMI-C1では、MI-610などで採用されていた、画面左端にある固定のボタン(各種機能が割り振られているショートカット的メニューボタン)が減らされて、直接機能へ飛ぶボタンとしてはアドレス帳とスケジュールだけになっている。

 非ザウルスユーザーにはわかりにくい細々としたコトを長々と書いてしまったが、要するに、MI-C1のメニュー関連表示・ボタンは、従来各機種の長所や定番的インターフェースを残したうえで、ムダをそぎ落とす方向で洗練し、かつ自由度が高められているのだ。初心者は基本インデックスから使い始めて、徐々に他のインデックスを使いこなしていけばいいし、だいたいわかってる人はいきなりオリジナルインデックスをカスタマイズして使えばいい。多くのユーザーがそれぞれ便利に活用できる、非常に強力なインデックスが用意されたことは、すげー高く評価したい感じだし、ハッキリ言って使いやすい。それまでMI-610などのメニュー表示方式にかなりこだわっていた俺だが、「なるほどこれなら使いやすい」と納得した。



■ ココから読んでもいいスよ

 というわけで、いきなり細かなソフトウェア的話題に突っ走ってしまったわけだが、ココからはもうちょいわかりやすい話。MI-C1のすげー便利な点を。

写真上:“よみ”入力によるインクリメンタルサーチが可能になったアドレス帳
写真下:大きい文字、すなわち16ドットフォントに切り換えた場合のアドレス帳表示

 まず、アドレス帳での検索がすげー強力になったこと。従来の個人名検索とか会社名検索とかキーワード検索はもちろん使えるが、それに加え、読み仮名で絞り込んでいく検索(読みのインクリメンタルサーチと言えよう)ができるようになった。

 この検索方法は、アドレス帳を開くといつも現れるひらがなキーボードから使う。齋藤さんを捜そうとしたら、おもむろに“さ”にタッチ。すると、読みが“さ”で始まる名前がズラリと並び、さらに“い”をタッチすると“さい”で始まる名前が並び、続けて“と”をタッチすると“さいと”で始まる名前が並ぶ。というふうに、読み仮名を全部入力することなく、効率的にデータを絞り込んでいける。まあ、齋藤なら“さ”にタッチした時点でいきなり表示されたりするが……。ともあれ、最小限の入力で最大限に効率的な検索ができる優れた検索方法が搭載された。なおこの検索方法は、個人名に対しても会社名に対しても行える。

 MI-610などのザウルスでは、結局読みのタグをタッチして順にスクロールさせて名前を見つけるとか、名前等を全部入力しての検索などしか使えなかったのだが、この新しい検索機能が搭載されて、ものすげークイックに使えるようになった。特に、アドレスに300件とか500件とか1000件とかのデータを登録している場合には、ものすげー有効である。

 他に目新しいところでは、フォントのサイズを変えられる点。MI-C1は3.9型というかなり小さい液晶を使っていて、またバックライトではなく、基本的には12ドットフォント表示。だが、このフォントをワンタッチで16ドットに拡大・表示するボタンが、いろいろな機能に付加された。つまり、読みやすいサイズに文字を拡大する機能である。これなどは年輩ユーザーや目の悪いユーザーに便利そうだ。



■ まだまだ序の口

 他にもいろいろ改善・付加された機能はあるが、とりあえず「なるほどぉ~」と思ったのはこんな感じ。ていうか細かいトコロまでまだまだ使い込んでいないので、新たに発見したら逐一報告していく。ともあれ、前述の“洗練されたメニュー表示”に加え、新しい検索方法、それから表示など、ザウルスの使い勝手を大きく向上させている“要”となるものだ。従来のザウルスでも十分使いやすいと思っていた俺だが、こうするとこんなに便利になるのだと気づかされ、ちょっと新鮮な驚きを感じていたりする。

 さあようやくMI-C1をいじくり始めたという感じで、今回はまだMI-C1の深い部分に触れていない。でも、そろそろ機材も揃ってきて、データの移し替えなんかにも本腰を入れ始めた。というわけで、次回からは、デジカメカードはどーなのかとか、通信系ケーブル類とそれに関わるソフトウェアはどーなのかなど、より具体的で現実に即したインプレッションをしていきたい。

 でも、とりあえずザーッといじくってきた感じで結論を出してみると、MI-C1はかなり無難なバランスを持ったモバイルツールだと言える。MI-C1のカタログにも書いてあるが「ケータイ持ってる、だったらザウルス」というのはかなりホントっぽい感じ。これ1台で実にいろんなコトができてしまう。いわゆるモバイルにおいて、MI-C1でできないコトを捜す方が大変という感じもする。ストイックに考えると「俺ってパソコンとかいっぱい使ってるけど、もしかしたらほとんどのコトがMI-C1でできちゃうかも!?」みたいな気にもなる。

 かつては「システム手帳よりもザウルス」とか言ってた俺だが、最近は「サブノートよりもザウルス」という領域に移りつつある感じがする。まあ「ホントにサブノート要らないの~」と言われると困る俺だが、そんなことも含め、MI-C1が最近のモバイルシーンでどのくらい実用的に使えるのかを、これから検証してみたい。


◎関連URL
新ザウルスMI-C1製品情報
http://www.sharp.co.jp/sc/eihon/mic1/text/index.html
シャープのホームページ
http://www.sharp.co.jp/

(スタパ齋藤)
1999/12/17


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