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週刊Windows CE通信

~Windows Media Playerを使ってみました(その1)~

 2月29日、マイクロソフトより待望のPalm-size PC用「Windows Media Player for Palm-size PC Version 1.1」(以下WMP)がリリースされた。さっそく使ってみたので、今週はWMPについてのレポートをお届けしよう。


■Windows Media Playerって?

メインスクリーン
 WMPのメインスクリーン。再生、停止などのボタンは使いやすいように配置されている。TAG情報に日本語が含まれていても文字化けしないのがいい。

 WMPは、Palm-size PCでWMAファイルとMP3ファイルを再生できるオーディオプレーヤー。マイクロソフトのホームページから入手することができる。

 現在は、カシオの「Cassiopeia E100/E105」、コンパックの「Aero」シリーズ、HPの「Jornada 430se」の3種類のアーカイブが用意されており、それぞれ無料でダウンロードすることができる。カシオが国内向けに販売している「E-55」や「E-500」シリーズで使うには、「Cassiopeia E100/E105」用のアーカイブをダウンロードすればよい。

 ちなみに、WMAファイルは、64kbpsで高音質な再生ができるマイクロソフト独自のオーディオファイル・フォーマット。MP3の128kbpsで記録されているファイルと比較すると、ファイルサイズが約半分になるのが特徴。つまり、同じ容量のメモリカードでMP3の倍の再生時間のファイルを保存することが可能になるのだ。まだまだMP3よりは知名度の低いWMAなのだが、記憶デバイスが限られているCEにはうってつけのファイルフォーマットだといえるだろう。WMAファイルについて詳しくは次回紹介するとして、今回はWMPでMP3ファイルを再生してみることにしよう。


■MP3ファイルって?

 MP3とは、MPEG(Moving Picture Experts Group)-1 Layer 3の略称。MPEGはもともと動画を圧縮するためのファイルフォーマットだが、MP3はMPEG-1のオーディオデータを圧縮するための方式のひとつ。MP3を利用するとCD並みの音質を保ちつつ、ファイルサイズを1/10から1/12に圧縮することができる。たとえば、CDクオリティの4分程度の楽曲ならば、3~4MBのファイルに圧縮することができるのだ。

 MP3データの作成はパソコンを利用して音楽CDなどからコンバートするのが一般的で、データのコンバートには、CDリッパーと呼ばれるCD内の音楽データを抜き出すツールと、抜き出した音楽データをMP3に変換するMP3エンコーダーと呼ばれるツールが必要だ。


■インストールして使ってみよう

音楽ファイルの情報表示
 音楽ファイルの情報を表示。こちらも情報に日本語が含まれていても正しく表示される。

 WMPのアーカイブを入手したら、早速インストール。インストールをするためには、Windows 95あるいはWindows 98とPalm-size PCをActiveSyncで接続する必要があるので注意して欲しい。インストールしたらMP3ファイルを用意して、Palm-size PCで起動してみよう。

 WMPのユーザインターフェイスは画面を見てもらえればわかるように、非常に単純。画面中央に「再生」ボタンが配置され、それを取り囲むようにさまざまなファンクションのボタンが配置されている。リピートやランダム再生も可能だ。

 今回リリースされたWMPは英語版ではあるが、MP3のID3 TAG情報に日本語のキャラクタが含まれていても正しく表示される。多くの英語版のMP3プレーヤーではID3 TAG情報に日本語が含まれていると文字化けして表示されることも多いのだが、このあたりの作りはローカライズを意識したものだと考えられる。つまり、そう遠くない時期に日本語版もリリースされると考えてもよいだろう。


■ボタンのカスタマイズも可能

ボタンのカスタマイズ
 再生、停止などプレーヤーの機能をボタンに割り当てることが可能。機能をすべてボタンに割り当てておけば、画面にタップしなくてもWMPをコントロールできる。

 さて、音楽を再生しているとき、特に電車の中で利用するときなどはプレーヤーのコントロール、たとえば再生や停止、スキップなどの操作をいちいちタップしてするのは面倒。

 というわけで、WMPではPalm-size PC本体のボタンにそれぞれの機能を自由に割り当てられるようになっている。デフォルトでは横のボタンに再生が割り当てられているだけだが、それぞれのボタンに機能を割り当てることによって、画面をタップせずに音楽再生をコントロールすることができるようになっている。実際にボタンに機能を割り当てるときは、割り当てたい機能を選んで、ボタンを押すだけなので簡単だ。



■ファイルを自動収集してくれるのは便利

プレーリストの編集
 プレーリストの編集。ここで表示されている音楽ファイルが再生される。本体メモリ、CFメモリカードからすべての音楽ファイルを検索し、表示してくれるので非常に使いやすい。

 たいていのデジタル音楽プレーヤーには、たくさんの音楽ファイルからプレーリスト(再生したい曲の一覧)を作って、プレーリストに含まれている曲を順番に再生するという機能が備わっているが、もちろんWMPでもこれがサポートされている。しかもWMPのプレーリスト機能は非常に使いやすいが特徴。

 最初にWMPを起動すると、本体メモリやCFメモリカードに含まれているすべてのMP3ファイルやWMAファイルがリストアップされる。つまり、ユーザーはCFメモリカードのどのフォルダにどんなMP3やWMAファイルが入っているのかをまったく意識する必要がないわけだ。CFにMP3データを入れて、フォルダを選択して、さらにMP3ファイルを選択して…、なんていう面倒な作業は必要ない。

 実際に利用してみるとこれは非常に便利な機能だ。もし、聞きたくない曲があれば、プレーリストから削除すれば、その曲は再生されなくなる。なお、プレーリストは自動保存されるため、プレーリストを編集したあとに、WMPを終了、再度起動しても以前のプレーリストをそのまま利用することができるようになっている。


■MP3ファイルを再生してみた

 さて、E-500にWMPをインストールして、MP3ファイルを再生してみた。再生のクオリティはかなり高い。ただ、それほど頻繁ではないが、ごくまれに音が途切れることもあるのが気になった。

 特に、WMPを起動した直後にMP3ファイルの再生をするときに、曲の冒頭2秒くらいで音が途切れるケースがごくまれに発生するようだ。バックグラウンドで他のアプリケーションを実行していると、音の途切れが頻繁に発生することもあるため、WMPでMP3ファイルを再生するときは、バックグラウンドにアプリケーションがない状態で再生した方が良いだろう。

 ちなみに、E-500に付属しているMP3プレーヤー「モバイルオーディオプレーヤー」はMP3再生時にバックライトを消灯してバッテリの持ちを長くすることができるが、WMPではそうした機能はないようだ。


◎関連URL
ダウンロード
http://www.microsoft.com/windowsce/products/highlights/wmedia.asp

(広野 忠敏)
2000/03/08


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