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週刊Windows CE通信

~やっぱりモバギはいいなあ~

モバイルギアII MC/R530
モバイルギアII MC/R530

 筆者は初代モバイルギアからのヘビーなモバイルギアユーザだったりする。いや、いまでも二代目モバイルギアって名機だと思います。なんといっても、キーボードのサイズが良い。いまでこそ、A4の半分のサイズでキーボードが大きめ、ハーフVGAサイズのH/PCは各社より発売され、非常にメジャーなものになっている。だが、こうしたH/PCはすべて初代モバイルギアの影響を受けているといっても過言ではない。初代モバイルギアが商業的な成功を収めなかったら、現在のH/PCの図式は大きくかわっていただろう。

 さて、今回はモバイルギアII MC/R530を使う機会があったので、モバイルギアII MC/R530についてレポートしよう。


■モバイルギアIIのラインナップ

 MC/R530をレポートする前に、モバイルギアIIのラインナップを簡単におさらいしておこう。

 現在のモバイルギアIIのラインナップはMC/R730F、MC/R730、MC/R530、MC/R430、MC/R330の5つ。この5つのモデルのうちMC/R730FとMC/R730がSVGA液晶を搭載したモデル。その他のラインアップはハーフVGA液晶のモデルだ。ちなみに、モバイルギアIIの最上位モデルMC/R730Fは指紋認証システムを搭載している。これって、怪しいギミックに目のない筆者にとっては非常に購入欲をそそられてしまうモノだったりする。機会があったら是非使ってみたいものだ。

 さて、ハーフVGAサイズのモデルはMC/R530、MC/R430、MC/R330の3つ。この3つのモデルのうちMC/R530は初代モバイルギアII MC-R500の流れを組むモデル。カラー液晶を搭載したハーフVGAサイズのモバイルギアIIの最上位モデルだ。MC/R330は初代モバイルギアII MC-R300の流れを組むモデル。こちらはモノクロ液晶。そして、最近新たにラインナップに追加されたのが、ポストペットを標準搭載し女性ユーザを意識したMC/R430

 こうして書くとちょっと複雑なラインナップだが、値段や用途、性能で自分にあったH/PCを選択できるのは非常に嬉しい。たとえば、カラー液晶なんていらないってことならば、安価なMC/R330を購入すればいいし、指紋認証を自慢したいというならばMC/R730Fを購入すればいい。豊富なラインナップこそがモバイルギアIIの強みであり、アドバンテージだとも言えるだろう。 。


■どこでも通信できてこそH/PC

モデムインターフェイス(右)
モデムインターフェイス(右)
携帯電話インターフェイス(右)
携帯電話インターフェイス(右)

 では、MC/R530の話に入ろう。MC/R530の最も大きな特徴は、通信のためのインターフェイスが非常に充実していること。通信のためのモジュラージャックと携帯電話/PHSインターフェイスを備えている。モジュラー経由では56kbps(V.90)の内蔵モデムを利用することができ、携帯電話/PHSインターフェイスではデジタル携帯電話、PHS、cdmaOneに対応。デジタル携帯電話は9600bpsとDoPa 28.8kbpsに対応、PHSはPIAFS 2.0に対応、さらにcdmaOneでは14.4kbpsの通信が可能(オプションの接続ケーブルが必要)。つまり、およそ考えられるモバイル通信手段のほとんどを搭載していることになる。たとえば、自宅や会社ではモジュラー経由で内蔵モデムを使って通信、外出先で高速に通信したいときはPHSでPIAFS、PHSの電波が届かない場所ではデジタル携帯電話と用途やシチュエーションで通信手段を変えることができるわけだ。

 こんなにたくさんの通信手段は必要ないと考える人もいるかもしれない。だが、通信手段は多いに越したことはないハズ。特に携帯電話やPHSを両方持ち、かつ外出先で頻繁にインターネットにアクセスしたいユーザーにとっては非常に有り難いハズだ。


■便利だけどちょっと不満なMGダイヤル

MGダイヤル
MGダイヤル

 MC/R530には、いままでのモバイルギアIIにはなかった新しいユーザインターフェイスが装備されている。それが「MGダイヤル」と呼ばれるもの。MGダイヤルはクリックが可能な上下方向に回転するダイヤルで、液晶ディスプレイの下方、バッテリの右サイドに配置されている。右手でMC/R530を持ったときにちょうど親指があたる位置だ。MGダイヤルは上下のカーソルキーとEnterキーをエミュレートするもので、ダイヤルを上に回すと上矢印キーが、下に回すと下矢印キー、クリックするとEnterキーが押されたときと同じ動作を行なうものだ。つまり、MGダイヤルを使うとMC/R530を右手に持ったまま、キーボードを使わずに親指だけで上下の矢印キーとEnterキーによる操作が可能になるのだ。

 たとえば、メールを読むときなどは片手でMC/R530を持ったままMGダイヤルで画面をスクロールさせることができる。実際に使ってみると以外に便利だ。ちなみに、MGダイヤルの上下方向の動作は上下の矢印キーによる動作とPgUP、PgDnキーによる操作のどちらかを選ぶことができる。

 ただ、矢印キーとPgUP/PgDnのカスタマイズができるのは嬉しいが、どうせならクリックの操作も含めて任意のキーを割り当てることができるようにしてあれば、もっと便利になるはず。さらに、ShiftやCtrlキーを押しながらのMGダイヤルを回したときに設定したキー入力ができれば、両手で持ちながらキーボードを操作することなくMGダイヤルだけでかなり色々なことができるようになるハズ。これは、是非時期モバイルギアIIで実現して欲しい機能のひとつ。また、せっかくだからダイヤルじゃなく上下左右の操作ができるポインティングデバイスをMGダイヤルの位置に搭載すれば、もっと便利に使うことができるんではないだろうか?


■その他の機能は?

 ところで、MC/R530はハーフVGAサイズのモバイルギアIIの最上位機種ということもあり、さまざまな機能も搭載されている。うち、MC/R530固有のものはIrDAによる高速通信、外部ディスプレイ対応など。赤外線通信はIrDA 1.1に準拠最高で4Mbpsの通信が可能(MC/R430ではIrDA 1.0による通信、最大115.2kbps)、また外部ディスプレイ端子を備え、外部ディスプレイを利用するとVGA、SVGA、XGAの解像度での表示が可能だ。

 ところで、ハイスペックなH/PCではバッテリの持ちが気になるところ。実際のところインターフェイスが充実すれば、それだけ消費電力が増えバッテリの持ちは悪くなる。カタログスペックでは、非通信時で最大10時間、通信時で最大5時間(内蔵モデム利用)の駆動が可能。ちなみに、下位機種のMC/R430では非通信時最大15時間、通信時で1.5時間(デジタル携帯電話を利用)の駆動が可能。まずまずの駆動時間であるといえるだろう。ちなみに、オプションのレスキュー乾電池用パックを利用すると単三アルカリ乾電池による駆動も可能だ。


 先日レビューしたペルソナもいいマシンだけど、今回MC/R530を使ってみてやっぱりモバイルギアIIもいいマシンだなと感じた。たとえ全てを使わなくても、色々なインターフェイスが搭載されているところが良いんだよね。このあたりにもペルソナとモバイルギアIIの性格の差というのかな、が感じられる。女の子はペルソナ、男の子はモバイルギアIIってところかもしれない。

 なお、今回使わせていただいたMC/R530はNECからお借りしたものだけど、自分で買っちゃうかもしれません。誰かクリスマスプレゼントにこれくれないかなあ。


◎関連URL
モバイルギアII(製品情報)
http://www.nec.co.jp/mg/

(広野 忠敏)
1999/12/15


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