~ペルソナ買っちゃった~
まず、前回の週刊Windows CE通信についての補足を1点。前回ActiveSync 3.0では、3.0以前に発生していた「H/PCあるいはPs/PCのメモリカードの内容をActiveSyncで参照するとGPFが発生する問題がActiveSync 3.0では修正されている」と書いたが、これは環境によるようだ。筆者はWindows 98 SEとIE 5.0の組み合わせでActiveSync 3.0を利用しているが、GPFは発生せずにメモリカードの内容をActiveSync経由で参照することができる。ところが、読者の中にはほぼ同様の環境でActiveSync 3.0をインストールしても、メモリカードの参照でGPFが発生するとの報告を頂いた。GPFが発生する要因には、そのプログラムの明らかなバグ以外にも、そもそもWindowsのシステムモジュールのトラブル、バージョンの差異から生じる誤動作など、さまざまな原因が考えられる。また再現性についても、100%再現するトラブルもあれば、たとえ環境が同じでも再現しないこともある。どうやら、ActiveSync 3.0でメモリカードの参照によるGPFの発生は必ずしも改善されてはいないようだ。是非、次期バージョンでの改善を望みたい。
■遅ればせながらペルソナをゲット
ペルソナ HPW-50PA |
最近のWindows CEマシンは明らかに女性ユーザを意識したものがリリースされている。日立「ペルソナ HPW-50PA」やNEC「モバイルギアII MC/R430」などがそうだ。このあたりのWindows CE事情については法林氏の「週刊モバイルCATCH UP 10/26日号」でも触れられているので、そちらも参照して欲しい。で、何故か筆者も「ペルソナ HPW-50PA」を購入することになってしまった。何故ペルソナを買ったかというと、筆者の奥様が使うためだったりする。
■お手軽で広い応用範囲
筆者の奥様はPowerBook 2400とiBookを所有するヘビーマックユーザー。加えて海外旅行などにもPowerBook 2400を持参し海外でもインターネットメールを使ってしまうというヘビーなモバイルユーザーだったりする。実は、今現在も彼女は日本にはおらずにフランスに行ってたりするのだが。
たしかに、渡航先にノートパソコンを持ち込めば自宅で使っている環境と同様な環境を持ち運ぶことができるため、電源と通信手段さえ確保すれば、渡航先でもモバイルしつつインターネットメールを読んだり、Webページにアクセスしてさまざまな情報を引き出すことができる。まさに、これがモバイルの醍醐味だったりするのだが、問題があるのも否めない。
A4サイズのノートパソコンはいくら軽いとは言ってもただでさえ荷物が多い旅行の手荷物として持ち込むのは苦痛が伴う。とくに女性ならなおさらだ。それなら、スーツケースに入れてしまえばいいじゃないかという意見もあるかもしれないが、航空会社のスーツケースの扱いは非常に乱暴なもので、実際にスーツケースにノートパソコンを入れてしまったがために、液晶が割れてしまったという経験をしたことのある読者も少なからずいるはずだ。とりあえず、インターネットメールとWebページへのアクセスができることと割り切ってしまえば、わざわざ普段使っているノートパソコンを、壊れるかもしれないという覚悟の上で持っていく必要はない。そこで、購入したのが「ペルソナ HWPW-50PA」というわけなのだ。
何故、ハンドヘルドPCにしたのかについてはいくつかの理由がある。まず、サイズが小さく重さもそれほど重くないこと、ただでさえ荷物が多くなる旅行では軽くて小さいものの方が当然持ち運ぶのは楽だからだ。小ささという点では、ポケットボードなどの方がもちろん小さいが、携帯電話インターフェイスのみなので海外で利用することはできない。次に、キーボードが打ちやすいこと。渡航先ではどうやらメールを書くのが主体となるらしいということなので、ブラインドタッチができるサイズのキーボードは必要だ。ハーフVGAサイズのハンドヘルドPCならば、大きさもそこそこ、キーボードも打ちやすい。さらに、モデムを内蔵し、インターフェイスとしてモジュラージャックを搭載していること。当然のことながら旅行先では一般電話回線を使ってインターネットにアクセスすることになる。つまり、モデムとモジュラージャックインターフェイスは必須だ。国内だけで使うならば携帯電話やPHSインターフェイスだけでも十分に実用になるが、国外で利用することを視野に入れると携帯電話とPHSインターフェイスだけが搭載されているものはお話にならないわけだ。
■メールソフトはどうする?
次にソフト面を見てみよう。ハンドヘルドPCにはブラウザーとして「Pocket Internet Explorer」が、メールソフトには「Pocket Outlook」が標準で搭載、ペルソナにはさらに「PostPet for Windows CE 2.0jp」が搭載されている。つまり、通信手段さえ確保できれば、Webページを見ることもできるし、インターネットメールの送受信もすることができる。
と奥様に説明したが、ここで奥様チェックがかかってしまった。「メールアドレス沢山もってるけど平気なの?」だそうだ。Pocket Outlookで扱えるメールアドレスは1つ、PostPetでも同様。両者ともにマルチアカウントで利用することはできない。
Eudora Pro for Windows CE |
と困っていると捨てる神あれば拾う神あり。クニリサーチがリリースしている「Eudora Pro for Windows CE」ならばマルチアカウントが利用できることが解った。幸い彼女はMacintosh版のEudoraを利用してるのでユーザーインターフェイスを説明する手間も省けるというものだ。ちなみに、Eudora Pro for Windows CEは、現在Version 2.0Jβ1のお試し版をクニリサーチのホームページから入手することができる。機能制限はなく、2000年2月29日まで利用することができる。これを入手してインストールすれば、メールアドレスをたくさん持ってても安心だ。どうやらいまどきのインターネット女性ユーザーはメールアドレスを沢山持っているのが普通のようなのである。恐るべし。
■ツボを押さえた女性向けの機能
さて、ペルソナといえば筐体デザインもさることながら、女性ユーザー向けの機能が充実しているのも特徴。このあたりも奥様にはたいへん好評だった。ペルソナはWindows CEのシェルとは別に「はなまるメニュー」と呼ばれる独自のメニューを搭載。はなまるメニューからペルソナ独自の追加ソフトを起動することができるようになっている。独自に搭載されているソフトは「タロット占い」など4種類の占いソフト、手書きメモやお小遣い帳、さらに「ぷよぷよ」といったゲームやメールマガジンを紹介した「メルマガリンク」なども搭載されている。渡航先から送信された彼女のメールによると、「ツアーで一緒になった女の子がインターネットしたいって言ってたので、ペルソナ使ってもらってお勧めしておいた」とあったので、ペルソナはやはり女性には好評なのだろう。自分で半分使う予定で買ったのに、帰ってきてもきっと返してはくれないだろうなあ。
◎関連URL
■ペルソナ HPW-50PA
http://www.hitachi.co.jp/Prod/persona/seihin/hpw50pa.htm
■クニリサーチ
http://www.kuni.co.jp/
(広野 忠敏)
1999/11/24
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