短期集中連載
買う? 買わない? Windows 2000
第2回:結局Windows 2000って必要なわけ?
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北原静香
コンピュータ歴はなんと小学生から。Windows NTやLinux関連の原稿をおもに執筆。プログラムも書いたりしちゃう方であるが、素顔はぱっちりした目がチャーミングな女性なのだ。
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すっかりマイクロソフトはWindows 2000を個人に売る気なくしちゃってるみたいですが、皆様は買いました? 私はとっても記事が書きにくいです……。実際ここ数日に私の周辺でWindows 2000を買った人の大半は、これまでにもWindows NTユーザーだった人かRC2を使ってた人ばっかりで、Windows 95/98からWindows 2000に乗り換えた人はほとんどいないみたい。でもメゲないでもう少しだけ書いてみますね。
最近よく聞かれる質問に「Windows 2000っていい?」ってのがあるんだけど、これって聞かれても答えるのすごく難しい。すごくいいって思う人もいるし、全然駄目って人もいるのがWindows 2000だと思うの。でもね「Windows 2000っているのかなぁ?」って漠然と考えてる人には必要のないOSなんじゃないかな。だって欲しい理由がないんだったら、無理に手を出すことはないよね。だって高いもん!
■ Windows 2000にするメリット
Windows 2000を欲しい理由で私が思いつくのは、次のような場合かな。
・安全性/安定性を確保したい
・複数のアプリケーションを実行するとシステムリソースが不足する
・家庭内LAN(別に普通のLANでもいいんだけど)を構築したい
・共有環境でプライベートな情報を保護したい
Windows 95/98で一番困るのは、システムの安定性にいまひとつ欠けること。クドーお姉さまも言ってたけど、Windows 95/98ってリブートを必要とする局面がすごく多いんだよね。もちろんWindows 2000だったら障害が発生しないって訳じゃないんだけど、それぞれのアプリケーションを別メモリで実行するおかげで、ひとつの問題からリブートが必要になるほど致命的な障害に発展することは少ないみたい。でも、個人で普通に使ってるんだったら、安全性や安定性ってどこまで重要かなぁ?
昔っからWindowsの致命的な問題だって言われてるのが「システムリソース」問題。これってWindowsが内部的に利用するデータ領域の残り容量のことで、グラフィックスの命令を実行したりすると消費していくのね。同時に複数のソフトを実行してると「システムリソースが足りません」って言われたり、パフォーマンスがすごく低下したりして困ったりすることってない? この状況はWindows 2000に乗り換えると解消することが多いんだけど、でも完全にでなくなるってわけじゃないんだよね。
家庭内(小規模な事務所とかでもいいんだけど)でLANを構築したい場合。もしLANを構築するんだったら、Windows 2000って悪い選択じゃないと思う。家庭内LANってヘビーなユーザーだけのものって思ってるかもしれないけど、結構ふつうの家でも便利。ファイルやプリンタを複数台のコンピュータで共有したり、一本の回線で複数人が同時にインターネットに接続したりできるのは、LANの魅力だと思う。あれ?インターネットにつながっちゃってもLANって呼べるんだろうか? ま、でもとにかく便利なのは事実で、3台以上のコンピュータを複数の人数で利用してるなら導入を検討する価値はあると思う。もちろんLANのOSをWindows 2000にしなきゃいけないってわけじゃないけど、Windowsのユーザーインターフェースに慣れてるんだったらWindows 2000の方が楽だとは思う。とはいえ、値段的に折り合いが付けばってきだけどね。
あとは、何人かでコンピュータを共有してる場合に、自分のファイルを保護しておくことができるの。Windows 2000のファイルシステム(NTFS)の場合、ファイル単位で細かくアクセス権(読み/書き/削除/実行/許可の変更/所有権の与奪)を設定できってこと。だから、他人から自分のファイルをのぞけなくしたり、書き換えたりできないようにしたりを細かく設定できるっわけ。このあたりの機能は、Windows95/98には真似できないよね。でも、おなじコンピュータでWindows 95/98とマルチブートする場合には、NTFSのパーティションにアクセスできないのがちょっと不便だけどね。
■ でも困ることだってあるんだよ
逆にWindows 2000にしちゃうと困ることもあるって知っておいたほうがいいと思う。まず既存のコンピュータでは動作しない可能性があるんだよね。
Windows 2000はハードウェアの制限がWindows 98よりもずっとキビシイ。動作するために必要な最低限のスペックが高いって言うのは知ってる人も多いと思うけど、周辺機器も含めてハードウェアの選択肢がすごく狭いってことは覚えておいてね。
それに、ソフトウェアの問題もあるの。本当はこんなことあっちゃいけないと思うんだけど、Windows 2000では動作しないWindowsプログラムって意外と多い。以前からマイクロソフトは「WindowsのプログラムはWindows 98とWindows NT(Windows 2000)の両方で動作させなきゃ駄目」ってな意味のことをセミナーとかで言ってたのね。だけど実際にはWindows 95/98でしか動かないソフトって山のようにあるわけ。ゲームとか特殊用途のアプリケーションに多いみたいだけど、別にどうってことないソフトでもNTや2000で動かなかったりする。
■ まとめ
とにかくWindows 2000を導入することにしたんだったら、どのWindows 2000を買うべきか決めかねてる人もいるかも。単にノートやデスクトップのコンピュータにWindows 2000を導入したいだけならProfessionalで十分だけど、LANを構築したいんだったらServerがおすすめ。だけど、接続するコンピュータの数が少ないならProfessionalでもいいと思う。そのあたりは予算と相談かな。ちなみにServerだとMacに対するサポートもアリ。
ところで、Windows 2000を買うかどうか決めた? 明日からは「とにかく入れてみることにした」方々に向けての記事にする予定です。(つづくのかなぁ?)
◎関連URL
Windows 2000日本語版ホームページ
http://www.win2000j.com/default.asp
(北原静香)
2000/02/22
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