これならスッキリするかも!! ~ xircom Portstation ~
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■ ノートパソコンはポートが……
俺の場合、基本的にいつもノートパソコンを使っているのだが、やはりどうしても常々つきまとう問題がある。言わずと知れたポート不足問題だ。
今時のノートパソコンは、オールインワンタイプでもシリアルポート、パラレルポート、PS/2ポート、USBポート程度しか、汎用的なポートがない。サブノートなんかだとUSBポートだけって感じになりつつある。まあそれでも、最近はUSB接続の周辺機器も増えているし、ノートパソコンには必ずPCカードスロットがあるので、どーしても困るってわけじゃない。
だが、机上で、デスクトップマシン的にノートパソコンを使っていると、やっぱりポート類が足りないと感じることが多い。例えば、マシンとTAをつなぐのにシリアルポートを使っていると、PDA類でシンクロナイズをしたり、メモリ編集ソフトなんかを使う時には、いちいちシリアルケーブルを繋ぎ替えなきゃならないことが多い。常用のプリンタとは別にパラレル接続の機器を使う時も同様だ。USB機器もそうで、2つ以上のUSB機器を繋ぐ場合は絶対にハブが要るし、バスパワーのハブじゃダメなケースも多い。
具体的には、俺はTAとザウルスMI-C1と携帯電話用に3ポートのシリアルを同時に使いたい。が、できないので手で繋ぎ替えている。TAはダイヤルアップルータなので、10BASE-Tでどうにかするってのもあるのだが、ノートパソコンのPCカードスロットが潰れるのとPCカードスロットからケーブルが出るのがイヤなので、どーもネットワークカードを使う気分になれない。パラレルポートについては、常用のページプリンタとソニーのDATAEATAを繋ぎ、ついでにパナソニックのNV-MPX5(ビデオプリンタ)も繋げたいのだが、やっぱりパラレルがひとつしかないので手で繋ぎ替えまくり。USBについても、マウスとかソニーのInfoCarryとかサウンド機器なんかをつなぐので、結局ACアダプタ付きのUSBハブを使っている。
結局、俺のノートパソコンの周辺はいつもケーブルがニョロニョロ出てて、USBハブが転がってて、しかも度々ノートパソコンのお尻に手を回してケーブル抜き差し&たまに再起動のハメ、みたいなことになっていてすげぇ煩雑感っていうか煩雑さにおいては誰にも負けないゼって感じでいつも気分は滅入っておりヘコんでいる。
■ これならスッキリするかも!!
この忌々しい状況をどーにかスッキリさせる方法はないかなぁ、といつも考えていた。時にはアナログな切り替え器を総動員してみたり、時にはポート増設しまくりのデスクトップに切り替えようかと考えたりした。そこに現れたのが、xircom社のPortstation。俺の煩雑な環境をスッキリさせてくれる可能性大の、ポート増設専用の装置である。ちなみに、Portstationの詳細についてはココをご覧いただきたい。
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xircom Portstation
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シリアル、パラレル、USB、ネットワーク(RJ-45)、モデム(RJ-11)などのポートモジュールをパチンと組み合わせるだけで使える。必要なものをバラで購入してもいいし、各種スターターキットを購入することもできる自由度の高さが魅力
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Portstationについてザッと説明すると、コレはUSB接続で使えるポートリプリケータのようなモノだ。ユニークなのが、必要なポートを自由に組み合わせて使える点。それぞれのポートがモジュールになっており、必要に応じてモジュールを合体させて、自分の環境にマッチしたオリジナルのポートリプリケータを作るのである。使えるモジュール(ポート)は、USBハブ(4ポートタイプと7ポートタイプ)、パラレルポート(D-Sub25ピン×1)、シリアルポート(D-Sub9ピン×2ポートタイプとPS/2×2ポートタイプ)、10BASE-Tアダプタ、56Kモデムの7種類。これらのモジュールを好きなだけ組み合わせて使える。
例えば俺の場合なら、シリアルポートモジュールと、パラレルポートモジュールを組み合わせれば、“ケーブル抜き差し作業”が一切必要ないポート環境を作れる。さらに、7ポートのUSBハブモジュールを加えれば、他のポート類とUSBハブを一体化させられるのでスッキリ感増大。ついでに10BASE-Tアダプタモジュールをつければ、PCカードスロットをネットワークカードに埋められることなく(マシンの横からケーブルが出ることもなく)LANを構築できる感じ。これはイイ!! さっそく買うゼ!! ってことで買おうとしたのだが、けっこう高い感じ。
Portstationは、実はインプレスのココで買えちゃったりするのだが、単なるポートリプリケータとして考えるとヤケに高価だ。個々のモジュールだけ見ても、例えば4ポートUSBハブモジュールでも9200円(インプレスダイレクト価格)。しかもPortstationはモジュール単体だけじゃ使えない。使うためには、モジュールを挟むようなカタチで使うエンドキャップキット(インプレスダイレクト価格1万2800円)が必要になる。このエンドキャップはPortstationのベースのような存在で、使うモジュールの数に関わらず必ず一組が必要になる。エンドキャップ経由で電源(ACアダプタ)を供給したり、パソコンとUSB接続したりするのだ。
ともあれ、Portstationで4ポートのUSBハブを組もうとすると、いきなり9200円+1万2800円に別途消費税な感じなのであって、ヤケクソに高価だ。ん~どうしよう、とさすがに考えてしまった。よく使うモジュールとエンドキャップを組み合わせた割安のセット(各種スターターキット)もあるのだが、でもやっぱり高い。
■ 毎日使うから安い!! と思おう
いや、一見高いように感じるが、実はコレは安いのだ!! そうだそうに違いない!! と強引に考えることにした。例えば、Portstationのオフィス通信スターターキット(インプレスダイレクト価格3万4900円)の場合。
今後1年間毎日使うとしよう。1日の使用料は約96円。つまり1日96円で俺の机上のケーブルのグニョグニョ状態が解消され、邪魔なUSBハブも消え、スッキリする。しかもこの96円の中には、面倒臭いケーブル繋ぎ替えを代行してくれる人(Portstationくん)に払うバイト料も含まれている。ん!! そう考えると安い!! さらにこれを2年間と考えると1日約48円!! 激安!! 3年使うとすると約32円だし4年なら24円!! 超激安!! 安いゼ安いゼ安くて死ぬゼ~!!
ていうかこういう計算をすると、あらゆるハードウェアが安く感じられるから不思議だ。と同時に個々のハードウェアの日割り価格を合計したりすると「げぇっオレってハードウェアに毎日こんなに金かけてんのかー!!」などと少々ヤな気分になったりするから不思議だ。
ともかく、きっと毎日便利に使えるんだから安い感じってコトにして、俺は買うことに決めた。また、いざ買うとなると、Portstationはけっこう流用が利くから、よりお得であるような気もしてきた。
USB接続なので、今時の多くのパソコンにつながる。モノがポートリプリケータってだけに、サブノートを買ったりしても専用のポートリプリケータを買う必要がないってのもある。WindowsマシンのポートのコトならPortstationだけに任せられる感がある。なるほど、使う気になってみると、コレはかなりイケてる製品なのかもしれない。どーせ手持ちの各マシンにUSBハブとネットワークカード程度は必要になるのだ。そうだココは一発Portstationで統一して気持ちよく複数のマシンを使いこなそう!! そうだ俺は気持ちよく使いこなすんだ!! 気持ちよく!! 気持ちよくなんだよアニキ!!
などと、Portstationを買う段に、真夜中にひとりでコーフンしていたら、何を間違えたのか当初より多くのモジュールを買ってしまった。10万円以上払ってしまった。ん~、真夜中に考え事をするのはよろしくありませんな。
■ 使って便利でナイスだが……
さっそくPortstationを入手。使用開始。使い始めたのは、7ポートハブモジュールと、シリアル(D-Sub9ピン×2)モジュールと、シリアル(PS/2×2)モジュールとパラレルモジュールを組み合わせたもの。インストールはUSBハブや他のUSB機器を接続する場合と同様に簡単。付属のCD-ROMをマシンに入れておけば、後はほとんどパソコン任せという感じだった。
で、まずUSBハブを試した。使用感は……ていうか単なるUSBハブであった。
次に、パラレル。プリンタを繋げたら問題なく使えた。で、さらにソニーのDATAEATAを繋ごうとしたのだが、なんかこのパラレルポートはどーも双方向通信に対応してないっぽいような気がした(モジュールにFOR PRINTER ONLYと書いてある)ので、出力のみのパラレルポートとして使うことにした。DATAEATAで使えるかどうかは、後々試していきたい。
今度はシリアル。とりあえずTAを繋いで使ったが、64kbpsでも128kbpsでも特に問題なく使えた。ケータイリンク関連のケーブルもフツーに使えた。が、ザウルス(MI-C1)のクレイドルを繋げると、どーもうまくいかない。シンクロナイズ用のソフト(ザウルスパワーリンク)が無反応になってしまうのであった。結局イロイロやってみたが、一度もうまくいかなかったので、MI-C1用クレイドルはノートパソコンのシリアルポートに繋いで使うことにした。ちなみに、当然と言えば当然だが、ノートパソコンのシリアルポートを使いながらPortstationのシリアルポートを使うこともできた。
最後にPS/2モジュール。ココに外付けのキーボードとマウスを繋げて使ってみたのだが、なーんかどーも全然うまくいかない。結局、(キーボードとマウスだけで)試行錯誤した結果、一度もこのPS/2モジュールは利用できなかった。ムカッ!! と思ったが、俺が悪いのかPortstationが悪いのかすらよくわからない。ま、ノートパソコンのPS/2ポートを使えばいいし、今時USBマウスとかだから、実害はないのだが……。
結局のところ、設定によるものか使うハードウェアによるものか、一部利用できないパターン・ケースもあったが、俺が必要としていたシリアル・パラレルポートは確保できたし、USBハブもスッキリしたし、けっこう気持ちが良い。ポート不足をスッキリ解消させるには持ってこいのハードウェアだ。ていうかこういうカタチでポート不足を解消できる製品って、他にないような気がする。
それから、USBケーブルの抜き差しだけで、Portstationから先の各種デバイスを一気に別のマシンで利用できるようになるという点もイイ。ドライバのインストールや設定などを済ませておけば、USBケーブルの繋ぎ替えだけで、複数のマシンから同様に一連のデバイスを利用できるのだ。例えば、TAやスキャナやプリンタを、デスクトップマシンとオールインワンノートとサブノートで共有することがヒッジョーに簡単になる。
てなわけで、用途や目的によってはかなり汎用性の高いポート拡張ハードウェアだと感じた。単に1台のマシンのポートをちょっと増やしたいという向きには割高の製品だと思うが、複数のマシンのポートを手軽に強化したり複数デバイスの共有をするには便利・案外割安感のある製品だと言えよう。
◎関連URL
xircom PortStation製品情報
http://www.xircom.co.jp/portstation/ps_set.html
(スタパ齋藤)
2000/03/13
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