オプションに技あり!! ~SONY VAIO PCG-C1XE~
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■ 年末は買わなければならない
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ソニー PCG-C1XE
オープンプライス。従来モデルのややボッテリ感のある筐体からぐっとスマートに。DV撮り込みにも対応、“遊べる”ノートとして人気だ
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日に日に乾いていく風を感じつつ、家路を急ぐ人々の雑踏を聞き、夕焼けの後の寒々とした空を見上げていると、これはもうどうしても絶対にLAOX入間店等に入店したくなるのであり、もちろんそこで何か買わなければいけない気分になるのであり、当然手持ちのクレジットカードは限度額まで使用しなければならないので、俺はどうしてもVAIO PCG-C1XEを買わざるを得なかった。ていうか買った。
ていうかなんか、シャープのWindows CE機ことTeliosをひと月ほど放ったらかしておいたら、バッテリーが完璧に切れ、俺が入力したデータがパーフェクトに消失し、俺の心が完全なる憂愁の色に染まったのであった。完全に俺のミスである。フツーならば再度設定し直してデータを入れ直してさあウィンターモバイルだーとか気合を入れるのだが、やはり年末は寒いのであり暮れるのであって、要するに必要以上に焦っている世の中の雰囲気が俺を後押しするので、ま、Teliosは今度なんかするとして、年末なんだからパーッと何か新しいコンピュータを導入したい!! ということで、サブノートを物色した。
そうだよやっぱり冬こそ室内モバイルなんだよそれしかないでしょねえダンナもそう思うでしょ、などとブツブツ独り言を言いつつLAOX入間店内を見つつカタログを集めつつインターネット体験コーナーでインターネットを体験したりしていて、出た結果はVAIOのC1XEなのであった。他のサブノートもイイとは思ったのだが、冬の夜長(秋だろそりゃ)をコタツトップマシンで楽しむためには、やっぱりこう、こぢんまりとちっこくて、ちょっとは広めの液晶があって、多少はパワフルで、細々したコトで遊べて、ビジネスっぽくなって和める方がいい。となると、C1XEなのだ。スペック的にもギミック的にも、1台でいろんなコトして遊ぶなら、コレがいいと思った。
特に強く惹かれた点は、やはりHDD容量。手持ちの多数のお遊び風味ソフトをドガドガインストールしてシコシコいじくり倒すには、余裕があるほど安楽だ。IEEE-1394ポートとかモーションアイも遊べそうな感じなのだが、仕事を離れて遊ぶための“小さなコンピュータ”として、C1XE全体から滲み出る魅力に惹かれた。
■ ダメだダメだ!! この大食いめ!!
C1XEの詳細についてはソニーのサイトをご覧いただくとして、ともあれC1XEをいじり始めた俺は、なーんかイヤな気分になった。
というのは、まずUSBマウス(ソニー製でVAIO用のPCGA-UMS1)のドライバをインストールしてマウスをつないだところ、青い画面が御出現なさったこと。いきなりエラーかよ!! 何だよ!! キャー!! 寒いのに熱くなる俺であった。結局、デバイスマネージャからマウス殺して再度インストールしたら問題解決。何だったんだろう?
次に……あー詳細は忘れたが、なんかしてたらまた青い画面。くわッ!! またかよ!! とか思ってなんかしてソレを解決したと思ったらまた青い画面!! ななな何なんだコレは!! などとちょっとイヤーな予感がしたり妙な汗をかいたりして、マシンをいろいろ調べていたら、ヤケにシステムリソースが消費されているのを発見。
起動後ナーンにもしないでいるだけなのに、確か残りシステムリソースが60%とかだった(“確か~”というのはハッキリ覚えてないからですゴメンナサイ)。えッ!? こんなに余裕ないってちょっとヘンじゃないスか!? とか思ってさらに調べていったが、C1XEはそーゆーモンらしい。IEEE-1394とかモーションアイとかジョグダイヤルとかいろいろ使っているから、けっこうリソース食いなのか!?
ともあれ、何もしてないのに40%の資源を消費済みってのは何だか気持ち悪いので、思い切って使わないデバイスは皆殺しにし、使わないソフトも一網打尽に消してみた。ら、なーんかC1XEの調子がすげー良くなった。システムリソースも75%程度空いている。あーきっとこのジョグダイヤルを殺すともっと空くんだろーなーとか思ったが、かつて船田戦闘機氏に「システムリソース減るとなんかヤじゃない?」とか言ったら「いいじゃんそんなん0%じゃなきゃへーきじゃん」とか言われた事を思い出し、まーいーやという気分になった。
資源大食いC1XEのダイエットに成功し、気分が良くなったところで、ついでにスタートメニュー内の階層も変えちゃえ~と思って自己流カスタマイズ。さらにソフトも入れよう、ということで、カスタマイズの夜が更けた代わりに、かなり使いやすいC1XEソフトウェア環境が出来上がった。
■オプションに技あり!!
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Drive Image for CD-R
標準価格5万8500円。書き込みは最大4倍速、読み込みは最大20倍速。パケットライトウエア「Direct CD」とマイリカバリーCD作成ソフト「Drive Image CD-R」付属。PCとの接続はPCカードで、電源供給はACアダプタを使用
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そんな日を過ごしつつ、徐々にC1XEの環境が整ってきたら、そうかバックアップしないとなーとか思うようになった。まあ、最近のサブノートとかHDDはそうは簡単にはブッ壊れないようだが、でも、万が一の場合に備えて、システム全体をバックアップしたい。
C1XE付属のリカバリCD(とリカバリ可能なCD-ROMドライブ)を使えばイイってのもあるが、それだとまたダイエットとかインストールとかをやり直しなのであり、めんどーなのであり、Teliosの復旧が面倒だからC1XE買って遊んじゃえ~状態と同様、クラッシュしたら次のサブノートを買うようなことになるかもしれない。なんかイイ方法はないモンだろうか?
でもまあそういう持ってこいな方法はないんだろーなーと半ば諦めつつ、C1XEのオプション品カタログを見ていたら、俺にピッタリなモン発見。PCカード対応CD-Rドライブ(PCGA-CDR51)である。一見、単なる高価なポータブルCD-Rドライブだが、よく見るとこのドライブの説明部分に“マイリカバリーCD作成ソフト付属”とか書いてある。
で、ちょいと調べてみると、何とこのドライブと付属ソフトDrive Image CD-Rを使うと、C1XE上のソフトウェア的環境を全てCD-Rメディアにバックアップでき、そのCD-RじゃなくなったCD-Rメディアっていうか作ったCD-ROMがそのままリカバリCDとなるのだ。つまり、俺がさんざんカスタマイズし、ソフトをインストールしまくったC1XEのまさにその環境を、ビシッと完璧にバックアップできるというわけだ。
というわけで、さっそくPCGA-CDR51を購入。とにかくマイリカバリCD作りを試してみた。
自家用リカバリCD制作実験中、これはたぶんきっとおもしろいしちょっとセンセーショナルだから、その経過を克明に記事にしてC1XEのモトを取ろう!! とか思っていたが、作業がヤケクソに簡単なので俺の目論見は容易に破れた。
具体的には、CD-Rドライブのドライバをインストールして、付属のCD-ROMをCD-Rドライブに入れて起動すると、間もなくリカバリCD作りが始まる。で、待ってると出来上がる。で、そのリカバリCDをCD-Rドライブに入れて再起動するとリカバリ(リストア)開始。で、待ってると完了。そんだけなのである。すげー簡単に自分の環境を完璧にバックアップ・リストアできちまったのである。
ふつーはこうは行かない。なぜなら、このテのサブノートは、仮にリカバリCDが作れたとしても、そのCDからシステムを起動するのがすげー面倒だったりできなかったりする。やるとすれば、PCカード接続のCD-ROMドライブを認識させるためのドライバやCONFIG.SYSが書かれたDOS起動用のフロッピーディスクを作り、そこからリカバリCDにアクセスして、リカバリ。かなり面倒だし、そういうセットアップができるマシン・環境かどうかも一概に言えない。そんなコトすんならC1XE付属のリカバリCDで工場出荷状態に戻してカスタマイズした方が手っ取り早いやーとか思うモンである。
こういう面倒を1発で乗り越えさせてくれるハード・ソフトを用意しているのはナイス!! 実にナイス!! さすが専用機器。ていうかユーザー思いの商品企画だと言えよう。そう言えば、こーゆーのとかも発売されるようで、ソニーさんったらユーザーのサイフのヒモを緩めるのがすげーお上手って感じ。つーか、こういった一連の“コレがあればアレができる”的商品ってコンピュータというモノの敷居を低くしてくれるので、有り難い。
■ 全マシンのリカバリCDを作りたいっス!!
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Drive Image for CD-R
標準価格1万1800円。基本的にはDOS上で動作するアプリケーションなので、外付けドライブを利用する場合にはDOSのドライバを組み込める程度の知識は必要。動作環境はWindows 3.1/95/98のほか、製品付属のOpen DOSを使って、Windows NTやOS/2の環境でも利用できる
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そうか、自分専用のリカバリCDってのは作れるんだ。ていうかそうだよな作れるハズだよな。とか思って、いろいろ調べたら、ソニーのPCGA-CDR51のパック(!?)と時期を同じくして、パワークエスト社から“オリジナルのリカバリCDが作れるソフト”ことDrive Image for CD-Rが出たようだ。
パワークエスト社は、Partition MagicとかDrive ImageとかDrive Copyなど、ハードディスク関連ユーティリティソフトで有名だ。例えば同社のDrive Imageを使えば、HDD内のシステムやデータを丸ごと別のメディアにバックアップすることができる。このDrive Imageのバックアップメディアとして、(簡単な方法で)CD-Rを使えるようにしたのがDrive Image for CD-Rだそうだ。なお、これらのソフトウェアの詳細は発売元のネットジャパンのサイトにある。
ともあれ、そうかそーゆーソフトが出ちゃったのか楽勝っぽい感じじゃん!! と思い、俺は発売直後にこのDrive Image for CD-Rを買って使ってみようと思う。そしたらDTV用に使ってるVAIO PCV-R70とかの完璧バックアップCDがスコッと作れるかもしれない。パワークエスト社からは、DOSから簡単にPCカードを認識させられるCard Waweというソフトも発売されているので、コレとDrive Image for CD-Rを使えば、うまくすれば例えば俺のメインマシンことIBMのThinkPad770XのオリジナルリカバリCDが作れちゃうかもしれない。そうだスゲぇ快適・安心になるかもしれん!! そうだこれからはオリジナルリカバリCDなんだよアニキ!! バックアップなんだよブラザー!! やるぜやるぜやるぜ!! 俺はやるぜ俺はやるぜ俺はやるぜ!! くわッ!! ふしゅるるる~!!
などと、だらーっと遊ぶために買ったC1XEが元になり、熱い気持ちになって盛り上がってしまう年末の俺なのであった。
◎関連URL
■ PCG-C1XE製品情報
http://www.sony.co.jp/sd/ProductsPark/Consumer/PCOM/PCG-C1XE/
■ Drive Image for CD-R製品情報
http://www.netjapan.co.jp/ps/PowerQuest/di/cdr/index.html
(スタパ齋藤)
1999/11/29
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