この期に及んでさらなる魅力が!! ~AllegrettoM4~
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東芝 Allegretto M4
この春発売されたAllegrettoM4。標準価格8万9800円だが、AllegrettoM5の発売で店頭価格が下がり、お買い得感が強い |
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■ 東芝の新型Allegrettoが……
リコーのDC(最初の高いアレ)から始まり、カシオのQVでハマり、その後、次々と新たなデジカメを買い、使い、飽き、また買い、使い、飽き……と繰り返してきた俺だが、最近はなんかこう、デジカメにフツーのカメラっぽさを求めたりもしている。
デジカメを“映像をデジタル記録するコンピュータ的な装置”と見れば、外見がサイバーでも機能が斬新でもデカくても小さくても、そーんなには気にならない。だが、“カメラ”として見た途端、まずサイズが気になりだし、写真を撮るための実用性を考え始め、その機能全体を“写真を撮るためのもの”として解釈するようになる。
デジカメを買う人種は、そんな見方で2種類に分けられるような気がしている。デジカメだと思って積極的にデジカメを買う人と、カメラの一種だと思ってデジカメを買う人。そんな違いは、デジカメを使うスタイルの違いとなって、ごく自然に現れるような気もする。
例えばソニーの動画もイケるサイバーショットことDSC-F55Kなんかを持って外に出ると、さぁデジカメだデジカメだ何を撮ろうかな~おっコレは静止画だこっちは動画だこっちは連写だなどと遊びだす。デジカメを中心に遊びが展開するのだ。一方、例えば釣りに出かけるときは、もしも何かあった時(死ぬほどデカい魚が釣れるとか)に、静止画を撮るためにカメラを用意する。釣りという遊びのサポートとして、カメラがあり、それはスチルカメラだろうとデジカメだろうと何でもよく、とにかく実用的に写真が撮れさえすればいいのである。
どっちが良いとか悪いって話ではない。俺の中には、前述の2種類のデジカメ人種が同居していて、最近は、どっちかと言えば実用性重視でデジカメを考える人が現れることが多いという話。
で、そんな実用性重視デジカメ人間モードの俺が、ちょっと前から注目していたデジタルカメラがあった。東芝のAllegrettoシリーズだ。他のメーカーの新型機種と比べると、俺にとっては特に抜きん出た魅力というかヒキは感じない機種だったが、店頭で触ってみるたびに「なーんかイイ感じ」と思うのであった。特にAllegrettoM4が良かった。カワイイって言えばカワイイと言えるデザインだが、なーんかこう、カメラとしてスンナリ受け入れられる外観と、そして違和感のない手触りがあった。
そんなふうに思っていたので、次のAllegrettoが出たら絶対買うぜ買うぜ買うんだぜ~!! と、こっそり燃えていたのだが、最新機種のM5を見たら、なーんかこう、ちょっと違和感が。まあ、光学3倍ズームで、動画もイケて、Allegrettoシリーズらしいクイックな動作で、しかも214万画素でと、内容的には文句ナシのデジカメなのだ。が、俺がAllegrettoシリーズに感じていた“目立たないけど実はけっこうイイ”みたいな魅力がちょっと薄れ、そのかわりに“目立つし高性能だしかなりイイ”という、ごくありふれた魅力がプンプン匂う、先端のデジカメになってしまった。
■ この期に及んでさらなる魅力が!!
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操作性の良さも魅力。本体上部のダイヤルを回転させるだけで、電源のオンオフ・撮影モード選択ができる。気軽なスナップ撮影には、簡単設定カメラがヨシ
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う~ん、Allegrettoはちょっと方向を変えてしまったのかなぁ、とか思い、ちょっと肩すかしを食った俺だったが、最終的にはAllegrettoM4を買うことにした。
えっ!? 今時AllegrettoM4? と思われる方も多いかと思う。新しいモノ大好きなあのスタパが、旧機種を!? みたいに。が、最新型が発売されてもやっぱり俺はAllegrettoM4の手触りとかサイズとか、その他けっこういろんな部分が気に入っていたし、加えてちょっとお得な部分もあったりしたので、買った。
AllegrettoM4のお得な部分その1。一連の新機種デジカメが出た後あたりから、かなり安い実売価格になっていること。メーカー価格8万9800円だが、ヨドバシWebの特価だとメーカー価格の44%引きの4万9800円なのである。214万画素のデジカメで、このクラスで最速レスポンスのデジカメが、5万円弱。デジカメ新機種ラッシュに感謝すべきというか、なんかいきなりお得感が高くなっている。
AllegrettoM4のお得な部分その2。これは店頭でいじくりまくり倒していて発見したのだが、バッテリーのコト。AllegrettoM4のバッテリーには、専用のリチウムイオン二次電池が採用されている。東芝のPDR-BT1というバッテリーだ。で、AllegrettoM4の底面にはそのPDR-BT1というバッテリーが入る穴が開いている(当たり前)のだが、この穴の形といいサイズといい、どーもどっかで見たような感じだったのだ。フジフイルムのFinePixシリーズに採用されている、フジフイルムのNP-80がちょうど入りそうな感じなのである。
で、こっそり試してみたところ、AllegrettoM4にNP-80が入った。しかも、AllegrettoM4はNP-80でちゃんと動いたのであった。ちなみに、PDR-BT1とNP-80は、その形状も電池の特性(3.7V、1100mAh)も完全に同じなので、たぶん作ってるメーカーもいっしょだと思ったりするのだが、とにかく、AllegrettoM4は、FinePix2700や1700Zとおんなじバッテリーが使えた(使える!?)のである。
FinePix2700ユーザーであり、ソレ用のバッテリーのNP-80を3本も持っていて、しかも専用充電器も持っている俺としては、AllegrettoM4、非常にお買い得感の高いデジカメだ。しかも値下がりして激安。というわけで、速攻で購入。同時に、専用の皮ケースも購入。
■ フツーさの陰に潜む便利さ
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AllegrettoM4は本体カラーが選べる。上から順に、 シルバー フラッシュブルー インディゴブラック
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さて、AllegrettoM4を使ってしばらく経つが、快適に使えている。特に快適なのは、メーカーも言ってる“クラス最速のレスポンス”。起動は約2秒で、撮影インターバルは1秒以下、とWebサイトに書いてあるが、そんな感じで速い。また、214万画素なので、画質もいい。ていうか詳しいことは東芝のAllegrettoM4紹介ページを見ていただきたいが、肝心なのは、俺がAllegrettoM4を特に何も気にせずに使えているということだ。
例えば俺はAllegrettoM4をよく釣りに持っていく(ていうかとっかえひっかえいろんなデジカメを釣りに持っていく=やたら何度も釣りに行っている)のだが、AllegrettoM4はその軽さと速さが快適だ。本体のみの重量は約240gで、まあわりと今時のデジカメ的重量なのだが、ポケットに入れた感じも、持った感じも、軽い。どういうわけかよくわからんが、軽く感じられる。写真等で見るとズッシリ重そうなAllegrettoM4だが、その重厚なイメージと約240gという重量のギャップからか、なーんかヤケに軽いのである。俺の手のサイズにしっくりキているということもあるだろう。
動作のクイックさは、確かにクイックだと感じるというよりもむしろ、使っていて遅いと感じる場面がない。特に、釣りなんかで使うと、アッ釣れた→写真撮ろう!!→AllegrettoM4で撮影、という成り行きになるが、これがスムーズに行なえる。これがちょっと遅い感じのデジカメだったりすると、アッ釣れた→写真撮ろう!!→やっぱ面倒だからいいや、とかなったりする。釣りという遊びが中心なので、その楽しさをちょっとでも削るような行為は、一瞬でパスしてしまうのだ。釣行の楽しさを1mmでも(楽しさは長さかよおい>俺)縮めるようなことは、却下なのである。
遊び中のスナップ撮影においてAllegrettoM4が却下されない理由のひとつに、操作の簡単さもある。AllegrettoM4は、本体上部のダイヤルを回転させるだけで、電源のオンオフ・撮影モード選択ができる。電源ボタン=モード選択ダイヤル、となっているので、サンヨーのDSC-SX150(シャッターカバーを開くだけで撮影スタンバイ)に勝るとも劣らない軽快な操作ができる。やはり遊び中のスナップ撮影に使うような目的下においては、ユーザーのデジカメ操作アクションは少なければ少ないほうが快適なのだ。
それから、多くのデジカメにある、ジョイパッド的な上下左右キーもなかなかいい。AllegrettoM4のそれは、上下左右に押せるうえ、押下もできるので、例えば機能設定時などはほとんどこのキーから手(親指)を放さず操作できるので効率がいい。モードごとのメニュー表示も比較的大きくかつわかりやすいので迷いにくい。マニュアルを読まずにほぼ全部の機能を操作できた。ただひとつ迷ったのは、スマートメディアのフォーマットの方法。マニュアルを読んだらゴミ箱アイコンが描かれたボタンを長押しするのだそうだ、っていうか最初からマニュアル読めよ>拙者って感じだが、後々よく考えたら、これはメディアの誤フォーマット防止を考えたけっこういい操作方法かもしれない。
あと、画質だが、これは十分満足できた。というか、214万画素もあれば十二分にキレイな絵が撮れるということと、使い方が遊びをより楽しくするためということもあり、不満はない。俺思うに、スナップ撮影なら150万画素あれば十分なのだ。遊び中に撮ったスナップ写真というのは、ほとんどの場合、その画質を気にしないことが多い。空の青と雲の白と湖のエメラルドグリーンのコントラストが……とか考えるよりもむしろ、その写真の中にある“あの時の体験を喚起させる要素”に注目することが多い。例えば俺の場合、釣れた魚だったり、魚を釣って喜ぶ友人の顔だったり。そういう被写体の部分が確認できれば、それでオッケーなのである。まあ、AllegrettoM4の場合、遊び用のスナップはもちろん、10cmまでのマクロ撮影とかフツーの遠景撮影もしっかりキレイに撮れるので、輪をかけてオッケーと言えよう。
■ イマイチな点
かなり安く買えたし、デザインも触り心地も気に入っているし、バッテリーはFinePixのを流用できたし、性能も上々だしで、特にイマイチな点はないのだが、ひとつ、ちょっと気になった点が。
それは、液晶ディスプレイ部分。例えばFinePix2700などだと、液晶面の上にガラス(アクリル!?)板が貼ってあるので、液晶部分を指で押しても何の問題もない。が、AllegrettoM4は、液晶面がデバイス丸出しっていうか、ガラス板みたいな保護板がない。指で押したりすると液晶表示が滲んじゃうのである。これはちょっと心細い。まあ、フツーに使っている分には問題ないし、専用ケースに入れておけばよりいっそう問題はないと思う。
でも、もしも60センチオーバーの巨大魚が釣れた拍子に煽ったロッド(竿)の後部がモロにAllegrettoM4の液晶面にブチ当たったりしたら!? もしも釣れた60センチオーバーの巨大魚が針から外れた瞬間に落ちたと思ったらその尖った口の部分で液晶面に激突したら!? なんて考えるとちょっと不安である。ていうかやっぱ60センチオーバーの巨大魚が釣れれば液晶壊れてもいいやと思った。あとどうせ釣れないから液晶面は一生壊れないかもしれないと思った。
というわけで、使い初めてまだ1カ月弱だが、目を付けたとおりにイイ感触で、カメラとして実用的で、ほとんど不満が出ないAllegrettoM4なのであった。
◎関連URL
■AllegrettoM4製品情報
http://www2.toshiba.co.jp/d_came/home05.htm
■プレスリリース
http://www.toshiba.co.jp/about/press/1999_03/pr_j0901.htm
(スタパ齋藤)
1999/10/12
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