SnapConnect for WorkPad c3緊急レポート |
Palmシリーズと携帯電話/PHSを接続するためのSnapConnectシリーズに、Workpad c3対応版のSnapConnect for WorkPad c3(以下SnapConnect c3と略す)が登場した。今回、その出荷前の製品を借りることができたので、予定を変更して、試用レポートをお届けする。
前回の続き、英語版Palmシリーズの日本語化についての記事は来週お届けすることにしたい。
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写真1:SnapConnect for c3の正面 |
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■c3用モデムと同じ形状
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写真4:SnapConnectとc3を並べたところ |
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SnapConnectシリーズは、Palmシリーズが国内販売され始めた頃に登場した、携帯電話やPHSを接続するためのインターフェイス(Palm側からはモデムとして認識される)で、SnapConnect c3は、そのPalmV系の製品だ。
Palmシリーズのうち、PalmV/WorkPad c3(米国ではこのほかPalmVxがある。以後これらをまとめてPalmV系と呼ぶ)は、それまでの機種とは本体形状が異なり、全体的に小型化され、クレイドルなどと接続するコネタク部分なども違っている。これは、PalmV系が充電可能なニ次電池を内蔵し、通信用コネクタ経由で充電を行なうため、従来機種用のクレイドルなどが利用できないためでもある。また、本体が薄く小さくなっているため、オプションの装着方法も違い、PalmV系では、本体背面に周辺装置を固定するための小さな穴(溝)があり、コネタク部分とここで、周辺装置を固定するようになっている。このため、シリアルポートに接続する多くの周辺装置などがPalmV系と非PalmV系では共有ができない。
Snap Connect c3の形状は、Palm Computingや日本アイ・ビー・エムが販売しているPalmVモデムやWorkPad c3モデムと同一である。つまり、SnapConnect c3は、本体より若干大きくなっており、本体の裏側に装着され、c3の下側にはみ出した部分が出てきて、ここにモデムsync用のボタンが付く。
携帯電話やPHSのケーブルは、SnapConnect c3の向かって右側面にあり、ここにL字型のコネクタを接続する(写真4)。
対応する携帯電話、PHSは、
・NTTドコモおよび他社のPDC方式携帯電話
・NTTドコモおよびアステルのPHS電話機
・DDIポケットのPHS電話機
となっており、以下の通信方式をサポートしている。
・携帯電話
9.6kbps デジタル通信
9,6kbps G3 FAX/EIA class 1,2
28.8kbps NTTドコモパケット通信
・PHS
32kbps PIAFS
64kbps PIAFS2.0(NTTドコモ)
なお、DDIポケットの64kbpsPIAFS 2.1については、対応予定となっているが、出荷時には、64kbps通信を行なえるのはNTTドコモのみである。
製品には、接続ケーブルが3つ付属する。PDC用、NTTドコモ/アステルPHS用、DDIポケット用である。また、PDCケーブルは、NTTドコモのPDC/PHS兼用機である「ドッチーモ」(どうしてNTTは、ドニーチョとか、シャベリッチとか、テレジョーズとか、こういう駄洒落みたいな名前がすきなんでしょうか?)にも対応している。
Palm側からは、通常のモデムに見えるため、特にソフトなどの導入は必要ない。もっとも、通信を行なうメールソフトなどは、別途必要になる。なお、今回は入手できなかったため評価していないが、製品パッケージには、10円メールクライアントも付属するようである。
■ SnapConnect c3の使い心地
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写真6:横からみたSnapConnect+c3 と30J |
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SnapConnect c3は、WorkPad c3より多少大きく、装着するとWorkPad 30Jとほぼ代わらない大きさになる。
SnapConnectの電源は、PDC/PHSケーブルを接続することで入るようになっており、ケーブルを接続しなければ、SnapConnect c3とWorkpad c3は、接続したままにしておいても、SnapConnect c3の電池が消耗することはないようである。外出するときには、ちょっとかさばるが、付けたまま持ち歩くということも不可能ではないだろう。
なお、この接続ケーブルのSnapConnect側はすべてL字型で、装着すると、ケーブルが本体下向きに出るような感じになる。おそらく、本体と直角に出すと、ケーブルが無理な角度で曲がることが多く、断線などの危険を避けたためと思われる。多くのPDC機は、本体下部にコネクタが出ているため、つなぐと、ケーブルは、U字型となり、機種にもよるが、手のひらの上に携帯電話を載せ、その上にWorkpadを携帯電話の液晶部分を隠さないように載せて持てば片手で持つことも可能だ。
PHSの場合、コネクタの場所は一定ではないが、本体向かって左側にコネクタが付いているものが多い。この場合は、PHSを横にして手のひらに置き、その上にc3を載せれば、片手で操作できるようになるだろう(ただし、c3付属のカバーを付けているとPHSの液晶部分が見えなくなってしまうが……。携帯電話と同じようにしてPHSを縦にしてもいいが、PHS側のコネクタが親指の付け根あたりに当たってしっくりしないのと、ケーブルの接続部に無理な力がかかりそうである。
今回、手持ちの機材の関係で、PDC(ツーカーセルラー東京、NTTドコモ)および、PHS(NTTドコモ)を使って、実際に屋外での接続実験をしてみた。
実験といっても、普段、Workpad30J+SnapConnectで行なっている自宅のメールサーバーのアクセスやプロバイダへのアクセスを試してみただけである。結果としては、特に問題は発生せず、アクセスが可能だった(もっとも、こうした基本的な使い方で問題が起こるようでは困るが)。
すでにSnapConnectを使っている人向けにいえば、特に違和感なく利用できるということだ。これまで、c3などPalmV系には、SnapConnectなどの携帯/PHS接続機器がなかったため、購入を控えていた人や、c3を買ったものの、外出時には、SnapConnectがつながる旧機種を使っていた人もあると聞くが、これでようやくc3などPalmV系も同じ通信環境を手に入れたことになる(うーん、これでますますPalmVxが欲しくなった……)。
今回のSnapConnect c3は、PIAFSの64kbps通信にも対応しているため、従来の32kbps対応のアクセスポイント(PIAFS 1.0対応TAP)に接続するには、電話番号の最後に“#32”を付ける必要があった。マニュアルがなかったので、最初ちょっととまどったが、PHSのPCカードの標準的な方法をためしたら正解であった。もっとも、メールアクセス程度であれば、32kbpsでも十分だし、64kbpsもあれば、やはりWebでもちょっと見ようかという気になる。
なお、従来のSnapConnectでも同様だが、SnapConnectのシンクボタン(通常はモデムシンクが割当ててある)で、メールソフトが起動するようにすると、モバイルでのメールチェックが楽になる。
◎関連URL
SnapConnect for WorkPad c3
http://www.iodata.co.jp/products/network/snapconnectwpc3.htm
PalmVモデム
http://palmorder.modusmedia.com/P5/P5-10401U.htm
WordPad c3モデム
http://www.ibm.co.jp/pc/workpad/wp95o.html
WorkPad製品情報(日本IBM)
http://www.ibm.co.jp/pc/workpad/index.html
PalmComputingのホームページ
http://www.palm-japan.com/home.html
(塩田紳ニ)
1999/11/26
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