内蔵ソフトを探る その2 ~標準アプリケーションの紹介~ |
前回に引き続きWorkPad(Palm OS日本語版)の標準アプリケーションをご紹介する。とりあえず今回まで、基本的な使い方の紹介をさせていただくのでご辛抱願いたい。
■予定表
いわゆるスケジューラーである(画面1:予定表1日表示)。表示は、1日、1週間、1月単位で可能になっている(予定表ボタンを押していくと順次切り替わるようになっている)。
記入できる予定には、日時を指定するものと、日付のみを指定するもの(イベント)があり、また、個々の予定には、繰り返し指定やアラーム、メモが設定可能で(画面2:予定表 詳細)、プライベート指定したものについては、「データ保護」の設定により、非表示とすることもできる。
1日単位の表示では、表示開始時刻・終了時刻を指定して、表示範囲を限定(この時間外に予定があれば、表示はされる)できる。1週間単位の表示(画面3:予定表1週間表示)は、横が日付、縦が時間になったグラフ形式で、予定が入っていることを示すバーをタッチすると、画面上部に件名などが表示される。また、日付部分をタッチすることで、1日表示へ切り替わる。
1月表示(画面4:予定表1月表示)では、時間付きの予定は「点」で表され、「イベント」は「+」で表示される。日付部分をタッチすれば、一日表示へ切り替わる。
ちょっとした機能として、画面上部の日付表示部分をタッチすることで、現在の時刻が表示される。このほか、アドレス帳から、名前や電話番号を取り出して、コピーする機能もある。
機能的には、そんなに高機能なものではないが、最低限の機能は備えているし、また、動作がキビキビとしており、データ量が増えても、速度に影響を感じない(WorkPadをはじめ、Palmシリーズでは、OSでデータベース機能をサポートしており、アプリケーションはデータをレコードとして簡単に管理できるようになっている。このため、効率の良いデータ管理が可能なのである)。
■アドレス
こちらは住所録管理である(画面5:住所録リスト表示)。名前(姓と名)、会社名、役職、電話番号やFAX番号、E-Mailアドレス、住所(郵便番号、都道府県、市町村、住所、国)と4つのカスタム項目が管理できる。また、電話番号などは、個々の記録ごとに「会社」「自宅」「FAX」「その他」「E-Mail」「代表」「ポケベル」「携帯」の8つの項目名を4つ選んで利用できる。さらに、WorkPad Jでは、英語版にはない、名前と会社名の読み仮名もサポートされている。
最初に表示されるリスト表示は、「姓、名」または「会社名、姓」のどちらかを選択できる。このときの表示は、これらと電話番号の組み合わせで、表示する電話番号は、個々に前記の8つの種類から選ぶことができる。このため、ある人は会社の番号、別の人は自宅の番号、そして、メールでしかやりとりしない人は、電子メールアドレスという表示が可能だ。もちろん、個々の登録項目には、カテゴリがつけられ、これを切り替える(アドレスボタンを順次押すとカテゴリが切り替わる)ことで、素早く目的のアドレスを見つけることができる。
リスト表示から登録項目を選ぶと、そのアドレスの詳細な情報が表示される(画面6:住所録詳細表示)。ここでの表示は、リスト表示とは別のフォントを指定することもできるので、見やすい大きなフォントにすることも可能だ。
■To Do
To Doはやるべきことのチェックリスト(画面7:To Do)。これは、各項目に優先度や期日、カテゴリ、メモをつけて登録し、実行するごとにチェックしていくもの。仕事のリストや買い物のリストなんかにも利用できる。多くは、締め切りのある仕事を管理するために使う。期日や優先度、カテゴリなどにより並べ替えが可能。ただし、繰り返し機能はない。
■メール
メール機能(画面8:メール)は、Palm DeskTopと連動して行なう。Palmシリーズに内蔵されているメール機能には、送受信機能はなく、Palm DeskTopがデスクトップマシン上のメールソフトと連動することで、メールの送受信を行なわせる。つまり、メールの読み書きは、WorkPad側で行ない、HotSyncして実際の送受信が完了するわけだ。なお、連動できるメールソフトは、WindowsのMAPIに対応したもの(Outlook Expressなど)と、Lotus Notes(WorkPadには、そのためのソフトが付属する)が標準対応しているが、別途同期用のソフトを入手することで、他のメールソフトも利用可能になる。また、サードパーティ製のメールソフトも、メールの読み書き自体は、このメール機能を使っているものが多い。
■電卓その他
以上のほか、電卓(8桁のメモリー付き電卓)や、支払いメモ(画面9:支払いメモ)などが標準で搭載されており、また、付属のCD-ROMには英和/和英辞書(Workpad Jのみ)やゲームなどが収録されている。
■赤外線
Palm III以降の機種(Palm PilotのUpgrade版を含む)には、赤外線インターフェイスが搭載されており、各機能のデータ(たとえば、予定や住所など)や各種のファイルなどを転送できるほか、IrDAインターフェイスを持つPCと赤外線経由でホットシンクできる。
中でも面白いのが、赤外線による名刺交換である。これは、あらかじめ自分の名前や住所をアドレスに登録しておき、自分の名刺として設定すると、これを名刺として、他人のWorkpad(およびPalmシリーズ)と名刺交換ができるものだ。この機能はメニューからも起動できるが、アドレスボタンを押し続けることでも起動できる(なお、受信側では、環境設定の一般にある「赤外線通信の受信」がオンになっている必要がある)。
さて、簡単ではあるが、これでWorkPadの基本的な紹介は終わりである。次回は、WorkPadの標準機能を置き換え、さらに便利にするソフトなどを紹介する予定である。
Palm ちょっといいもの 「Tap Step Music」 |
Palmシリーズ用のゲームソフト。秋葉原のイケショップで3980円で購入した。Palmシリーズは、ハードウェア的にはモノクロだけでなくグレイスケール表示も可能になっている。そのグレイスケールを駆使し、サウンドも充実した、ある意味、ハードを使い尽くしたソフトといえる。
ゲームは、画面中央から飛び出す「マメ」が上下左右の4つの「穴」に入る瞬間に音符部分をタイミングよくタッチして得点するもので、反射神経だけでなく、リズム感も必要だ。
ソフトは良いんだけれど、筆者は、反射神経とリズム感が悪く、なかなか面がクリアできない。しかも、簡単な曲ならある程度ついていけるが、ビバルディの「四季 春」なんて曲、全然手が動かない……。
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◎関連URL
■WorkPad製品情報(日本IBM)
http://www.ibm.co.jp/pc/workpad/index.html
■PalmComputingのホームページ
http://www.palm-japan.com/home.html
(塩田紳ニ)
1999/10/21
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