いつでもどこでも気軽にデジタル写真!! ~キヤノン PowerShot S20&写真展のご案内~
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■ PowerShot S20ってどんなデジタルカメラ!?
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西川和久
「DOS/Vの第一人者」として知られ、パソコン誌やデジカメ専門誌などに多数の連載を持つ。現在は写真家としても活躍中。 |
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PowerShot S20のスペックを簡単にご紹介すると、1/1.8型334万画素CCDを搭載し最大出力解像度2048×1536ピクセル、35mmフィルム換算32-64mm/F2.9-F4.0の光学二倍ズーム、USB対応など、PowerShot A5から数えると5代目のデジタルIXYとなる。ルックスが普通のカメラっぽく、筆者は以前からコンパクトカメラ型のデジタルカメラの中では気に入っているシリーズだ。
300万画素クラスのデジタルカメラとして残念なのは、1600×1200/1280×960ピクセルの出力解像度が無く、いきなり1024×768/640x480ピクセルになってしまうことだろう。A4やA3へ伸ばすのを大前提で撮影している場合は最大高解像度でいいが、通常、L版プリントやHP掲載用であれば135~200万画素相当で十分。しかし、いきなり次の出力解像度が1024×768ピクセルになってしまうと、結局全てのカットを最大高解像度で撮らなければならずメディア効率が悪くなる。また間引きではなく、適度な縮小補完をすると画質的にも向上するため尚更だ。ファームウェアのアップデートか次モデルでは是非対応をお願いしたい。
■ 2日で約1000枚撮ってみました!!
先日後述する写真展の作品撮りで、キヤノンPowerShot S20をカバンへ詰め京都へ行ってきた。ただ3月だというのに気温は0~9度、曇り時々晴れ時々雪と、とんでもない寒さ。冬っぽい写真になってしまったのがちょっと残念だ。ここのところロケは雨にはならないものの、例年より気温が低く寒い日ばかり。そういえば2月中旬の沖縄ロケも寒かったなぁ……。(^^;
さて、「キヤノンPowerShot S20をカバンへ詰め……」と書いたものの、実際持っていった機材は、PowerShot S20×2、専用バッテリー×3、三脚、レフ板、1KWハロゲンライト(RIFA)、ライトスタンド……と、カメラの割には大荷物。ノートパソコンは東芝 DynaBook SS 3010CT(メモリ96MB/Windows 2000)。その他、電源ケーブルやACアダプタ、モデムなど、基本的にはカメラがS20という以外は、デジタル一眼レフカメラのNikon D1やキヤノンEOS D2000を使う撮影とほぼ同じ量となる。(^^;
カメラのセッティングは、ISO100、Mモード、圧縮:Fine、WB:AWB|Daylight|Tungsten、コントラスト:-、シャープネス:-。撮影中触ったのは露出補正とホワイトバランスのみ。また、マクロモード以外は全て光学ファインダーを使っている。手持ちのコンパクトフラッシュは96MB×2、64MB×1。圧縮:Fineで約300枚近くノートパソコンへバックアップ無しで撮れる計算だ。340MBのマイクロドライブは一応持っていったものの、結局使うことはなかった。バッテリーが心配だったのと、ちょうど96MB2枚分=200枚程度撮った時に休憩しながらバックアップしたためだ。
2日間で約1000枚近く撮影した感想を簡単に○×でまとめると、以下のようになる。
〇な点 |
1 | 何時でも何処でも気軽に撮影でき、あまりカメラを意識させない写真が撮れる。また筆者が撮ってても「あ、撮影は止めて下さい!!」といわれない。(笑) これは最近けっこう深刻な問題。(^^; |
2 | 光学ファインダーが割と正確。これを使っている限り、専用バッテリー一本で100枚以上撮影できる。 |
3 | 起動時間や速写時間、再生時間などは用途を考えれば問題ない範囲。ただし、シャッターのタイムラグが少し気になる。 |
4 | コントラスト:-とシャープネス:-があり、大伸ばしし易い。 |
5 | 200万画素機のS10と比較して、シャドー部のノイズなどは増えているものの、解像感や空気感は抜群。確かに失われているものもあるが、筆者にとってはそれ以上にメリットを感じる。 |
×な点 |
1 | 低照度時ではピントが合い難く、AF補助光もあまり役にたたない。 |
2 | じゃっかんマゼンタ被りしている。 |
3 | 液晶表示ONで撮影するとあっという間にバッテリーが無くなる。 |
中でも一番困ったのはX-1のAF。必要以上に枚数が増えたのもこれが原因で1カットに対して何十枚も撮っているからだ。ただし、低照度時、もしくは背景にハイコントラストのものがあった場合、コントラスト検出方式を使ったAFは他社のものでもピンボケになる可能性は高く(多くは後ピン)、そろそろ抜本的な改善をお願いしたいものである。次に気にしていたバッテリーは1日2本までで収まった。
もちろん光学ファインダーを主に使ったのが長持ちの秘訣であるが、それ以上に3点支持による手ブレ防止の効果は大きかった。ここのところ液晶表示をメインに撮影していた筆者も、やはり基本が大切だと改めて思った次第だ。
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今回はこんな感じでレフ板も何も使わず、そのまま自然に写している。但し、全て没カット。(^^; 一般的なパターンと違うのは「内蔵フラッシュを全く使っていない」こと程度だろう。暗いシーンが多かったこともあり、手ブレ、被写体ブレ、ピンボケ続出。ヒット率は三割未満か!?(笑)「これじゃ、肝心の顔がわからない!!」と思う方、是非会場まで!!(モデル Ayuka@京都)
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■ 写真展のご案内
『進化するデジタルフォトの世界 -334万画素デジタルカメラPowerShot S20による作品展- 「神戸・静止した時間」山田久美夫 / 「25時間」西川 和久』と題し、3月27日(月)の東京銀座を皮切りに、仙台、札幌、名古屋、大阪梅田、福岡の各キヤノンサロンで写真展を開催することになった。
先に書いたインプレッションは、その作品撮りで使った感想をそのまま書いたもの。もちろん写し方によってそれなりの差があるとは思われるが、少なくとも今回のケースではお読み頂いた通りだ。出力は同社のA3ノビ機、BJ F8500。エンジン的にはBJ F850の方が上なのだが、30×40cmにプリントする関係からこの機種に限定される。慣れないプリンタということもあり試行錯誤したものの、最終的には納得できるプリントに仕上がった。用紙は写真展で定番の“株式会社 ピクトリコ/ピクトリコプロ”を使用。
筆者の「25時間」というタイトルは、もともと依頼された展示数が25枚なので、それにひっかけ「彼女と過ごした京都旅行25時間をそのまま切り取った写真」という雰囲気の作品に仕上げたところからきている。これは撮影後、たまたまこんな雰囲気になったのではなく、企画段階からこの線でいくことが決まっていたのだ。従って5分の4の20カットはレフ板や三脚など一切使わず、その場の光だけで手持ち撮影。ただし、5分の1に当たる5カットだけは三脚はもちろん、レフ板や照明(SD写真電気工業のRIFA/1KW)など、技を使って創り込んだものとなっている。そうでもしないと単に「京都ラブラブお散歩旅行写真記」になってしまうからだ(爆)。
筆者は月末の3月31日は昼からになってしまうが、それ以外は全て会場にいる予定。是非とも遊びに来て欲しい!!
◎関連URL
■キヤノン Powershot S20製品情報
http://www.canon-sales.co.jp/Product/digicam/ps-s20/ps-s20.html/
(西川和久)
※掲載画像の無断転載・配布はご遠慮ください。
2000/03/27
写真展案内 |
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「神戸・静止した時間」山田 久美夫 / 「25時間」西川 和久 |
【コメント(西川)】
25枚中16枚目。2日目の朝、帰り支度をしているところ。こんな感じで京都で一緒に過ごした25時間をそのまま25枚の写真へ収めた。もちろん実際はフィクション。妙な誤解しないように!!(笑)
【コメント(山田)】
今回は、私の好きな神戸を題材に撮影してきました。タイトルは「神戸・静止した時間」。この街を訪れるたびに感じる、静かな時を表現しようと試みました。さて、「PowerShot S20」と「BJ F8500」はその期待に応えられたかどうか……。
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【各地の日程】
東京 | 3月27日(月)~4月01日(土) | 予定表 |
仙台 | 5月15日(月)~5月19日(金) | 予定表 |
札幌 | 5月29日(月)~6月02日(金) | 予定表 |
名古屋 | 6月12日(月)~6月16日(金) | 予定表 |
大阪 | 7月06日(木)~7月12日(水) | 予定表 |
福岡 | 7月24日(月)~7月28日(金) | 予定表 |
※キヤノンのページで、予定表に現在掲載しているのは5月の予定まで。
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