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ハンディGPSレシーバーで遊ぶ!
目からウロコの「GTREX」

 げっ、気が付いたらもう3月も下旬。冬眠から覚めたと思ったら春眠をむさぼり、更新をかまけてましたぁ。ゴメンなさい。ゴメンなさい。ゴメンなさい。でも、今年に入ってからなんだかシンクロ率下がりまくりで、なんか物欲も沸き立たないのは歳のせい? それとも……。  というわけで(どういうわけだ?)、超久々にお届けする「デジタル生活ギャラリー」は、ソニーのGTREX?だ。

■ GPSは意図的に精度が落とされている

伊達淳一
伊達淳一
本職はカメラマンなのだが、なぜか現在はライター業ばかり。日本カメラ、デジタルCAPA、インターネットマガジンなどにデジカメ、ビデオ、写真に関する記事を執筆中。 Web媒体ではD# Digital Pressにて伊達淳一のデジタルでいこう!を発信中

 ソニーのGTREX(ジートレックス)は、ハンディGPSレシーバーで記録したGPSログ(測位した位置情報)を元に、自分の行動を軌跡として地図上で再現したり、デジカメで撮影した写真を自動的に撮影場所に貼り付けてオリジナルの地図が作製できるソフトウェアだ。

 GTREXに付属しているハンディGPSレシーバーは、GPSと言ってもエプソンのロカティオのように周辺の地図を表示したり、測位結果を表示する機能はまったく備わっていない。GPS衛星からの電波を黙々と受信し、一定間隔で緯度・経度を記録し続けるだけだ。このレシーバーを専用のUSBケーブルでWindows98パソコンと繋ぎ、記録したGPSログをパソコンに取り込めば、自分が行動した軌跡をGTREX上で再現できるというわけだ。

 ちなみに、ソニーの地図ソフト「Navin'You(ナビンユー)」とハンディGPSレシーバーを組み合わせれば、リアルタイムに自分の位置をパソコンの地図上に表示でき、パソコンナビとして使えるのだが、ハッキリ言って実用的ではない。というのも、もともとGPSは軍事用に開発されたもので、カーナビやハンディGPSレシーバーで使えるのは、意図的な誤差を含んでいるデータだ。しかも、この誤差はランダムに変化しているので、測位精度も数十メートルから数百メートルとバラツキがある。

 そこで、考えられたのが、GPSの誤差をリアルタイムに測定し、その誤差を補正する情報をFM多重放送で流す「D-GPS(ディファレンシャルGPS)」というシステムだ。エプソンのロカティオや最近カーナビの多くは、このD-GPS情報を受信することで誤差を補正し、測位のズレを数メートル程度に抑えているのだ。

 さらに、測位には3つの衛星からの電波を捉える必要があるので、ビルや高架が建ち並ぶ市街地やトンネルの中ではGPSは無力だ。そのため、高性能なカーナビは、GPSで測位が不可能な場合でも、車速パルス(タイヤの回転)からクルマのスピードを計算し、どの方向に向かっているかをジャイロで調べているので、自車位置を見失うことが少ないのだ。

 つまり、D-GPSやジャイロなどを併用しなければ、道案内ができるほどの精度をナビに持たせることができないわけで、そのどちらも利用していないパソコンナビには懐疑的なのだ(お遊び目的なら十分楽しめるんだけどね)。


■ 目からウロコのGTREX

 だったら、ハンディGPSレシーバーなんて何に活用するのだ!? と思う人も多いだろう。少し前までは、筆者もその一人だった。しかし、GTREXの登場で、その認識は一変した。
 なんとハンディGPSのGPSログとDCF対応のデジカメの撮影時刻を照らし合わせることで、その写真を撮影した場所を割り出し、地図上に表示しようというのだ。なるほど。これなら、GPSレシーバーの測位精度が多少アバウトでもまったく問題ないし、デジカメの内蔵時計をピッタリ合わせておきさえすれば、DCF(Exif)対応のデジカメならGPSの恩恵を受けられる。GPS装備の高価な業務用デジカメを買わなくても、撮影した写真の位置情報を知ることができるのだ。

 簡単にGTREXの使い方を紹介しよう。まず、位置情報を記録するハンディGPSレシーバーのセットアップからだ。ハンディGPSレシーバーとWindows 98パソコンを専用USBケーブルでつなぎ、Handy GPS Setupというプログラムを起動する。

 このハンディGPSレシーバーは、単3形電池1本で動作し、このセットアップで指定したインターバルで位置情報を内蔵メモリに記録する。ちなみに、30秒ごとに位置情報を記録するように設定した場合、約227時間22分のGPSログを内蔵メモリに記録できるが、実際には電池がなくなるほうが早く、省電力モードに設定した場合でも、アルカリ電池で約5~6時間、ニッケル水素充電池では3~4時間くらいしか持たない。ちょっと高価だが、単3形リチウム電池なら半日以上持つので快適だ。

 なお、取り扱い説明書には、「レシーバーから電池を抜いても約5時間はGPSログが保持される」と書いてあるが、裏を返せば、それ以上電池を抜いたままにしておくと、せっかく記録したGPSログが消えてしまうということだ。したがって、家に帰ったらすぐにGPSログをパソコンに取り込むクセをつけておいたほうがいいだろう。

 ハンディGPSレシーバーをセットアップしたら、いよいよ撮影に出かけるわけだが、ここで問題となるのが、ハンディGPSレシーバーをどうやって身体に装着するか? である。純正アクセサリーとして、デイパックのショルダーベルトなどに取り付けられる「専用アウトドアジャケット」が用意されているが、できれば胸ポケットかズボンのベルトあたりに固定できるアクセサリーが欲しいところだ。レシーバー裏面にはマジックテープ付きのシューがネジ止めされているが、筆者はこのネジを利用して大型のクリップを取り付け、胸ポケットに固定して持ち歩いている。

 電源投入直後は、しばらく測位ができない状態が続くこともあるが、いったん衛星を捕捉してしまえば、建物やトンネルに入るなど衛星からの電波が完全に遮断されない限り、結構しぶとくGPSログを記録し続けてくれる。筆者のクルマがサンルーフ付きということも好結果につながっているのかもしれないが、電車内でも窓際に立っていれば、それなりに測位できているようだ。


■ GTREXを使ってみる

 撮影が終わって家に戻ったら、専用USBケーブルでハンディGPSレシーバーとWindows 98パソコンをつなぎ、Handy GPSログマネージャでGPSログを取り込もう。ハンディGPSレシーバーの電池を途中で交換するとGPSログも複数に分割されてしまうが、ログマネージャ上でデータをひとまとめに結合できるので問題はない。

 ログマネージャーでGPSログを選択し、「アプリケーションに送る」をクリックして、GTREXに転送する。すると、GTREXの地図上に、自分が動いた足跡が赤い軌跡として表示される。あとはDCF規格対応のデジタルカメラで撮影した写真(画像ファイル)をGTREXの地図上にドラッグ・アンド・ドロップすれば、撮影日時とGPSログを照らし合わせ、地図上の撮影地点に写真が自動的に貼り付けられるのだ。こうしてGTREXに貼り付けた写真は、地図や移動行程と一緒にプリントしたり、ホームページとして出力できる。

 また、GTREXのオートロケーション設定で「オートロケーションした全てのDCF規格の写真に撮影位置情報を記録する」を指定すれば、ハンディGPSレシーバーのGPSログを、デジカメの画像ファイル内に埋め込むこともできる。デジカメのDCF(Exif)規格には、GPS情報を記録するタグもきちんと定義されていて、GTREXを使えばDCF規格に則ってGPS情報を書き込むことができるのだ。この機能を利用すれば、GTREX以外のアプリケーションでもGPSログを活用することが可能だ。

GTREX GTREX
ハンディGPSレシーバーに記録されたGPSログをWindows 98パソコンに読み込み、GPSログマネージャー経由でGTREXに転送する。複数のGPSログをひとまとめに結合して、新しいGPSログを生成することも可能だ GTREXにGPSログが読み込まれると、自分が行動が赤い軌跡で地図上に表示される。GPSログ詳細を見れば、日時と場所、移動スピードなどを細かく知ることができる

GTREX GTREX
DCF対応のデジカメで撮影した写真をGTREXにドラッグ・アンド・ドロップすると、GPSログと撮影時刻を照らし合わせ、撮影場所が特定される。GTREXには、PictureGearの機能限定版が付属するが、ドラッグ・アンド・ドロップ対応のアプリケーションなら何でもOKだ 撮影場所にリンクされた写真には、タイトルやコメントを書き込むことができる。ここで書き込んだコメント等は、思い出アルバムとして印刷したり、HTMLで書き出してホームページづくりに利用できる

GTREX GTREX
撮影ポイントには、複数の写真が登録できる。ここで書き込んだタイトルは、写真に埋め込んで出力することもできるが、あまり文字数が多いとはみ出してしまうので、簡潔に記述するのがポイントだ 必要な写真を登録し終わったら、作成したアルバムをHTMLで書き出してみよう。写真を撮影したポイントが地図といっしょに時系列順に表示されている

GTREX
撮影ポイントをクリックすると、そこで撮影した写真が表示される。実際にGTREXで作成したアルバムも用意したので、そちらもぜひ参照あれ


■ ちょっとだけ改善要望も

 画像ファイルのタイムスタンプも書き換わってしまうのはちょっと困りモノ。DCFの撮影時刻を元にファイルのタイムスタンプを復元してくれるアプリケーションを併用すれば回避できることはできるが、できれば最初からタイムスタンプを保持してくれるようにしてほしいものだ。

 それと、GTREXは非常にメモリやリソースを要求するアプリケーションで、特に今春の300万画素クラスの画像を貼り付けると、環境によってはアプリケーションエラーで落ちたり、メモリ不足で処理できないことがある。特に、フジFinePix4700Zの432万画素出力は「メモリ不足」でまったく読み込めなかったが、試しにWindows 2000環境で再チャレンジしてみたところ、めでたく処理できた。

 GTREXのハンディGPSレシーバーは、現状ではWindows 98環境でしか動作しないので、GPSデータの転送はWindows 98で行なう必要があるが、GTREXのアプリケーションはWindows 2000でも動作するので、どうしても300万画素オーバーのデジカメを最大解像度で使いたいという人はお試しあれ。


■ 筆者がGTREXで作成したアルバム

GTREX 左の画像をクリックすると、筆者が実際にGTREXを使って作成したアルバム(HTML)にジャンプする

◎関連URL
■「GTREX(ジートレックス)」製品情報
http://www.vaio.sony.co.jp/software/GTREX/index.html

伊達淳一
2000/03/22


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