■ もういくつ寝ると……
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西川和久
「DOS/Vの第一人者」として知られ、パソコン誌やデジカメ専門誌などに多数の連載を持つ。現在は写真家としても活躍中。
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実のところNikon D1が発表されて以来、「D1貯金をしなければ!!」と、普段あまり編集部回りをしない筆者は珍しく各編集部へ遊びに行き、連載以外の原稿を受注。8月末までせっせと原稿を書いてきた。ここ最近の雑誌を見て頂ければその成果はおわかり頂けるであろう(笑)。無事、D1貯金も溜まり、本体以外に何が必要か!? を発表資料やカタログなどを眺め「あーでもない、こーでもない」と色々考える。大きな買い物をする時は、こんな時間も楽しかったりするものだ。
あまり知られていないことであるが、筆者はNikon F4を持っている。ただしレンズは少なく、AF Nikkor 50mm F1.4と、AF Nikkor 80-200mm F2.8Dのみ。その後Canonのハイエンド・デジタルカメラへ乗り換えたこともあり、今となってはEFレンズの方がバリエーションは豊富となってしまった。
このような事情により、D1本体だけを買ったところで何の役にもたたず、レンズも含め必要な物を洗い出すことに。
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ニコン D1
希望小売価格65万円。AF一眼レフタイプのデジタルカメラ。274万画素というのは今どき驚くにはあたらないが、CCDの面積は、COOLPIX 950に搭載された211万画素1/2インチCCDの約12倍! 「5 点測距オートフォーカス」「ダイナミックAFモード機能」「予測駆動フォーカス」など高級一眼レフ譲りの機能を装備している |
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■ お買い物リスト!
● レンズ
レンズは過去の使用頻度を考えると28-70mm F2.8クラスが絶対欲しい。純血主義の筆者は他社のレンズに見向きもせず、Ai AF-S Zoom Nikkor ED28-70mm F2.8D(IF)をチョイス。希望小売価格は220,000円。本当はD1と同時発表のAi AF-S Zoom Nikkor ED17-35mm F2.8D(IF)も欲しいところであるが、 希望小売価格は230,000円と2つ買うと完全に予算オーバー。とりあえず仕事の範囲を考えると、28-70mm / 50mm / 80-200mmこの3つがあれば90%カバー可能なので今回は我慢する。
● メディア
Nikonが正式に対応していない関係もあり、個人のリスクで判断してほしいが、microdriveは物理的に使用可能。筆者は既に手持ちが2つあるためメディアに関しては一銭もかからずにすんだ。JPEG(1/4圧縮)で248枚撮れ、2つもあれば半日~1日程度の撮影は十分にこなせる。ただし、D1は先に書いたとおりmicrodriveに正式対応していない。従って一般的に考えると大容量のコンパクトフラッシュを使うことになるだろう。最近では100MBを超える容量を持つものまで出てきたので、予算に10万円程度あれば大丈夫だろうか!?
● バッテリー関連
これはほとんど考える余地もない。本体には何も付属せず、最低リチャージャブルバッテリーEN-4(希望小売価格14,000円)と、クイックチャージャMH-16(希望小売価格26,000円)は必要となる。さすがにバッテリー1本では不安なので2セット購入。
もちろんこれらに加え、ある程度のパワーを持ちPCカードインターフェイスを装備したパソコンが必要なのはいうまでもなく、仮にゼロから揃えた場合は確実に百万円オーバーコース。逆に本体以外を全て持っていたとしても、メディア+バッテリー関連でプラス15万円程度の出費は覚悟しなければならない。筆者のケースでは希望小売価格ベースで¥650,000 + ¥220,000 + ¥54,000=¥924,000。それなりの値引きは見込めるものの、決して安い買い物ではなく、「買うぞ!!」という勢いが伴わないと、なかなか購入できるものではない。「あれ!? そんなにD1貯金あったかな!?」どうやらレンズ代を忘れていたようだ(爆)。
● マシン環境
やっと少しMobile Centralの話へ戻れそうだ(笑)。D1はIEEE-1394のインターフェイスを持っているので、別売のNikon View DXやNikon Captureを使いダイレクトに画像を取り込んだり、D1をコントロールすることも(Nikon Captureのみ対応)、可能である。ただし、今のところサポートしているIEEE-1394カードは、Adaptec社のAHA-8920、AHA-8945(Windows用)、AHA-8945(Mac用)と限られる。とは言え、スタジオでリモートコントロールでもしない限り、IEEE-1394は必要なく、通常はPCカードインターフェイス経由でデータをやりとりすることになるだろう。
データフォーマットは、JPEG(圧縮率:1/4、1/8、1/16。DPOF対応)、8ビットRGB-TIFF(非圧縮)の場合、JPEGやTIFFを扱える普通のアプリケーションでOK。ただし、8ビットYCbCr-TIFF、12ビットCCD RAWに関しては別売のNikon View DXまたはNikon Captureが必要となる(12ビットCCD RAWはNikon Captureのみ対応)。クオリティ優先の人は後者のフォーマットにこだわるかも知れないものの、その差がどの程度なのか?は不明だ。
最後にマシン自体のスペックであるが、D1の記録画素数は2,000×1,312ピクセル。200万画素機が楽々扱える環境であれば、D1でも特に問題ない。更にノートPCの場合は、その場でレタッチするより、データ・バックアップという意味合いが強くなるだろうから、HDDの容量さえ気にすれば、CPUパワーやメモリ容量に関してはあまり問題にならないだろう。
【D1および関連製品購入予算】
D1本体 | 650,000円 |
28-70mmF2.8ズームレンズ | 220,000円 |
記録メディア(★) | 0円 |
バッテリー関連 | 54,000円 |
マシン環境 | 0円 |
合計 | 924,000円 |
★microdriveが使えた場合。
■ 来月にご期待!!
さて待ちに待った9月29日の発売日、ファーストロットはかなり数が少なかったらしく、残念ながら筆者まで回ってこなかった。こんな都合によりファーストインプレッションは次回へつづく……。
◎関連URL
■「ニコンデジタルカメラD1」製品情報
http://nikon.topica.ne.jp/ei_j/digicam/d1.htm
■「ニコンデジタルカメラD1」商品供給不足のお詫び
http://nikon.topica.ne.jp/ei_j/info/d1_9909.htm
(西川和久)
1999/10/04
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