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IMT-2000夢紀行
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IMT-2000夢紀行
Part3: アシスタントパッド
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第4回:IMT-2000夢紀行
Part3: アシスタントパッド

■ 繁華街へ

 空腹もおさまったので、お礼を言って駅に戻ることにした。グーフィといっしょにオイラ達の住み慣れた場所を探し回ったが、やっぱり見つからない。マムといっしょに遊びに行ったことのある叔父さんの所に行ってみることにした。

 叔父さんは東工大の近くに住んでいたので、まず桜木町に向かう。電車に乗るときも、先程のバスに乗る時と同様、人間達はセルラーホンもどきをピッとやりながら改札を通過している。電車で移動中の風景は、一部の最新(?)ビルを除くと野比と同様まったく変わってしまっている。電車に乗っている人を見ると、やけにスポーツ仕様のサングラスをかけた人が多い。そのサングラスはヘッドホンが一体になっており、ケーブルでセルラーホンもどきに繋がっている。



■ 老いも若きもアシスタンドパッド

 桜木町につくと、MM21は、ランドマークからパシフィコ横浜までは記憶通りだ。これらのビルは、耐震対策がしっかり施されていたとみえて、地震による倒壊は免れたようだ。だが、これらの建物を見失うほど周囲には、非常に未来的なデザインの高層ビルが連なっている。オイラ達も、人の流れにのってビルに入っていった。そこは超巨大なショッピングセンターで、若者達で溢れかえっている。

 若者の多くがヘッドホンをつけているのだが、それがつながっているのがMDでなく、電車の中で見かけたのと同じようにセルラーホンもどきだ。電話をかけているようではなく、音楽を聞いているようだ。時々、セルラーホンを手にとって操作しながら、隣の彼女に話かけている。

「新しい局をダウンロードしようと思うんだけど、何が良いかな?」
「無名なバンドだけど、PIAFSのIMT-2010がいいよ。リズムが最高って感じ。それに1曲100円なのも魅力だよ」
「まず、音楽サイトを選択してと……。あっ、今週のお薦めにもIMT-2010がとり上げられているね。試聴してみようっと。……うん、いいね。ダウンロードしよう」

 一方、彼女は「新しいAPを買ったんだ」と言ってトランススルー(“スケルトン”は日本でしか通じない和製英語。オイラは使わないのだ)のオレンジ色の端末を取り出した。サイズはWorkPad程度だ。4Comのロゴが付いている。後でわかったことだが、APと言うのはアシスタントパッドの略らしい。

「うん~、どれを選ぼうかな。最近、青川二朗の小説が評判になっているから、それをダウンロードしよーっと!  名探偵モバイルキャットが、APを利用した殺人トリックに挑戦だって」

 周りを見回すと若者だけかと思いきや、年寄りもやはりアシスタントパッドを持っている。ディスプレイには人の顔が写っていて、持ち主と対話している。何か調べているようだ。一見、テレビ電話のようだが、会話の雰囲気が人と話しているような感じがしない。良く出来たロボットと話しているような感じだ。

 電話している人達はオイラが知っているセルラーホンと同じようにAPを耳に当てて話をしている。見回してみても、テレビ電話している感じの人はいない。

(明日のPart4に続く)


◎関連URL
■横須賀リサーチパーク(YRP)のホームページ
http://www.yrp.co.jp/

(Felix Mobile)
2000/01/13


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