第4回:IMT-2000夢紀行 Part2: 2010年への旅立ち
|
■ 居眠りからさめたら
知らぬうちにウトウトしてしまった。目をさますと隣にはグーフィがいるが、周りの景色がなんとなく違う。山の上にあったNTTの研究所が銀色に輝いている。眠る前は真っ黒だった。また、竹藪や畑だった所に奇抜な形をしたビルがいくつも建っている。山もいくつか消えて、ビルに姿を変えている。のどかな雰囲気はどこにもない。2匹してどこか別の世界にワープしてしまったようだ。
恐ろしくなってきて 、急いで帰ることにした。「マムは生きているだろうか?」心配だ。戻る途中のバス停で何人もの人が待っていたので、オイラたちもバスで帰ることにした。
バスを待っている人たちの肌の色はバラバラだし、Englishと日本語なら聞き取れるオイラにもわからない言葉が聞こえてくる。
バスに乗る時、人間たちは皆セルラーホンのような物を取り出し、変な機械に向け、ボタンを押している。本来、そこには運賃を回収する機械があったはずだが、コインを入れる所が無い。代わりにセルラーホンもどきのボタンを押す度に“ご利用ありがとうございます”と表示が出る。セルラーホンもどきで運賃を払うようになっているようだ。その機械の先を見ると運転手がいない。というより、運転席そのものがない。
セルラーホンもどきを持っていない人はどうするのだろうと、人ごとながら気になるが、そのような人はいない。当然、人間でないオイラ達には関係ないし、セルラーホンもどきも持っていない。でも、何ら問題なく入ることができた。
■ 2010年!?
駅に着くと乗った時と同様、セルラーホンもどきを取り出し、“ピッ”とやっている。駅名はYRPだが、デパートと一体になったビッグな駅ビルになっている。駅周辺を歩いている人たちも色々な国の人が多い。自動販売機でソフトドリンクを買っている人を見かけたが、やはりセルラーホンもどきを“ピッ”とやっている(※カコミ参照)。
我が家に急ごうと思うのだが、見覚えのあるものがひとつもない。帰るに帰れない。グーフィは帰るところが見つからない上にお腹が空いてきて、しょげかえっている。
年老いた猫が来たので、聞いてみることにした。幸い日本語が通じる。
「野比駅近くに六文銭という居酒屋があると聞いたけど、知らない?」と聞くと、
「野比!。ワシが幼かった頃聞いたような気がする。残念じゃが、“六文銭”とか言う居酒屋は覚えがない。7年ほど前に大地震があった時に、この辺りもほとんどの建物が倒壊してしまった。その時に周りの商店街も含めて、再開発されたんじゃ。」
「ところで、今は何年ですか?」
「2010年じゃ。おかしなことばかり質問するが、おぬし達はどこから来たのじゃ?」
2010年と聞いて気が動転してボーゼンとしていたら、
「おい、大丈夫か?」と声をかけられた。
「長いこと海外に行っていたら、すっかり変わってしまって、……。ところで、お腹がすき過ぎて動けないのですが、どこかご飯を食べられる所を教えて頂けないですか」
東海大地震が起きてしまったようだ。マムは大丈夫だろか?
「ん~。ワシについて来い。ご主人に頼んでみるから。ワシのご主人は犬や猫が好きなんだ」
六文銭も見つからないし、マムにも会えそうにないが、とりあえず腹ごしらえすることにした。
セルラーホン対応の自動販売機 |
10月からスイスのジュネーブで開催されたTelecom'99でフィンランドのソネラがセルラーホンで購入できるソフトドリンクの自動販売機を出展していた。遊園地の幼児向け乗り物の支払にも利用できるそうだ。 |
|
|
◎関連URL
■横須賀リサーチパーク(YRP)のホームページ
http://www.yrp.co.jp/
(Felix Mobile)
2000/01/12
|