第4回:IMT-2000夢紀行 Part1: YRP探検に出発
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■ グーフィといっしょに出発
オイラは京浜急行のYRP野比駅の近くに住んでいる。オイラが住み始めた当時は単に野比駅と呼ばれていた。数年前に研究エリアが造成され、移動通信関係を中心にたくさんの研究所が集まってきている。正式には『横須賀リサーチパークYRP』という呼称だが、“テレコムヒルズ”なんて呼ばれることもある。
「モバイルキャットを名乗るオイラとしては、YRPに精通していないとあっては名折れだ」と言うことで、マムの妹の家にいる犬のグーフィといっしょにYRPの探検に出かけることにした。
地図を見てもらえば一目瞭然だが、YRPは三浦半島の先端の山間にある。YRP野比から久里浜へ向かう途中を左折すると“YRP入口”なるトンネルがある。トンネルを抜けると、山の上にそびえる黒く巨大な建物が目に飛び込んでくる。NTTの通信研究所だ。その手前の小高い丘の上にドコモや松下など多くの研究所が建っている。
道を歩いていくと、最初にNOKIAやシャープが入っているビルがある。侵入を試みたのだが、入口の警備が厳しいので中に入れない。ここは諦めて、グーフィをからかいながらトボトボ歩いて行くと、観光バスに乗った一団がドコモの研究所に入っていくではないか。これはラッキー、見過ごす手はないとグーフィといっしょにダッシュした。図体の大きなグーフィがうまく入れるか心配したが難なく入ることが出来た。
■ IMT-2000のデモビデオは一見の価値あり!!
最初に案内されたのは展示ルームだ。携帯電話やポケットベルの歴史コーナーでは、20年前にサービスが開始された当時の自動車電話の端末を見てたまげた。アタッシュケース程の大きさではないか。それが体積80ccを切るようになるとは、ミラクルだ。
さらに目を引いたのがIMT-2000の展示だ。携帯電話でTV会議ができると言うではないか。また、2010年というIMT-2000が普及した時代を舞台としたプロモーションビデオを流していた。
アムステルダムにある川のほとりに座った初老の婦人が風で帽子を飛ばすシーンから始まる。場面は、東京/ニューヨーク/バンコクなどに切り換わり、各種モバイル端末を利用して、いつでもどこでもワールドワイドなTVカンファレンスを行なっている。当然、自動翻訳機能も持っており、日本語と外国語の変換が自動的に行なわれている。
また、スポーツ仕様のサングラス形状をしたヘッドマウントディスプレイを利用して恐竜の教育ビデオを見るシーンもある。エージェント、あるいはセクレタリーとでも呼ぶべきユーザーサポート機能を備えている。ITSも想定した内容となっており、これからの主要技術をさりげなく盛り込んだ内容だ。
映像は、2010年という未来を彷彿とさせるSFXを駆使しつつも、ヨーロッパ調の香りを持っており、非常に出来の良いプロモーションビデオだ。ドコモが、好調な業績を背景に億単位のお金を注ぎ込んだのでは、と思わせるもので、一見の価値はある。
■ 逃げ疲れてちょっとひと休み
さて、オイラは自分が猫であることを忘れて、かわいい女の子の説明を聞いていたのだが、突然、見学者の一人が「どうして犬や猫がいるんだ!
」と騒ぎだした。館内を逃げ回ったのだが、結局グーフィ共々放り出されてしまった。オイラが著名なモバイル評論猫であることを知らない愚か者め!!
しかたなく、またトボトボ歩いていくと涼しげな木の下に芝生が生い茂っている所が目に入った。先程追いかけ回されて疲れたので、休んでいくことにした。
(Felix Mobile)
2000/01/11
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