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Mobile Centricな家をつくろう! その3

鈴木英雄
鈴木英雄(すずき ひでお)
 使い道のなさそうな安物ジャンク品を衝動買いする悪癖の持ち主。ゼロ・ハリ氏が遊び飽きたガジェットの下取り担当係と噂の、AMD386を積んだ自作互換機が最初のPCというハードヲタク。最近は200LX倍速6MB仕様かCE機を物色中らしい。


 早いもので今年ももう2月半ばを過ぎてしまった。多くの皆さんは決算期も間近で忙しい日々をお送りのことと思う。筆者も似たようなもので、連日終電帰宅、土日出勤(当然のごとく残業代は出ない……)の毎日で、なかなか家の方に手が回らない状況である。

 ということで前回予告よりも遅れ気味の進行状況であるが今回は、ケーブルモデム導入決定後の家庭内LAN配線と機器配置の変更のお話、最終的に何を入れたかというあたり、そして、ここまでにいくらくらいの費用がかかったかというあたりのお話をしたいと思う。


■ で、結局LAN配線はどうなったかというと。

 前回ちょっと触れたように、我が家の周辺でもケーブルテレビ会社がInternet接続サービスを始めることになったという情報を聞きつけ、早速導入を決定したのだ。これをうけて「常時接続ができるようになったらPCの使い方はどう変わるか」などをもう一度考えてみて、LANを構成する各機材のことや、ポートの配置なども再考してみた。その結果が以下の図だ。割と変わってしまった。

配線計画図



■ いろいろ選んだ理由

今回使用した機材全部

 まず、一番大きな変更はルータの使用をとりやめてしまったことだ。ケーブルモデムがある限りルータをわざわざ導入する理由は特にないと判断した。当初は各部屋にISDNのS点とアナログ回線を配置するための「交換機」兼、ケーブルテレビ会社のインフラが何らかの事情でストップした際のバックアップとしてルータも導入することを考えたが取りやめた(これはさすがにもったいない使い方だろうし)。

 ルータ導入を取りやめたことで、別に必要となる「交換機」としては、S点ポートとアナログポートを内蔵したタイプのDSUを導入することにした。DSUにすることで、所定の機能は満たしつつ、消費電力の低減と、壁掛け配置による省スペースが実現できることを期待している。電源入れっぱなしの機器だけに、月々の「電気代」を気にする「奥様」への対応は大事だ(笑)。また、あまり壊れて欲しくはない機器だけに、壁掛けにすることで落としたり蹴飛ばしたり(!)することで壊してしまうような事態が避けられるのではないかとも考えている。

 また、TAを1つ購入することにした。今では安いものなら1万円前後で手に入るものだから、ケーブルモデムやDSUのバックアップとして考えるのならこれで充分だと思われる。また、筆者の勤務先のLANに外部からアクセスするためには、所定のプログラムを使って「ダイアルアップ」しないといけない仕組みになっているため、どちらにせよTAが必要だとい背景もあった(おそらく読者の皆さんの勤務先でも、セキュリティのうるさいところだと似たような状況だと思う)。



■ 「自宅」であるがゆえに考えなくてはいけない騒音対策

 そしてハブだが、当初16ポートのハブで家の各所からのケーブルをスター型配線で繋ぐことを予定していたが、これを8ポート程度のスイッチングハブを複数組み合わせることに変更した。16ポートハブが内蔵する冷却ファンの音があまりにもうるさいためだ。

 オフィスはいろいろな音に満ちあふれているため、普段ははあまり気がつかないが、注意して聞いてみればファンの風切り音というのは結構耳について苛だだしいものだ。ましてや自宅だけにその音は結構目立つ。住環境を悪化させてしまっては何もならない。筆者も、知人のぼやきを聞いて初めて気がついたという程度なので、あまりえらそうなことは言えないが、風切り音の低周波はずっと聞いていると体調を壊す人もいるくらいに体に悪いのだ(筆者の同僚でプリントサーバーの近くに座っていた人が実際そうなってしまった)。一緒に住んでいる家族のためにもここはよく注意した方がよいだろう。

 その点、8ポート程度のハブであればファンレスのものも探せば結構ある(筆者の探した限りでは16ポートハブでは皆無だった)。スイッチングハブであればカスケードする段数にも実質制限がないし、最近ではかなり安くなっている。また、電源内蔵のほうが使い勝手はよいが、ACアダプター型の方が熱源を外に出した分だけファンが無いことによる熱の心配もしなくていいだろうと勝手に考え、そのような仕様ものを選択した。

 ということから上図のように、仕事部屋隣接の屋根下裏収納に8ポートスイッチングハブを2つ、壁面にコネクタを埋め込むのをやめて筆者の机の下に1つ、階段下収納に5ポートスイッチングハブを1つという仕様となった次第である(でもこんなにハブだらけの家というのもそうは無いんだろなぁと少し複雑な心境ではある)。



■ ついでにサーバーも置いた!

 筆者が契約したケーブルテレビ会社のインターネット接続サービスでは、グローバルアドレスを取得するオプションの設定があった。オンラインゲームにも密かに興味を持っていた筆者としては早速飛びついたが1アドレス毎に追加費用が発生するのが痛いところである。ケーブル会社に確認したところ、同時にアクセスしないのであれば複数台のPCでアドレスを使い回してもOKということだったので、DHCPサーバーを入れようと思い立ち、メンテ不要で必要な機能を持つものということで選んだのが、LINKSYS社の「Instant GigaDrive」だ(日本ではバーテックスリンクが代理店になっている)。

Instant GigaDrive

 20GBのHDDを持ち、かつ100BASE-TXのネットワークI/Fとプリンタポートを内蔵しているこの製品は、DHCPサーバーにも設定が可能だ。しかも価格は8万円前後と機能の割にはリーズナブルで設定もわりと簡単だし、ファイルサーバー兼プリントサーバー兼DHCPサーバーとして使うには充分なスペックを持っているようだからということで即決した。グローバルアドレスを2つ取得して1つは自分専用、もう1つは共用としてDHCPサーバーに持たせる予定である(契約違反にならないよう、同時アクセスはもちろん行なわないが)。



■ ここまでの費用は

 まだ完成はしていないが、ここまでの準備で結構いろいろ散財している。「ここまでやったら幾らかかるか」というあたりに興味を持たれているかたもいるかもしれないということで、途中経過でのご報告をしてみよう。

細かいパーツ類

 だいたい、ケーブル及びコネクター代で4万円弱、ハブ代で4万円強、DSU、TA代で4万円程度、工具などで1万円くらい、合計で14万円程度だ。

 これ以外にも、無線LANの機器費用、ケーブルインターネットの契約料や工事料、電話関連の配線作業料、CD管を壁面に敷設した分の家の建築費割り増し費用などもあるから、それなりの金額になるかと思われる。

 高いか安いかはその人なりの考え方であるから、その判断は皆さんにおまかせしようと思うが、筆者としては思ったよりも安かったという印象でいる。露出配線でいけばもっともっと安上がりになると思うが、あまり自宅をきたなくはしたくないし、自分だけなら納得のしようもあるが、住んでいるのは自分だけではないからだ。

 次回こそは実際に完成した姿と使い勝手の報告、出来上がっての反省点(こうすればもっとよくなる?)などのお話が出来ると思っている。あと少しだけおつき合い願いたい。

(鈴木英雄)
2000/02/18


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