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【1999/11/04】 鈴木英雄
快適なモバイル環境を構築したい!
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【1999/10/07】 ゼロ・ハリ
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快適なモバイル環境を構築したい!

鈴木英雄
鈴木英雄(すずき ひでお)
 使い道のなさそうな安物ジャンク品を衝動買いする悪癖の持ち主。ゼロ・ハリ氏が遊び飽きたガジェットの下取り担当係と噂の、AMD386を積んだ自作互換機が最初のPCというハードヲタク。最近は200LX倍速6MB仕様かCE機を物色中らしい。


■まずは道具選び、通信環境から

 先日、筆者が普段使っているThinkPad 235(以下TP235)が壊れてしまった。どうやら本体の電源周りが壊れたらしく、ACアダプターを挿してもバッテリー駆動からAC駆動への切り替えが行なわれないし、ましてや充電も行なわれない。まぁ、この程度のことであれば大概の人は修理に出すだろう。

 ただ、筆者は日常TP235の処理速度の遅さにうんざりしていたことと、TP235はWindows 2000には正式には対応しそうにないことから、これを機会に新しいノートPCに移行することに決めてしまったのであった。ちょっと早まったかもしれないが……(TP235がどんな局面でも遅い、というわけではないことはTP235ユーザーとしてTP235の名誉を守るために付け加えておきたいと思う)。

 と、いうことでモバイル活動の要たるノートPCを更新することにあいなった。そういうことならついでに周辺環境の整備や手を着けていなかったことへのチャレンジなどもしてみたくなるのがこのあたりのことを趣味にしている人間の性(笑)。だいたい筆者は悪い癖を持っていて、こういうときには主題のことよりその周りの細かい部分のことを優先しがちになってしまう。全体イメージよりディテール優先というか、主客転倒というか……。今回もまずは、ずーっと気になりながら手を着けていなかったモバイル通信環境の整備――要は携帯電話の買い換えだ――に着手しようと思う(こういうことをするから金がなくなるのだなぁ)。

 実は筆者は今まで、携帯電話やPHSを使ったモバイル通信というやつをやったことがない。理由はいろいろあるが、筆者にとっては通信速度が遅いということ、使用機材のバッテリー駆動時間が比較的短かかったため、外出先(=ACで電源をとることができない屋外という意味)でノートPCを使うこと自体があまりなかったためだ。

 しかし、最近のノートPCでは大型バッテリーのオプション設定があるとか外部バッテリーが販売されているなど、比較的バッテリー駆動時間を気にしなくてもいい環境になりつつあるし、通信速度についてもようやく多くのプロバイダーのアクセスポイントがPHS 32kbpsをサポートするようになったなど改善の目処がたってきたため、ちょっと前から「そろそろ考えてもいいかな」と思っていた。

 特にDDIポケットが最近始めたエッジ(H")は個人的にはモバイル通信の本命だと考えている。NTTドコモが先行して始めた64kbpsでの通信サービスではあるが、NTTドコモのサービスはPIAFS 2.0規格にのっとった方式で、そのとき自分がいる場所をカバーしている中継局の通信回線が2チャネル空いている場合のみ64kbpsの環境が提供され、通信開始時に1チャネルしか空いてなければ32kbps接続になる。通信中に回線に空きが出ても32kbps接続のままというやつである。これではいまいち興味がわかない。

 それに対してDDIポケットの提供している64kbps通信サービスはPIAFS 2.1規格にのっとった方式で、チャネルが2つ空いてるときはもちろん64kbps。1チャネルしか空いていなければ32kbpsだが、通信途中でもう1チャネル空きが出れば自動的に64kbpsになる(混み始めると自動的に1チャネル明け渡して32kbpsにスピードダウンしてしまうが、それで「回線が混んでいて繋がらない」という状況を回避できるのだからお互い様と納得できる仕様だろう)おまけにある程度アンテナ密度の高い環境下であれば、クルマの移動速度でも切れにくくなっているという。となればやはり「買うならエッジだなぁ」というのが筆者の判断だ(サポートしているプロバイダーが少ないという点は早晩解決する、と筆者は考えることにしている)。

 とは言え、すでに使っているドコモの携帯も捨てられない。なんだかんだ言っても全国ほぼ全域で着発信可能な通信端末というのは便利この上ないのだ。それに、友人知人に仕事関係と多岐に渡って広まっている電話番号をいまから変更するというのもかなり面倒だし。

片側はNM207
もう片方はエッジ端末PASCAL
NM207赤外線通信部と
DDIポケットの64kbps通信カード
全体を見たところ

 第一、赤外線インターフェイスを搭載している携帯通信端末はドコモのノキア製端末NM207しか存在しないのだ。この機能を他の電話が搭載しない限り手放すことができない(それくらいケーブルレスのお手軽接続は便利この上ない。現在筆者はPalmで使っているだけだが、この簡便な使用感が将来的にはBluetoothなどにより、全てのPCで得られるようになるのだろう)。また携帯電話かPHSどちらかだけで通話もデータ通信もやっていると、通信中は通話ができなくなってしまう。「On Demand Communication Tool」としての携帯電話のメリットが半減してしまうようなこのような状態はできれば避けたいのだ。というか、「いま誰かが電話かけてきてたら話し中だよなー」とか思いつつ通信するような精神衛生に悪いことはしたくない。
 ということで、データ通信はエッジ、通話(と一部データ通信)はドコモ携帯というコンビネーションを今後の標準にしようと決めた。

 そこで1つの問題が生じた。SII製の「Two Link Data」などのようなPCカード型端末がエッジではまだ登場していないのだ。本来なら「電話用に携帯を持ち、データ通信用にはPHSカードをPCに差しっぱなし」といきたいところだが、これでは携帯とPHSをばらばらに2つ持ち歩くことになってしまう。これは筆者的にはかなり面倒だ。単に「面倒」なだけなら我慢すればいいじゃない、と思うあなたは甘い。外出するたび使うたび「面倒」と感じているようなものはいずれ持ち歩かなくなるか使わなくなるかしなくなるものだ(とくに筆者は)。使わなければ宝の持ち腐れ。もったいないことこの上ない。

 考えたところで現状では持ち歩くべきものが減らせるわけでもない。「ドコモのドッチーモ(余談だがこの名前にはいつも脱力させられる)なら持ち歩くのは1個ですむのになー」などと考えていて、ふとあることを思いついた。ゼロ・ハリ氏が大阪で会った人が2個の携帯電話を輪ゴムで互い違いに縛り付けて2カ所からの電話をさばいているのを見たことがあるらしい。これを応用しない手はない! というわけで、手持ちのNM207とエッジ端末(SANYO製PASCAL)を互い違いに縛り付けてみたのがこれ(写真)だ!

 輪ゴムじゃかわいげがないのと、溶けて汚れることがないように、と女性が髪の毛をたばねる際のゴムを使ってみた。もともと小さいもの同士をくっつけたわけだから思ったよりもかさばらない(?)。PCとの接続は、NM207は赤外線で(どうせ9600bpsしか出ないのだからこれで充分)、PASCALはSII製インターフェイスカードで、と使い分ければ、持ち歩くのはちょっと大きめの携帯複合端末(笑)1つと、インターフェイスカード1枚ですむ。

 これならばかさばるからと持ち歩くことをはばかることもないはず、だ。64Kデータ通信能力とどこでも繋がる携帯電話の機能が「1台」で実現できるし、「着メロ」をつかえばどちらに着信しているかで迷うこともない。iモード機とエッジの組み合せだって可能だ。これぞ本当の「どっちーも」かも!?

 思った以上にこれはいいかもしれないなぁ、とちょっと自己満足している。しばらくはこれでいくかもしれない。エッジ版のPHSカードが出れば即買い換えてしまうだろうが。



■ そして、連載なるか? 
 「モバイル母艦」としてのおうち作り日記

 TP235が壊れたから……というわけではないのだが、今筆者は自宅を建て直している最中で、どうせならこれも「モバイル向きの家」にしたいと考えている。外から持ち帰ってきたNotoPCをすぐに自宅のPCに接続してリンクできるようにLANを配置したり、はやりのHome Wirelessを取り入れた家にしようというわけだ。

 我が家では1年半ほど前から妻が家計簿をTP560で付け始め、半年ほど前からは友人たちとメール交換も始めている。その使い方を見ると、使う場所が一定してなくて、居間に座ってとか、食卓の上でとか、ソファに座ってとか、見事にバラバラだ。実はこれまで何度か彼女がTP560を使っているときに電話線や電源ケーブルに引っかかって(筆者はかなりの粗忽者だ、と妻は言う……)せっかくの作業結果をパーにしてしまったことがあるのでケーブルは極力なくしたい。それじゃなくてもノートPCにケーブルは似合わない。こういったことを考えて、新しい家の1階は無線LAN環境にすることにした。

 筆者の作業場は主に2階になるが、PC間のデータのやりとりなども行なうため、2階は100BASE-TXの有線LANにした。ISPとの接続にはルータを使うことにして、それそれの要素をあらかじめ外からはワイヤーが見えないように繋ぎ込む。これ以外にも電源コネクタの数だとか配置だとか、考えることは結構多いのだが、せっかくの機会なのでやれるところはやってしまおうと、妻には話している。

 こちらについては、工務店や電設会社と打ち合わせているところなので次回にはある程度ご紹介できると思う。これから似たようなことをお考えの方に参考にしていただければ幸いである。

(鈴木英雄)
1999/11/04


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