家庭でプログラミング教育にトライ
GPリーグ公式アプリ「トレーニングジム」でレッツプログラミングバトル!
2018年12月29日 08:00
小学生がプログラミングのスキルを競い合うプログラミングバトル、「GPリーグ」をご存知だろうか。2020年の小学校でのプログラミング教育必修化を受け、「GPリーグ」が誕生。小学生数名でチームを組み、プログラミングスキルを競い合う場となっており、過去のバトルの様子はYouTubeのGPリーグチャンネル上でも閲覧できる。
なお今年は7~9月にかけて「GPリーグ ヤマハ発動機プログラミングコロシアム2018年夏の1都3県大会」が神奈川・東京・千葉・埼玉を対象に開催され(大会レポートは「小学生チーム5組によるガチンコ対決、熱いプログラミングバトルを手に汗握って観戦してきた」参照)、12月には「GPリーグ ヤマハ発動機プログラミングコロシアム 2018ウインターシリーズ」が静岡県西部地区と大阪府で開催された。課題は、「スクラッチ」「メイクコード(Minecraft)」「ドローン」「ハックフォープレイ」という、過去に当連載でも取り上げた4種目だ。
その公式アプリが「GPリーグプログラミングコロシアム『トレーニングジム』」(以降「GPリーグ」公式アプリ)だ。同アプリを使えば、家庭にいながらプログラミングの基礎を学んだり、他のプレイヤーとのプログラミングバトルも可能だ。
今回は、「GPリーグ」公式アプリに算数好きの小学3年生の息子(8歳11ヶ月)とトライしてみたい。
「目標手数」通りエネルギーをゲットしよう
エージェントをプログラミングして、エネルギーと呼ばれる光る石をすべて回収することが目的だ。ワークスペース上に、「移動チップ」「方向転換チップ」「ループ(繰り返し)チップ」などのコマンドチップを置くことで、プログラミングができる仕組みとなっている。コマンドチップはワークスペースの一段目左から置いていき、「ジッコウ」をタップで矢印の順番にプログラムが実行される。「ヒトツススム」「ヒトツモドル」でプログラムがうまくできているか確認もできる。
「GPリーグ」公式アプリには、「レッスンモード」と「バトルモード」が用意されている。レッスンモードをあるレベルまでクリアするとバトルモードの「ヤサシイ」レベルが解放されるなど、レッスンモードをクリアしないとバトルモードに挑戦できない仕組みとなっているので、まずはレッスンモードにトライしよう。
基本は日本語ブロックを組み合わせるものなので難しくはないが、斜めに動けるなどの独特の決まりがあるので、まず「プレー方法」で操作方法を確認する必要がある。トップページの「プレー方法」をタップして確認しよう。
レッスンモードは、ステージ30まで用意されている。順番にクリアして進む仕組みとなっており、序盤は非常に容易だが、徐々に難易度が上がっていく。
また、「目標手数」が用意されており、かかった手数が重要となる。手数が目標よりも多くてもクリアは可能なのだが、一覧で見たときにゴールドではなくシルバーの色になるため、決まった手数でクリアしたい気持ちにさせる。
使えるコマンドチップの数にはステージごとに限りがあるため、「ループ」などを使って効率的にプログラミングしていく必要がある。コマンドチップはタップすることで数が切り替わり、1〜8まで増加する。また、エネルギーの位置で止まることが重要であり、通り過ぎるだけでは失敗となる。
パズルみたいな「GPリーグ」アプリ
「GPリーグ」公式アプリの画面を見せ、「このプログラミングゲーム、やってみる?パズルっぽいらしいよ」と声をかけると、早速乗ってきた息子。「プログラミング=ゲームっぽくて面白い」という認識ができているようで、誘うといつもいい返事がくる。スマホでも使えるが、今回は、子どもでも操作しやすいよう大きな画面で使えるタブレットを使うことにした。
実はあらかじめ利用しておこうとしたのだが、レッスンモードのステージは順番に進めねばならず、先のステージは鍵がかかっている。私が先に解いてしまうわけにはいかないので、一緒に始めることにした。
息子がいきなりスタートしようとするので、「やり方がちょっと違うらしいよ」と、プレイ方法を確認するように言う私。「斜めにも動くのか」とやり方を確認する息子。保護者もコマンドチップの特徴を知っていると、子どもがつまづいたときにアドバイスできるだろう。
やり方が大体想像がつき、多少工夫すればできるものが多いので、ステージを見る度に「あ、わかった!」と食いついてトライしていた。序盤は非常に簡単ですいすい進むが、徐々に一筋縄ではいかなくなってくる。クリアはできるものの、手数が守れなくなっていくのだ。
途中であるステージでかなり考え込んでいたので、「ループをループで囲むといいかも」とアドバイスしたことがあった。息子は少し考え込んだ後、「そっか」と二重ループを使ってプログラムを完成させた。無事にできた時には「やった!」と喜び合った。
左向きや右向きができる他、角度も細く設定できるようになっている。息子が自分から見た向きで設定していたので、「今は向こう向きになっているんだよね。次にこっち側に行くのは何向き?」と指で方向を示しながらキャラクターの向きを確認するようにした。「……あ、そっか。あっち向きか」と納得したようで、それからはタブレットをくるくる回して確認しながら設定していた。
また、いきなり「ジッコウ」をタップして失敗したくないようで、少し複雑なプログラムの場合は、合っているかどうか「ヒトツススム」で確認し、クリアできそうなことを確認してから「ジッコウ」をタップしていた。
全体にパズルっぽく、頭の体操のように楽しめる。色々とトライしていくと大抵の場合はクリアできるようになっており、大人でも楽しめる。
解法やヒントはないので注意
中盤までで一番苦労したのが、ステージ18だ。コマンドチップがぎりぎりしかないため、ぴったりでクリアする以外に方法がないため、苦しんだのだ。「わかった!」と途中でひらめいたと思ったのに結局できず、「できると思ったのに……」と息子が泣いてしまうことに。私もすぐには解けず、頭をひねった。
回答かせめてヒントがあればと思うのだが、そのようなものは用意されていない。仕方なく、誰かが解法をブログなどで公開していないかGoogleで検索してみる。「GPリーグ」の検索候補に「攻略」「回答」とあるので他のユーザーも調べたことはわかるが、やはり見つからない。解かないと飛ばして先に進むこともできない。
仕方がないので、「じゃあママががんばるよ!」と私が黙々と解く羽目になった。気になるようで時々私の設定したコマンドチップをちらちらと覗いては、「あー、惜しいねー」「なるほどー」などと反応する息子。散々頭をひねって何とかクリアしたときには、「やった!ママ、神!」と大絶賛された。
なお、18につまずいただけで、翌日にトライした続くステージのほうが息子だけで簡単にクリアできていた。難易度が高いものと容易なものが混じっており、コマンドチップの制限数がぎりぎりだと難しくなりがちなようだ。
全体には、息子は楽しんでいた。しかしこのように、子どもだけで進めるとつまずく問題もあると思われる。そのような時はぜひ保護者が協力してあげるといいだろう。
レッスン後はバトルに挑戦
アプリには本家のGPリーグ風のプログラミングバトルが味わえる「バトルモード」も用意されている。バトルモードをプレイする場合はGPリーグサポーターとして登録後にログインが必要なので、あらかじめ登録しておこう。
息子はどのような反応をするのかと思い、誘ってみた。「ねえねえ、知らない人とプログラミングバトルができるらしいよ。今までみたいにプログラミングするだけなんだけど、先にできた方が勝ちなんだって」「えー、バトルー?」と腰が引けているらしい息子。「僕、いい、負けちゃうかも」。どうも、ステージ18でできなかった記憶が足を引っ張っているようだ。
「『ヤサシイ』モードもあるよ、大丈夫」と半ば強引にスタートして、「見て。簡単みたいだよ」と勧めてみたところ、「これならできるかな」という様子でプレイしてクリアしていた。「ヤサシイ」モードはかなり簡単なので、初心者でも問題なくできそうだ。ただやはりバトルというところに腰が引けたようで、息子は「いい」と続きは拒んでいた。解くまでの時間が刻一刻と刻まれるのも落ち着かなかったようだ。
子どもの性格によって、パズルが好きな子はレッスンモード、バトルが好きな子はバトルモードを好むなど、向き不向きがありそうだ。子どもの好きなモード中心にトライさせるようにするといいかもしれない。
学校で利用する際は、自由に進めさせて子ども同士で教えあわせる教材としてもいいだろう。複数の解法があるステージは、どのような方法があるかを発表させても面白そうだ。
教材名 | GPリーグプログラミングコロシアム「トレーニングジム」 |
利用料 | 無料 |
対象 | 小学生以上 |
環境 | iOS9以降のiPhone、iPad、iPod touch。または、Android4.4以降のAndroid端末 |
保護者に求められる知識とスキル | タブレットやスマートフォンの基本操作ができる 基本的な仕組みを理解し、子どもにアドバイスやサポートができる |
学習効果 | プログラミングに興味を持つ、論理的思考力 |
学習時間のめやす | ステージごとに異なり、1ステージ数分から1時間程度。 |