家庭でプログラミング教育にトライ
自分でロボットを組み立てて動かせる、「Jimu Robot」でロボットプログラミングにトライ!
2018年3月2日 06:00
プログラミング学習の代表的なものの一つに、ロボットを作ってプログラミングを組んで動かすというものがある。取材で子どもが使っている様子を見たことがあるが、プログラミングで目の前にあるロボットが動くことのインパクトは大きく、子どもの反応は間違いなく良い。
しかし一方、パソコンやタブレットがあればできるサービス・アプリ系とは違い、金額が高額になるので、気軽にトライするわけにはいかず若干敷居が高い。ロボットプログラミング体験教室などもあるが、すぐに申し込み枠は埋まってしまい、息子はまだ体験したことがない。絶対に面白そうなので狙ってはいるものの、なかなか機会が得られず興味ばかりが募る。
そんな中、UBTECHの「Jimu Robotシリーズ」を借りることができた。STEM教育の教材として使えるIoT玩具ロボットだ。今回は、入門レベルの「TankBot Kit」をお借りすることになった。
小学校2年生の息子(8歳2ヶ月)とJimu Robotにトライしてみたい。
3D表示のアプリ説明書に感動
Jimu Robotは、ブロックでロボットを組み立て、そのロボットをプログラミングを組んで動かすという教材ロボットだ。作り上げないと何もできないので、最初から一緒にやってみることにした。
「こんなものが届いたんだけど、やってみる?」と箱を見せると、「何これ。ロボット?すごい」早速食いつく息子。ほとんどの子どもは見ただけで間違いなく食いついてくるだろう。
届いた箱を開くと、中にはカラフルな箱がすっきりと収まっている。パーツが多いのだが、種類ごとに色の違う箱に収まっているので分かりやすい。赤色は大きめのパーツ、緑色はサーボモーター、青色はメインユニット、オレンジは接続パーツ、紫はケーブルや小さな接続パーツが入っている。
ロボットを作成するためには、アプリが必要となる。アプリが説明書代わりになっており、操作やプログラミングもアプリ上で行う仕組みなのだ。アプリはApp StoreとGoogle Play Storeで用意されている。箱にもQRコードがついているが、「Jimu Robot」で検索してもすぐに見つかる。スマートフォンでも使用可能だが、操作もすることを考えると、画面が大きい方タブレットの方が使いやすいだろう。
アプリを起動して「モデル」をタップし、自分が持っているモデルを選んでタップしよう。今回は「Tankbot」を選ぶ。「組み立て」を選ぶと、組立説明が開始となる。
まず驚かされるのが、このアプリの説明書が非常によくできていることだ。3D表示になっており、見たい場所を拡大させたり、回転させて違う向きから確認することができるのだ。アプリの画面通りに進めていけば完成する仕組みだ。
接続部など影になって見づらいところを確認する時などに非常に役立った。便利さに驚く私と対象的に、産まれたときからiPadがある息子はあっさり受け入れて3D表示を指でくるくると回して使いこなしていた。
8歳以上対象となっている商品なので、基本的に息子に一人で作らせることにした。口出しの必要もなく、ほぼすべてを一人で作り上げていき、時々「これ、ここにつけるんだよね?」「そうみたいだね」などのやり取りをするだけでできあがっていった。作成には合計2時間くらいかかるので、平日数日に分けて完成させた。
慣れないブロックパーツなので、当初はパチンとはめずに組み立てて、途中で取れてしまうことも。パチンとはめればきちんと止まるので、必ずしっかりとつけていこう。なお、小さな接続パーツを間違ってつけてしまったときは、はずすための白いツールを使えば簡単にはずれる。
ロボットの充電には1時間かかるので、あらかじめ充電しておくといいだろう。完成したら電源をONにして、Bluetooth接続を行う。アプリの画面から接続できていない部分などを表示でき、非常に分かりやすくて軽く感動する。初回はサーボモーターのファームウェアアップデートが必要だが、これもアプリ上でできる。
「Jimu Robot」でロボットプログラミングにトライ
完成後、「アクション」を選ぶと、下部にロボットができるアクション一覧が並ぶので、一通りの動きを確認してみよう。テーブルなどから落ちて壊れるのが怖いので、床で動かすことにした。
息子は完成させたロボットが動き出した瞬間、「ええっ!」と驚いて目を輝かせた。「このロボットは動くんだよ」とは伝えていたが、自分が作ったものが実際に動くインパクトは思った以上に大きかったようだ。コントローラーとなるiPadを抱え込み、「すごい、すごい」と、一通りの動きを試して大喜びしている。
左右に向きを変えたり、前進後進だけでなく、「旋回する」でその場で回転も可能。手があるので、モノの「ピックアップ」「リリース」「輸送」などもできる。「応援する」は拍手のような動き。「エクササイズ」は上に下に大きな動きをするので、息子は大ウケして何度も試していた。動かすとアプリ内のロボットも同じ動きをするようになっている。
「コントローラ」では細かな動きもさせられるので、まずはひたすら動かして楽しもう。その後プログラミングさせる時に、どの動きをさせるかを考える参考になるはずだ。なお、ロボットは手が閉じた状態だと両手の間が数センチくらいになるので、軽いボールをうまく持ったり離したりさせることができた。
「コーディング」ではプログラミングができる。日本語の文章になるようにブロックを組み立てていけばよいので難しくはないが、保護者があらかじめどのようなことができるのかをチェックしておき、「このようなこともできるよ」と示してあげると子どももやりやすいだろう。
そうは言っても、具体的にどのような動きを示せばいいのかピンとこない人も多いはず。そこで、いくつかのモデル例が用意されているので、活用するといいだろう。「コーディング」をタップし、左から二つ目の三本線をタップすると、「Tankbotの指揮官」「Tankbotの荷物運び」「Tankbotのハグ」「俊敏なTankbot」が表示される。
これらの項目をタップすると簡単なプログラム例が表示されるので、実行してみせると楽しめる。一部を入れ替えるだけで簡単なプログラミングができるようになる。タブレットを傾けると動くようにもできるので、より一層コントロールしている感じが出る。
息子は動物の声など用意されている音を色々と鳴らしたり、様々な動きを組み合わせるなど、単純なプログラミングだが非常に楽しんでやっていた。ロボットがプログラミングによって動いていること、自分が組んだプログラミングによって動きが変わることがよく理解できたようだ。
その他、新しいアクションを自分で設定したり、ロボットの写真や動画などを撮影してコミュニティに投稿したりもできるので、プログラミング部分ではかなり楽しめそうだ。
「実際に動く」インパクトは大きい
息子がロボット作成とプログラミングを面白がっていることは感じていたが、学校で「最近楽しかったこと」というお題の作文を書く時に、なんと今回の内容をテーマとして書いたそうだ。iPadやパソコン上でプログラミングを行うだけより、目の前で実際に動くものが与えるインパクトは思った以上に大きかった。初めてのロボットプログラミング体験は、とても楽しく印象深いものだったようだ。
小学校などで取り上げる場合は、キットが高額な部類に入るので、私立学校などを除き、一斉授業などでは難しいかもしれない。クラブ活動など、少人数制で有志参加などで行うのがよさそうだ。そのような場でロボットの動きを自由にプログラミングし、全員のロボットの動きを見られる機会があると違いに盛り上がるだろう。クラブ発表などで行っても、他の生徒のウケもいいはずだ。
実際に自分でプログラムしたものが目の前で動く力は強い。子どもを引きつけ、やる気にさせることは間違いない。子どもの忘れられない体験のために、トライしてみてはいかがだろうか。
教材名 | UBTECH Jimu Robot TankBot Kit(ユービーテック ジム ロボット タンクボット キット) |
希望小売価格 | 18,792円(税込) |
対象 | 8歳以上 |
環境 | AndroidまたはiOS搭載のタブレット・スマートフォン(Android4.0.3以降、iOS8.0以降) |
保護者に求められる知識とスキル | アプリ画面を見て作り方を子どもにアドバイスできる、基本的なプログラミングのアドバイスができる |
学習効果 | 機械やロボットへの興味関心を高める、プログラミングに興味を持つ、論理的思考⼒の向上 |
学習時間のめやす | ロボット作成で約2時間、プログラミングなどで1~2時間以上 |
※学習効果や学習時間は個人差があります