こどもとIT
無償でプログラミングを始めよう!夏休み、LINE FRIENDSと始めるビジュアルプログラミング
――東京学芸大学附属小金井小学校 小池翔太教諭インタビュー
- 提供:
- 一般財団法人LINEみらい財団
2021年6月23日 06:45
小学校のプログラミング教育必修化を受け、「子どもにプログラミングをやらせてみたい」と思う保護者は増えている。習い事として教室に通うのも一つの手段であるが、最初の一歩としてハードルが高い場合もあるだろう。そんな時にお勧めしたいのが、家庭でも手軽にプログラミングを学べる無償の学習プラットフォーム「LINE entry」だ。
LINE entryは、「LINE」でお馴染みの“サリー”や“コニー”といったLINE FRIENDSのキャラクターが登場するプログラミングツール。小学校の授業でも広く活用されており、初心者でも簡単にプログラムを学べるのが特徴だ。LINE entryはどのようなツールなのか、その魅力や活用について東京学芸大学附属小金井小学校の小池翔太教諭に話を聞いた。
プログラミングに興味を持てなかった子も惹きつけられる、魅力あるキャラクターたち
LINE entryは、学校の授業で使いやすい教材をめざして開発されたプログラミングツール。LINEでは、2012年からCSR活動として情報モラル教育の出前授業に取り組んでいるが、全国の学校現場に赴く中で、教員のプログラミング教育に対する不安の声を知り、LINE entryの開発に至ったという。そうした経緯から、先生の声が多く取り入れられ、初心者や子どもたちが使いやすいツールとなっている。
そして何よりもLINE entryの魅力といえば、子どもたちにも親しみのあるLINE FRIENDSのキャラクターを動かせることだ。東京学芸大学附属小金井小学校の小池翔太教諭も「プログラミングに興味を持たなかった子どもたちも、“ブラウン”や“コニー”には惹きつけられ、“自分もやってみよう”と思えるようです。キャラクターの強さが魅力ですね」とLINE entryのメリットを語る。
もうひとつの魅力は、「ゲーム感覚でプログラミングの基礎が学べる『ミッション』が用意されていることです」と小池教諭。与えられた課題をクリアすれば次のステージへ進む仕組みで、初級・中級・上級とコースが用意されている。小池教諭のクラスでは、休み時間などに1人1台で配布されたコンピューターを使ってミッションを楽しむ子どもたちもいるようだ。大人がつきっきりにならず、子どもが自分で進められるので、家庭でも使いやすそうだ。
算数や総合など教科の学びから、アイデアをカタチにする活動まで
LINE entryは、先生の声を多く取り入れたツールだけあって、プログラミングの授業に採用している学校も多い。先生が使いやすいように、LINE entryでは文部科学省「小学校プログラミング教育の手引」のA~C分類の領域に該当する公式教材を豊富にそろえているほか、授業で役立つスライドやワークシート、教員向けの指導資料を用意するなど、プログラミング教育に対するサポートの厚さを感じる。
小池教諭も小学5年の算数で「ロボットをプログラミングして正多角形をかこう!」という教材を使用したり、小学6年生の算数では「ロボットをプログラミングして拡大図や縮図をかこう!」の教材を活用して授業を行なっている。
たとえば「ロボットをプログラミングして正多角形をかこう!」では、プログラミングに欠かせない「順次」と「反復」を学びながら、カメのキャラクターの向きを変え、Tシャツに模様を描く。キャラクターの向きを考えた外角や、円周率に着目しながら、さまざまな正多角形の性質を理解し、プログラミング的思考を働かせることがねらいだ。
これらの教材はすべて無償公開されており、誰でもアクセス可能。学習目標やプログラミング教育のねらい、教科・領域のねらいも明記されているので、家庭学習で使う際も役立つだろう。
小池教諭の実践で、もうひとつ着目したいのが前任校の千葉大学教育学部附属小学校で実施したプログラミングの授業。小学4年生の総合的な学習の時間を活用し、地域の魅力について情報発信するために、LINE entryで商店街の魅力をPRするアプリ作成に挑戦した。
授業はまず、簡単な「ブラウンおさんぽゲーム」を作り、児童が成功体験を味わうことからスタート。その後、商店街のフィールドワークを通して、何を情報発信するのか課題を探る。
子どもたちが提案したアプリのアイデアは、「商店街の定期市を体験できるRPG」や「商店街に関わるクイズゲーム」「商店街のお店の人と話せるRPG」などさまざま。一見、どれも小学生が作成するにはむずかしいように思えるが、小池教諭によるとLINE entryでは「シーン」という機能があり、子どもたちのアイデアを簡単にカタチにできるという。
「シーンを使うと、紙芝居を作っているような感覚でプログラミングができます。シーンごとに必要な場面をつくり、あとは自由に場面を切り替えるプログラムを作成するのですが、むずかしいプログラムを組むわけではありません。簡単に画面遷移ができるので、初めてプログラミングを学ぶ子どもでも挫折せずに取り組めるのがいいですね」(小池教諭)
LINE entryでアプリを作成した後は、お互いのアプリを試し合い、改善点を指摘し合ったという。その後、「完成発表会」として各班の代表が商店街で自分たちが開発したアプリを披露し、地域の人から直にフィードバックをもらう機会をつくった。地域のために役立てた実感と、自分たちがプログラミングしたアプリで情報発信できたことによる達成感が得られたようだ。
Teamsを使った作品共有からロボットプログラミング、発展的な学びへ
LINE entryを活用したプログラミングは、子どもたちにどのような変化を及ぼしているのだろうか。
小池教諭は、コンピューターに苦手意識をもつ子どもたちにとってLINE entryは明るい可能性を示してくれると語る。
「GIGAスクールによって1人1台の端末が配布されるなか、積極的にコンピューターやプログラミングに取り組む子もいれば、苦手意識を持つ子も少なくありません。その傾向は高学年になるほど見られ、引け目を感じる子もいます。そうしたときに親しみやすいキャラや見た目のLINE entryは勧めやすく、子どもも受け入れやすいようです」(小池教諭)
実際、プログラミングに苦手意識を持つ子どもに対し、「スマホでLINEはできるでしょ?」と声かけをするという小池教諭。プログラミングに興味を持つ入り口として、スマホでも馴染みのあるLINE entryは、子どもたちの動機づけにつながるようだ。
一方で、LINE entryをきっかけにプログラミングが好きになった子どもたちに対して小池教諭は、どんどん作品を発表できる場も用意。クラス全員が参加する、クラウドのコラボレーションツールMicrosoft Teamsに「LINE entryゲーム作品コーナー」を設け、子どもたちがLINE entryで作った作品を自由にアップし、共有できるようにしたという。
小池教諭のクラスでは授業に限らず、休み時間でも自由に端末を触ることができるため、「自分たちが作った作品でクラスメイトを楽しませる」という活動をめざすプログラミング係を中心に、作品共有が行なわれているようだ。
LINE entryでは続々と新たな機能が公開されており、ロボットプログラミングが学べる「コーディングロボット LINE FRIENDS EDITION」(以下、コーディングロボット)も小池教諭はおすすめだという。“ブラウン”と“サリー”の2種類が用意された有償のコーディングロボットは、LINE entryと接続して操作する。付属のペンでプログラムに沿って図形を描画するほか、付属のコマンドカードでコーディングロボットを動かすことが可能だ。
小池教諭は「プログラム通りに正確に動いてくれるのがいいですね。ロボット教材は動きが正確でなかったり、誤差が生じるものもありますが、コーディングロボットは正確なので、算数の授業で使いやすいです」と語る。
LINEみらい財団では現在、申し込みのあった学校に対してオンラインでの出前授業を無償で行なうなど、学校現場を直接支援する取り組みにも力を入れている。より発展的な学習を望む学校にはぜひ検討してほしい。
なお、インプレスからは2021年6月21日に、LINE entryを使ってプログラミングが学べる書籍『できるキッズ 子どもと学ぶLINE entryプログラミング入門』が発売された。本書ではLINE entryの基本的な操作方法から、ブロックプログラミングの基本的な組み方、豊富な教材の使い方を紹介している。
小池教諭は本書に寄せて「PCやプログラミングが苦手なお子さんや保護者の方に、ぜひ読んでほしい」とコメント。また、これからプログラミング教育に踏み出す教員に向けて「子どもたちがやることと同じことを、まずご自身で試してみてほしい」とエールを送ってくれた。
小中学校ではこれからGIGAスクール構想で配備された1人1台の端末が活発に使われ出し、学校によっては家庭に端末を持ち帰るケースもあるだろう。家庭でも端末を活用した学習にチャレンジできる良い機会であり、そうした際に自習教材もそろったLINE entryは家庭学習として適している。この夏休みに楽しめる学習として、ぜひ親子でチャレンジしていただきたい。