こどもとIT
【連載】こどもとセキュリティ
子ども専用のパソコンやタブレット端末、どんなことに気をつけて与えればいい?
2020年11月27日 06:45
子ども専用のパソコンやタブレット端末を用意する際に保護者がやるべきこと
今年は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、オンラインによる学習スタイルが浸透しました。今後オンラインによる学習の機会が増える中、子ども専用のパソコンやタブレット端末を用意したいと考えている保護者も多いのではないでしょうか。子どもにパソコンやタブレット端末を与える場合、保護者はどのような対策を行う必要があるでしょうか。教育と技術(テクノロジー)の両面で対策を考えましょう。
教育的対策:利用における基本的なルールやモラルを子どもと話し合って決める
①使用する時間や場所などの家庭内のルールを決める
子どもが勝手にオンラインサービスやアプリを利用しないよう、家庭のルールを決めましょう。"どんなルールを作っていいかわからない"という方は、下記のポイントを参考にしてください。また、ルールが守れるようになるまでは保護者の目が届く場所で利用させましょう。ルールは一度決めたら、それで終わりではなく、子どもの成長段階に応じて、子どもの意思を尊重し、その都度話し合って更新していきましょう。
・「どの」アプリ・Webサイトを利用しても良いか
・「いつ」使っても良いか
・「いつまで、どれくらい」使っても良いか
・「どこで」使っても良いか
・「だれと」やりとりしても良いか
②使用する上でのモラル(態度や考え方)を決める
子どもがSNSの利用規定年齢に達している場合は、SNSを利用する際のルールを決めておくことも大切です。「~してはいけない」というルールばかりではなく、子どもがトラブルを抱え込んでしまわないよう、「困ったときは保護者に相談する」といったルールも大切です。
・SNSで悪口や批判、相手の嫌がる内容を書き込まない
・実社会で法的に規制されていることや、モラルに欠けることはネット上でも行なわない
・他人の写真を相手に無断で投稿しない
・ネットに住所や学校名など自分を特定できる情報や写真を投稿しない
・困ったことや不安なことがあったら必ず保護者に相談する
・アプリを購入するなど支払いが発生する際は必ず保護者に相談する
・ネットやSNSの情報には間違った情報や騙そうとする情報が紛れ込んでいるため安易に信用しない
ルールを決める際は、保護者の考えを一方的に押しつけるのではなく、子どもと保護者が一緒に考え、話し合いを通し、子どもが納得するルールを決めることが大切です。またルールを決めても、子どもがルールを守れない場合がありますので、守れなかった時の対応を事前に決めておくことが重要です。この際、対応は子ども自身に決めさせ、責任を持たせることが大切です。
守れない場合の対応例
・スマホやネット利用を一定期間、禁止とする
・友だちとの遊びやテレビ視聴を一定期間、禁止とする
・お小遣いが減る
技術的対策:ペアレンタルコントロールなど機能制限を設定し、端末は最新の状態に保とう
①OSやソフトは最新バージョンにしよう
情報端末のセキュリティを確保するためには、「セキュリティソフトを入れ、それを最新の状態で利用すること」「OSやソフトを最新バージョンに保つこと」が欠かせません。これにより、フィッシングサイトなどの不正サイトにアクセスしたり、マルウェアに感染したりするリスクを軽減できます。子ども専用の端末を渡す前に、これらが最新の状態であるかどうか確認し、可能な場合は自動更新をオンにしておきましょう。ただし、アップデートが反映されない場合もあります。定期的に保護者が端末を確認しましょう。
②機能制限を利用して、安心して使える環境を築こう
それぞれの端末は、利用制限やアクセスできるコンテンツの制限など、事前に機能を制限することができます。ペアレンタルコントロールも適用し、子どもの発達に合わせて設定しましょう。年齢に適さないアプリの利用や、成人向けサイトをはじめとする有害サイトへのアクセスを防いだりできます。なかでも、アプリ内課金への対策が重要です。課金が発生する場合は、保護者の承認を必須とするようにしましょう。
App Storeの場合、「承認と購入のリクエスト」を使って、お子様からの購入リクエストを選別し、承認できます。また、スクリーンタイムを使い、App内課金そのものを無効にもできます。Google Playの場合、ファミリーグループの保護者は、ファミリーメンバーがGoogle Playでコンテンツを購入、ダウンロードする際に保護者の承認を得ることを必須にできます。
③古い端末は、OSやソフトのサポート切れに注意!!
保護者が使わなくなった端末をお子さんに与える場合も同じ方法でセキュリティレベルを高めましょう。同時に確認したいのが端末にインストールされているOSやソフトのサポート期限です。というのも、サポート切れのOSやソフトは開発元から更新プログラムが提供されません。このため、サポート終了後に新たに見つかった脆弱性は修正できず、その脆弱性を悪用する攻撃に対して無防備になってしまいます。サポート切れのOSやソフトの利用は避けましょう。
また、保護者が利用していた際の情報やアカウントを誤って子どもが利用してしまわないよう、情報の消去や初期状態に戻すなど、適切な対処を行った後に子ども用の設定に整えてあげましょう。
ルールを決め、技術的設定を施した後も、普段からお子さんのネットの利用状況に気を配り、ルールやネット利用について話し合う機会を持つようにしましょう。お子さんがネット上のトラブルに遭遇した際、保護者に相談しやすい関係を作っておくことも大切です。
こどもとセキュリティ 目次
- オンライン学習って安全なの?子どもが利用するときは何に気をつけたらいい?
- SNSで突然現れたアクセス許可メッセージ……これってなに?
- 子ども専用のパソコンやタブレット端末、どんなことに気をつけて与えればいい?
- オンラインゲームを悪用した犯罪から子どもを守るにはどうしたらいいの?
- ネット上の偽情報に惑わされないためにはどうしたらいいの?
- 外出先の公衆Wi-Fi、子どもに使わせても大丈夫?
- 不正アプリを避けるには、どうしたらいいの?
- 子どもを不正サイトから守るにはどうしたらいいの?
- アカウントを乗っ取られないためには、どうしたらいいの?
- SNSで子どもの個人情報が筒抜けに……防ぐにはどうすればいい?
- 子どもがネット依存にならないためには、どうしたらいいの?
- 子どもがスマホゲームを勝手に課金したとき、どうすればいい?
- ネットの出会い犯罪から子どもを守るにはどうしたらいいの?
- 毎週金曜日更新