こどもとIT
【連載】こどもとセキュリティ
ネットの出会い犯罪から子どもを守るにはどうしたらいいの?
2020年9月18日 08:00
子どもの知見を広げるがリスクもある「ネットの出会い」
スマホが1台あれば、InstagramやTwitterなどのSNSや掲示板を通じて、見知らぬ人と簡単につながることができます。世界中の異なる文化圏の人とコミュニケーションを取ることは、自身の知見を広げ、他の国の語学を気軽に学べるといった良い点があります。また、共通の趣味や悩み事を持った人と出会うことは、楽しさを共有したり、相談し合ったりなど、心のよりどころとなることもあります。
一方で、ネットで知り合った人を簡単に信用し、実際に会う約束をして、取り返しのつかない事件や犯罪に巻き込まれてしまった子どももいます。また、事件や犯罪に巻き込まれることはなかったとしても、子どもの心に深い傷を負ってしまう可能性もあります。
例えば、辛いことが続き、子どもがSNS上につぶやいた後日、気持ちが落ち着くメッセージをくれる人に出会い、ダイレクトメッセージでのやり取りを経て、会いに行くことになりました。しかし、子どもが出かけたきり家に帰ってこなくなり、家族が警察に相談しました。だれにも言わずに会いに行ったことは、子どものSNSの記録を確認して初めて分かったという事例があります。
ネットの出会いをキッカケとした犯罪やトラブルから子どもを守るために
ネットの出会いは子どもの成長を促すことができる一方で、リスクに直面することもあります。保護者は教育と技術(テクノロジー)の両面で子どもを守っていきましょう。
教育的対策:ネットで知り合った見知らぬ人と連絡をとらない・会ってはならないこととする
ネット上では年齢や性別を簡単に偽ることができるため、子どもが相手の本当の姿を見抜くことは困難です。子どもが自分だけの判断で、ネットで知り合った人と連絡をとらない・会わないようルールを決めましょう。また、万が一、やりとりをしたい場合には、事前に保護者に相談するようにし、InstagramやTwitterなどのSNSは利用規約年齢に満たないうちは、子どもに利用させないようにしましょう。
なお、東京都の調査より、保護者の約4割がSNSに利用規約上、年齢制限があることを知らないことが分かりました。子どものSNS利用に対して、保護者は子どもがトラブルに巻き込まれないよう、年齢に応じて利用を管理・制限するとともに、可能な限り利用するサービスや交流相手を把握しておくことが望ましいでしょう。
<主なSNSの年齢制限>
・LINE:年齢制限なし *推奨年齢は12歳以上
・Twitter:13歳以上
・Instagram:13歳以上
・TikTok:13歳以上
・YouTube: Googleアカウントの作成は13歳以上
※2020年9月7日執筆時点
技術的対策:Webサイトやアプリを制限する
OSやキャリア、セキュリティ企業が提供しているペアレンタルコントロールやフィルタリングサービスを利用することで、子どもに閲覧をさせたくないWebサイトへのアクセスやアプリの利用を制限できます。
「フィルタリング」とは、違法コンテンツや有害コンテンツの閲覧を防止するアクセス制限のことです。閲覧できるウェブサイトとアプリの種類などを制限して、子どもを危険から遠ざけることができます。親が使っていた「お下がりのスマホやパソコン」などはフィルタリングを設定していないこともあるため、しっかり確認しましょう。
こどもとセキュリティ 目次
- オンライン学習って安全なの?子どもが利用するときは何に気をつけたらいい?
- SNSで突然現れたアクセス許可メッセージ……これってなに?
- 子ども専用のパソコンやタブレット端末、どんなことに気をつけて与えればいい?
- オンラインゲームを悪用した犯罪から子どもを守るにはどうしたらいいの?
- ネット上の偽情報に惑わされないためにはどうしたらいいの?
- 外出先の公衆Wi-Fi、子どもに使わせても大丈夫?
- 不正アプリを避けるには、どうしたらいいの?
- 子どもを不正サイトから守るにはどうしたらいいの?
- アカウントを乗っ取られないためには、どうしたらいいの?
- SNSで子どもの個人情報が筒抜けに……防ぐにはどうすればいい?
- 子どもがネット依存にならないためには、どうしたらいいの?
- 子どもがスマホゲームを勝手に課金したとき、どうすればいい?
- ネットの出会い犯罪から子どもを守るにはどうしたらいいの?
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