こどもとIT
高校のiPad活用事例集、Apple Book『あらゆる学びを創造的にデザインする』を無料公開
――Appleの先進的な教育者ら19名が執筆
2021年12月10日 06:45
探究学習やSTEAM教育など、新たな学びへの転換が求められるなか、高校での1人1台端末の活用がますます注目を集めている。そうした中、「新しいアイデアで授業したい」、「ICTを授業や業務に取り入れる方法を知りたい」という教育者に向けて、高校におけるiPadの活用事例をまとめたカリキュラムガイド『あらゆる学びを創造的にデザインする 高校編』が無料で公開された。Appleテクノロジーで教育現場の変革をめざす教育者「Apple Distinguished Educator(以下、ADE)」が自らの実践に基づいて執筆しており、「Apple Books」のアプリからダウンロードできる。
同カリキュラムガイドは、授業でのiPad活用術はもちろん、保護者対応や教員研修、課外活動での実践を写真や動画、授業案を添えてわかりやすく解説。「Apple Books」で閲覧する利点として、実際に授業で使われたワークシートをリンクから参照できるも良い。各事例にはその授業のねらいや生徒の反応、授業を実施したビフォー、アフターの様子が記載され、ADEの体験に基づいたアドバイスが充実している。
授業でのiPad活用例は英語や公民、数学など14例。そのなかには教科を横断して社会とのつながりについて学ぶ探究学習もあり、iPadを使って記録、共有、創造、発表を行ない主体的に学ぶ生徒の様子が紹介されている。教員の活用例では、授業支援システムや教育機関向けのクラウドプラットフォームを使った家庭との連携、コロナ禍で制限された受験生との個別相談会をオンラインで実施した事例も掲載されている。
さらに事例を紹介するだけでなく、教員個人のストーリーを語っているのも面白い。iPadの良さを知り尽くしたADEの授業観や、クリエイティブな授業で楽しそうに学ぶ生徒たちの姿から、iPadで学びを変えていけるポジティブなイメージを持つことができるだろう。
この『あらゆる学びを創造的にデザインする』シリーズは小学校編、中学校編も無料公開中。GIGAスクール構想でICTに親しんだ子どもたちが、どのような学びを経て高校に進学してくるのか。高校での実践を練るうえでも、大いに参考になりそうだ。
※『あらゆる学びを創造的にデザインする』高校編の著者は、以下の通り。
岳野公人(滋賀大学教育学部教授)、吉本悟(福岡市立福岡西陵高等学校教諭・国語科)、神野学(近畿大学付属高等学校・地歴公民科)、乾武司(近畿大学付属高等学校・生物・科学科)、糟谷理恵子(山梨英和中学校・高等学校・外国語・情報科)、品田健(聖徳学園中学・高等学校)、吉川牧人(静岡県立掛川西高等学校・世界史科)、芥隆司(新渡戸文化中学・高等学校・数学科教諭)、横尾圭二(札幌日本大学中学校・高等学校・情報科)、廣重求(東京成徳大学中学・高等学校・数学科)、菅原慎太(三田国際学園中学校・高等学校・数学科)、小谷隆行(近畿大学譜像高等学校・理科)、近藤美和(筑波大学附属桐が丘特別支援学校、東京女学園・英語科非常勤講師)、渡邊野子(京都市立銅駝美術工芸高等学校・美術科)、大場錦志郎(近畿大学付属高等学校・地歴公民科)、今井孝治(東福岡高等学校、東福岡自彊館中学校・英語科)、森裕嵩(京都市立西京高等学校・情報科)、勝田浩次(関西学院千里国際中等部・高等部・情報科・総合探究科)、白石利夫(聖徳学園中学・高等学校・数学科)