こどもとIT
マイクラでeスポーツを体験!働きバチになって蜜を集めよう(準備編)
――教育版マインクラフト ワールド紹介その③
2021年10月20日 06:45
教育版マインクラフトに用意されている豊富なワールドから、今回はeスポーツカテゴリーに注目。「クリエイティブクラッシュ:働きバチ」のワールドを紹介する。2チームに分かれて、ハチミツを集めるマルチプレイのアドベンチャーゲームだ。さて、どのような世界が広がっているのだろうか。
昨今、eスポーツの大きな大会やゲームショーなどが開催されたり、eスポーツ部を設ける学校が増えるなど、同分野は盛りあがりを見せている。グローバルでは、教育者が関心を持っているテーマでもあるようで、この8月にもMicrosoftでは、オンラインのトレーニング「Esports Teacher Academy」が4日間にわたって開催された。筆者も拝聴したが、世界中から1700名ほどの教育関係者が集まり、オンライン上で熱心に質疑応答をしていたのが印象的だった。
eスポーツを学校等で取り入れようとしたときに、学校長や保護者といったステークホルダーにどう説明するのかという話題もあり、どこの国でも同じような悩みがあるんだなと思った。
最後の日に、教育版マインクラフトを使ったeスポーツの例として、今回紹介する「クリエイティブクラッシュ:働きバチ」が取り上げられた。その時のデモが大変面白く、子どもたちのeスポーツ体験としても楽しめるのではないかと思い、今回取り上げることにした。
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教育版マインクラフトのeスポーツ
教育版マインクラフトの「主題キット」の中には「eスポーツ」というカテゴリーがあり、既にさまざまなタイプのワールドが用意されている。
簡単に「クリエイティブクラッシュ:働きバチ」の概要を説明しておこう。このワールドは、複数人のプレイヤーが参加するマルチプレイが前提で、アドベンチャーモードでプレイする。各プレイヤーは働きバチになり、用意された巨大庭園の中を飛び回って花の蜜を集める。もちろんプレイヤーは、ハチの大きさなので、庭園は広く、草花や物はやたらと大きい。
ルールとしては、黄色と緑の2つのチームに分かれて、先に壺を蜜で一杯にしたチームが勝ちとなる。ワールド内には練習場所とメイン会場があり、競技を進めるための仕掛けがいろいろと用意されている。
ホストを担当する人は、ワールドを準備しよう
それでは、実際の準備の流れを見ていこう。役割として必要なのは、このワールドをホストする人と、ホストするための端末である。
教育版マインクラフトの「主題キット」-「eスポーツ」-「クリエイティブクラッシュ」の中にある「クリエイティブクラッシュ:働きバチ」を選ぼう。
ワールドが生成されると、庭園の中らしい地面に出現する。周りを見ても、柱のような物が見えるだけで、状況がいまいちわかりにくい。案内してくれるNPCも近くにはいないようだ。
探索していると、怪しいスイカが見つかった。ここに突入するとメイン会場にテレポートしてくれるようだ。もし迷子になってしまったら、設定からプレイモードを「クリエイティブ」に一時変更して空中散歩をしてみるのが手っ取り早い。操作に慣れている人は飛び回って全体を見て欲しい。
ある程度状況が把握できたら、「ホストを開始」して他のプレイヤーたちが参加できるようにしよう。今回は同じ場所のネットワークから参加することを想定している。
他のプレイヤーは、まずは飛行学校で練習しよう
他のプレイヤーたちは、「世界に参加する」からワールドに入っていこう。すると、ホストと異なり、プレイヤーたちは庭園とは別の「飛行学校」の中に出現する。壁には飛行の方法が大きなイラストで解説されている。
あたりにいるミツバチのNPCに話しかけてみよう。床にある羽マークに立つと、マイクラでプレイヤーが滑空できるアイテム「エリトラ」を装備できる。チェストの中にある「ロケット花火」ももらっておこう。このロケット花火、機能としては、飛行中に加速してより高く飛べるようにするもの。アイテム名も「ロケット花火」と表示されるが、ハチミツでもあるので、若干ややこしい。
飛行学校のゴールは、ゲーム本番でワールド内を自由に飛び回れるよう、飛行スキルを身につけること。スタート地点から、訓練場の端にある花のところまで、落下せずに飛べたら合格だ。
飛行するには、スタート地点の高い場所から飛び降りて、そのままジャンプの操作を行ないながら、ロケット花火で加速し、前方に進んでいく。タイミングによっては、すぐに目の前の地面にぶつかってダメージをうけることもある。何回か練習して、感覚をつかんでいこう。
また、一度地面に降りてしまうと飛び立てないので、地面のあちこちに置いてあるテレポート装置を使って飛行学校のスタート地点まで戻ろう。ちなみに、筆者も挑戦してみたが、端の花のところまでたどりつくまでには、相当時間がかかってしまった。やっとたどりついたときは、思わずガッツポーズがでた。
たまたま遊びに来ていた小学生に試しにやってもらったのだが、初見であっさりクリアしてしまった。もし、大人 vs 子どもで大会をやったら相当なハンデが必要になりそうである。
端にある花までたどりつくと、ミツバチがいるので話しかけてみよう。花粉のブロックにのると、メイン会場にテレポートされるようだ。ここから先が本番である。
なお、端までたどりつけなくても、飛行学校の中からも会場へテレポートはできるようになっているので、練習にくたびれた人は探してみよう。
2つのチームに分かれて競争しよう
メイン会場に練習を終えたプレイヤーたちが集まったら、黄色と緑の2つのチームに分かれる。この会場は庭に設置された台になっており、床にそれぞれの色が塗られている。プレイヤーたちは、自分の色のところに立って試合のはじまりを待つ。
ここで、ホストが試合の緑の開始スイッチを押すと、プレイヤーたちはそれぞれの色のハチの巣(Hive)に強制テレポートされる。また、持っていたアイテムもリセットされ、最低限のハチミツ/ロケット花火3つとダイヤモンドの剣のみになる。また色別のヘッドが装備される。
これで、あとは頑張って蜜を集め、それぞれの巣に蜜を持ち帰って、ためていく作業を繰り返すことになる。
実際にワールドの中で練習をしてみることがおすすめだが、教育版マインクラフトの公式YouTubeチャンネルでTips集が公開されているので、取り組み前に見ておくのもよいと思う。
「クリエイティブクラッシュ:働きバチ」では、仕掛けは用意されているものの、逆に試合の決まり事というのは特にない。おすすめとしては1チームあたり4名から10名となっているが、熟練度によってハンデをつけるのもありだろう。
試合のルールや、チーム分けの方法、プレイヤーの練習、上手さのバランスをどう取るか、試合の様子をみんなで見るためには実況中継やカメラマン役も必要だ。なんなら、その様子を配信しても面白い。
このように、eスポーツを学習活動に組み込むことで、多様な役割を実体験することが可能になる。しかも、このような"ゆるい"eスポーツなら、さまざまな子どもたちが楽しめそうだ。教育版マインクラフトが使える環境とネットワークさえあれば、比較的容易に取り入れることができると思う。
今回は準備編としてお届けしてきたが、実際にチームを編成して大会を行なったらどんなことが起こるのか?気になる方も多いだろう。誰よりも実は筆者が、ハチミツ集め大会をやってみたくて仕方がないのである。できれば続編としてお届けすべく、ただいま編集部と企画中だ。おっと、その前に飛行学校でもう少し練習しておこうかな。
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