こどもとIT

iPadで“フィジタル”な学びを体験できるスマートトイに3歳と6歳がチャレンジしてみた

ーー「Osmo リトル ジーニアス スターター キット」を抽選で3名様にプレゼント

「Osmo ジーニアス スターター キット」で遊べる計算ゲーム「Numbers」に挑戦中

子どもの玩具を選ぶとき、せっかくなら“学びと遊びが融合したものを選びたい“と考える保護者は多いだろう。小学1年生と3歳児の男の子を持つ筆者もそのひとりだ。

最近、特に気になるのはスマホやタブレットと連動して遊ぶスマートトイと呼ばれるもの。プログラミング教育やGIGAスクール構想の影響もあって、こうした知育玩具は増えており、“うちの子にもやらせてみたい”と思っていた。

そんな折、iPadを使って英語や算数が楽しく学べるデジタル学習キット「Osmo(オズモ)」を体験することができたので紹介しよう。小学1年生と3歳児の反応はいかに?

デジタルとフィジカルを融合した“フィジタル”で、遊びながら学べる

「Osmo」はアメリカで設立したEdTechカンパニー、Tangible Play Inc.が手がけるデジタル学習キット。アメリカでは教育者の利用も多く、30,000以上の教室で採用実績がある。

日本には2020年より本格参入し、すでに5つの製品が発売されている。英語や算数が学べる「Osmo ジーニアス スターター キット」、プログラミングが楽しめる「Osmo コーディング スターター キット」、ピザ屋の仕事が体験できる「Osmo ピザ カンパニー」、3歳から使える「Osmo リトル ジーニアス スターター キット」、創造力を育む「Osmo クリエイティブ スターター キット」がそうだ。いずれも各製品に用意された無料アプリをiPadにインストールして遊ぶ。

写真左から「Osmo ジーニアス スターター キット」「Osmo コーディング スターター キット」「Osmo ピザ カンパニー」
今年8月に発売したばかりの「Osmo リトル ジーニアス スターター キット」と「Osmo クリエイティブ スターター キット」

Osmoシリーズの特徴は、デジタルとフィジカルを融合した“フィジタル”を体験しながら、算数や英単語、プログラミングなどを感覚的に学べることだ。iPadと付属のパーツを使って手を動かしながら遊ぶので、タブレットオンリーにならない点も保護者目線で安心できる。

また、遊ぶときの準備も簡単。iPadを「Osmoベース」と呼ばれる専用スタンドに立て、手元を読み取るための「リフレクター」をiPadのカメラ部にかぶせるだけ。複雑な配線や機器の接続もないので、場所を選ばずに遊べる点も魅力だ。

「Osmo ジーニアス スターター キット」。iPadに専用のスタンドと赤いリフレクターをセットするだけで遊べる

6~10歳対象の「Osmo ジーニアス スターター キット」は、算数、英語、物理、アートを遊んで学ぶ

まずは「Osmo ジーニアス スターター キット」から紹介しよう。同製品は、英単語が学べる「Words」、計算ゲームの「Numbers」、図形パズルの「Tangram」、物理の概念に触れられる「Newton」、お絵かきが楽しめる「Masterpiece」と5つのゲームが楽しめる。ゲームの難易度を調整できるので、子どもの成長に合わせて長く使えるのが魅力だ。

5種類のゲームで、長男が一番気に入っていたのは、計算問題を解くゲーム「Numbers」だ。バルーンに表示された数字になるように、数字のピースを使って組み合わせを考えるゲームだが、小1の長男は算数を習い始めたばかりなので、前段階の「かぞえる」ステージからプレイ。海中のような画面に、波の音や神秘的な音楽も流れ、こうした没入感を高めるギミックもゲーム好きな長男を虜に。

「かぞえる」で使うピースは1、2、5の3種類。たとえば「15を作るときは5のピースが3枚必要」といった具合に、足し算だけでなくかけ算の概念にも触れることができる。我が家ではお風呂の壁に九九のポスターを貼っているのだが、親が「見てね」と声掛けしても進んで見ようとはしない。「Numbers」で遊ぶ姿を見て、夢中になりながら子どもが進んで学ぶことの大切さを実感した。

「Numbers」のゲーム。表示された数字になるように、数字のピースで組み合わせを考える
キンギョやクマノミなど、ステージごとに異なる魚が登場。箱を壊すと中から魚の餌が出てきて、魚が成長。プレイを進めるごとに新たなギミックが登場して楽しい

「Numbers」の次に長男が楽しめたのは、画面に映るお手本を手元の紙でなぞりながら絵を描く「Masterpiece」。お手本は、単純な線画から複雑なアートワークまで280種類以上も用意されており、iPadで撮影した写真を線画処理してお手本にすることも可能。人物や建物など、子どもたちが描きたいものに挑戦できそうだ。

「Masterpiece」では、iPadに映るお手本を見ながら、手元の紙に絵を描く。描いた絵はアプリ内の「ギャラリー」に展示。絵を完成させるまでの工程が動画で保存されていて、自分がどんなふうに描いたか確認することができる

ほかにも、アルファベットのパーツを並べて英単語を学ぶ「Words」や、7色のパズルピースを組み合わせて見本の形を作るゲーム「Tangram」も楽しい。本キットの対象年齢は6~10歳であるが、Tangramは「ジュニア」モードを選ぶと、見本の図形も簡単なので3歳の次男も遊ぶことができた。家の形ができると、煙突から煙が出るアニメーションもあり、見るたびに嬉しそうに飛び跳ねていた。

「Words」のゲーム。アルファベットのパーツを使い、表示された英単語を完成させる。完成した英単語をタップすると発音も聞ける。友だちや家族と対戦するモードも
7色のパズルピースを組み合わせて見本通りに形をつくる「Tangram」。見本が黒一色になる「チャレンジモード」もある

少し変わっているのは、物理の概念に触れられる「Newton」というゲーム。画面上部から落ちてくるボールをゴールに入れるゲームなのだが、手元の紙にペンで線を描いたり、身の回りの物を置いて、ボールがゴールに入るよう道を作る。ボールが跳ねる「バウンズ」と、転がる「ロール」の2メニューがあり、ステージは全部で60以上。ボールが跳ね返る角度やルートを考えることで、物理の原理や楽しさが味わえる。

「Newton」のゲームをプレイしている様子。子どもは大人よりも直感的にプレイしているためか、すぐにコツを掴んでいく

プログラミングやお仕事も、子どもの頃から楽しく体験

次に興味深いのは、ピザ屋をオープンして人気店を目指す「Osmo ピザ カンパニー」。お客さんの注文に合わせて、丸いピザシートにトッピングをのせて注文通りのピザを作る。次々とやって来るお客の注文に合わせて、効率的にお店を切り盛りできるか、職業体験を味わえる。一見するとiPadを使ったハイテクなおままごとに見えるが、支払いはカードを使ったり、画面には店の利益率や評判が表示されるなど、なかなかの本格的な内容だ。

「Osmo ピザ カンパニー」では、お客の注文に合わせてピザをトッピングする
売り上げや材料費、配送費といった経費やお店の収支も表示され、経営を疑似体験

プログラミングゲームが楽しめる「Osmo コーディング スターター キット」は、3つの難易度に分かれたゲームが用意されており、段階的に進められる。ゲームの内容も、冒険をしたり、作曲をしたりと、友だちや家族と協力して楽しむことができそうだ。

「Osmo コーディング スターター キット」は、物理的に組み合わせた命令ブロックにiPadの画⾯が連動して動く、とても刺激的だ

幼児向けのキットや、お絵かきに特化して楽しめるクリエイティブなキットも

「Osmo リトル ジーニアス スターター キット」はOsmoシリーズの中でも対象年齢が3~5歳と幼児向けの製品。4種類のゲームが用意され、カラフルなOsmoスティックを使ってアルファベットを覚えたり、衣装のピースで着せ替えをしながら感情表現や問題解決能力を身につけていく。

カラフルなスティックと着せ替えパーツで、より自由に遊べる「Osmo リトル ジーニアス スターター キット」。パーツを並べるプレイマットがセットになっている

「ABC's」はOsmoスティックを使ってアルファベットや英単語を学ぶゲーム。また同じOsmoスティックを使って図形を作るゲーム「Squiggle Magic」もあり、我が家の子どもたちは「Squiggle Magic」の方が刺さった。どちらのゲームにもMo(モー)というキャラクターがナビゲート役で登場。とにかくこのキャラクターはよく喋るのだが、パーツを置いた時のリアクションも可愛く、子どももじっと集中している。3歳の次男は最初、「ABC's」のゲームに興味を持てず苦戦したが、形を作るたびにMoが反応してくれるので少しずつ取り組めるようになった。

オリジナルキャラクターのMo。ゲーム内でアクションを指示したり、使うパーツのヒントを出してくれる
「ABC's」のゲーム。アルファベットを完成させると、Moと冒険するモードが解放。300個以上の単語を学ぶことができる
スティックで作った唐辛子を食べて、口から火を引くモンスター。「次はどうなるかな?」というワクワクを親子で楽しむことができる

「Squiggle Magic」では、指示に従って動物や魚などさまざまな形を作って遊ぶ。また作った動物や魚は、紫色のモンスターに食べさせることもできる。我が家の子どもたちはこれにハマり、食べるたびにお腹が大きくなり、ゲップやオナラをするギミックに兄弟そろって大喜びしていた。

しかも、モンスターのお腹が膨れあがり、ヨタヨタと歩き始めた時、「まさか!?」と思ったらスッと画面から消えてトイレの水を流す音が。「そこはちゃんとトイレに行くんだね」と笑いながら、期せずしてこの夏トイレトレーニングにチャレンジする次男への良いアプローチにもなった。

「Osmo リトル ジーニアス スターター キット」は、好きな服や髪形のパーツを使って着せ替え遊びが楽しめる「Costume Party」や、シチュエーションに合わせて必要なコスチュームを選ぶ「Stories」というゲームも用意されている

5~10歳を対象にした「Osmo クリエイティブ スターター キット」は、お絵かき好きには勧めたい製品だ。用意された3つのゲームのうち、「Newton」と「Masterpiece」は前出の「Osmo ジーニアス スターター キット」と共通しているが、「Monster」が含まれるのはこの製品のみ。Moの指示に従って、自由なお絵かきに挑戦するゲームだが、自分が描いたものが形になってiPadに表れる体験は、無限の想像力を引き出してくれそうだ。

「Monster」のゲームで、Moから「コンサートステージ」のお題を出され挑戦する筆者。「Osmo クリエイティブ スターター キット」には、何度も消せるクリエイティブボードと4色のドライイレースマーカー、文字を消すときにも使えるイレイザーポーチが付属している

「Osmo」シリーズを実際に子どもと一緒に体験して感じたことは、とにかく子どもが飽きずに夢中になるという点だった。スマートトイの利点は「さあ、今から勉強するよ」と構えずに、親子が一緒になって楽しめるところ。各ゲームのアプリのクオリティはもちろん、実際に手を動かして遊ぶのもとても魅力に感じられた。

また、「Osmo」シリーズは遊びを通して、無理なく学習の習慣もつけられるだろう。コロナ禍により、以前よりも気軽に子どもを習い事に送り出すことができない日々が続いているが、ステイホームに慣れた遊びや勉強にカンフル剤を入れようと思ったとき、こういったスマートトイを取り入れるのも1つの選択肢かもしれない。ちなみに著者は、「Osmo ピザ カンパニー」の購入に心が揺れている。

「Osmo リトル ジーニアス スターター キット(対象年齢:3~5歳)」を抽選で3名様にプレゼント
この8月に発売したばかりの新製品、3歳からのはじめてのデジタル学習キット「リトル ジーニアス スターター キット(対象年齢:3~5歳)」を抽選で3名様にプレゼントいたします。

ご希望の方は、こちらの応募フォームに必要事項をご記入ください。応募締切は9月14日まで。当選者の発表は賞品の発送をもって代えさせていただきます。

本多 恵

フリーライター/編集者。コンシューマーやゲームアプリを中心とした雑誌・WEB、育児系メディアでの執筆経験を持つ。プライベートでは2人の男子を育てるママ。幼稚園児&小学校低学年の子どもを持つ母として、親目線&ゲーマー視点で教育ICTやeスポーツの分野に取り組んでいく。