こどもとIT
国が、学校のPC活用の「課題」を広く募集、教職員・保護者・子どもまで
ーーGIGAスクール構想の1人1台活用に向けて
2021年7月7日 07:00
“どうやら、子どもの学校でタブレットPCが配られたようだ”
この数か月の間に、こんな話を聞いた保護者は多いのではないだろうか。なかには、学校で配られた端末を自宅に持ち帰ってきた地域もあるだろう。
これは、文部科学省が昨年度に実施した「GIGAスクール構想」によるもので、全国の小中学校では今、1人1台のタブレットPCと高速大容量の通信環境が整備されている。一部、端末の配備が遅れている地域もあるが、多くの小中学校では、この4月から1人1台端末を活用した学習が本格的にスタート。この動きに合わせて、高校も公立・私立に関わらず、1人1台端末を導入する学校が増えている。
このGIGAスクール構想の取り組みについて、デジタル庁は7月1日~31日の1か月間、匿名による大規模なアンケート「GIGAスクール構想について、教育に携わる皆様へアンケートのお願い」を実施している。目的は、1人1台端末の効果的な活用に向けた課題点の把握。今後の政策検討・改善に活かすため、教職員のみならず、児童生徒や保護者からも広く意見を募集するというのだ。
アンケートでは、「学習者について感じる課題」「教職員について感じる課題」「学校その他の関係機関について感じる課題」という、3つのテーマを設定。また課題以外にも、教育現場におけるICT活用の工夫例や、さらには政策のアイデアも募集している。アンケートの内容は、関係省庁間で検討し、提出意見や概略を事務局でまとめた後、8月中を目途に改善策とともに公表予定だという。
GIGAスクール構想はまだ始まったばかりであり、ちょうど今、学校現場では新しい挑戦と共にさまざまな課題が続出している時期であろう。国が、教育関係者だけでなく、児童生徒や保護者にまで意見を求めるのも極めて珍しく、教育をより良い方向に前進させるためにも、この機会に皆さんの声を多く届けてほしい。