こどもとIT
グーグルがみんなのコードと提携、プログラミング教育への支援を発表
3年間で2000人のプログラミング指導教員を養成する計画
2017年11月17日 14:44
2017年11月17日、GoogleのCFO(最高財務責任者)を務めるルース・ポラット氏が記者会見を行い、Googleの日本法人の移転と、「プログラミング指導教員養成塾」への支援を発表した。
グーグルの日本法人は、2018年に渋谷に開業予定の地上35階建てのビル「渋谷ストリーム」に移転する。移転時期は2019年の後半を予定しており、14階から35階までの22フロア、約5万平方メートルをグーグルが占めることになる。現在のグーグル日本法人は約1300人だが、「その2倍は収容できる」という。
グーグルは2001年に渋谷に日本オフィスを開設したが、その後、増え続ける従業員を収容しきれなくなり、2010年に六本木ヒルズに移転していた。
今回、ポラット氏は、日本でのプレゼンスをさらに高めるための投資としてこの移転を決めたとして、「日本では優秀なエンジニアが日々サービスの開発や機能改善に取り組んでいる。2011年の東日本大震災の時にも、夜を徹して“パーソンファインダー”を開発し、67万人以上が登録、今も世界で使い続けられている。日本法人はグーグルに76億ドル以上の売り上げ貢献を成し遂げている」と日本法人への期待を語った。また、2001年に渋谷を選んだ理由としては「シリコンバレーのような熱気があった」とした。
「みんなのコード」と提携し、次世代のイノベーター育成を支援
またポラット氏は同時に、グーグルが特定非営利活動法人みんなのコードと提携し、みんなのコードが提供する「プログラミング指導教員養成塾」を支援することも明らかにした。
同プログラムは、2020年の小学校でのプログラミング教育の必修化に向けて、教員にプログラミング教育の研修を行うもの。これまではのべ80名のプログラミング指導教員の養成を行ってきた。今回のグーグルの支援により、2021年3月末までの3年間で、全国に2,000人の指導教員を養成する計画だ。最終的には全国200万人の小学生がコンピューターサイエンスの楽しさや魅力に触れる機会を創出するという。
みんなのコード代表理事の利根川裕太氏は、「今回のグーグルの支援により、これまでプログラミング教育について情報が少なかった地方の先生方にも、情報に触れる機会を提供できる」とし、「プログラミング必修化の授業内容にとどまらず、テクノロジーがどのように世の中を良くしていくのか、コンピューターは子どもたちにどういった可能性を与えられるのかといった観点までを含め、先生やグーグル社員の皆さんと議論できることを楽しみにしている」とコメントした。
ポラット氏は、「グーグルは、日本のイノベーター育成にコミットメントする。長期的なパートナーシップを次世代のイノベーターと築いていきたい」と語った。