Windows 8 ナビゲーター

電話やメールに続くコミュニケーションの手段としてすっかり定着した感のあるソーシャルサービス。最近では友達と連絡を取るときも、電話やメールよりFacebookやTwitter、LINEといったソーシャルサービスを使う、というユーザーも多いだろう。

Webサービスという枠を超え、コミュニケーションの要ともなりつつあるソーシャルサービス。今回はこうしたソーシャルサービスをWindows 8で快適に使うためのWindows ストアアプリを紹介する。

TwitterやFacebookをまとめて管理できる「People」アプリ

Windows 8でソーシャルサービスを使う上で欠かせない存在が、Windows 8の基本アプリでもある「People」アプリだ。Peopleはメールアドレスや電話番号に加え、ソーシャルサービスのアカウントも一括して管理できる連絡帳アプリだが、ソーシャルサービスを利用するためのクライアントとしても非常に便利な機能を備えている。

PeopleにTwitterやFacebookのアカウントを登録しておくと、「更新情報」からTwitterのタイムラインとFacebookのニュースフィードをまとめてチェックすることができる。Twitterであれば返信やリツイート、お気に入りを、Facebookであれば「いいね!」やコメントをPeopleから投稿することもできるだけでなく、自分への返信やコメント、いいね!も「通知」機能からまとめてチェックできるなど、ソーシャルサービスの統合クライアントとしてはかゆいところまで手の届く作りになっている。

PeopleでTwitterやFacebookのソーシャルアップデートをチェック タイルにTwitterの返信などを表示するライブタイル機能にも対応

友達のアカウントを管理するのもPeopleが便利だ。1人の友達とTwitter、Facebookの両方でつながっている場合、2つのアカウントの投稿内容を判断し、Peopleが1つのアカウントに紐付けてくれる。複数のソーシャルサービスを使っている場合、友達と連絡を取りたい時はどのサービスでつながっているかをいちいち考えなければいけないが、Peopleで連絡先をまとめておけば、友達の名前を選べばあとはつながっているサービスを選ぶだけでいい。

サービスごとにアプリが分かれていると、ソーシャル上の誰かに連絡を取りたいとき、まず「連絡手段」であるサービスを選んでから連絡相手という「目的」を選ぶという流れになるが、Peopleなら「目的」に基づいて「連絡手段」を選ぶことができ、より自然な流れになる。サービスに縛られることなく連絡を取りたい相手とすぐにつながれるPeopleは、連絡先とソーシャルサービスを組み合わせた新しい形のコミュニケーションアプリといえるだろう。

TwitterやFacebookのつながりをまとめて管理 People以外のアプリからチャームを通してPeopleに送り、閲覧中のページのURLなどを手軽にソーシャルで共有することができる

mixiやLINEも公式Windows ストアアプリをリリース

Peopleは非常に便利なアプリだが、グローバルに展開しているWindowsの標準アプリということもあり、対応しているサービスも世界規模で運営されているTwitterやFacebookというサービスに限られてしまう。だが、mixiやLINEといった日本向けのサービスも、それぞれ独自にWindows ストアアプリを提供しているので心配は不要だ。

mixiのWindows ストアアプリは、日記やボイス、フォトの閲覧や投稿、mixiメッセージの送受信など一通りの機能が利用可能。LINEもグループボード機能など一部使えない機能はあるものの、グループトークやスタンプなど基本的な機能はほぼ対応している。Peopleにこれらアプリを組み合わせれば、日本で流行している主要なソーシャルサービスでのコミュニケーションにはほぼ問題なく使えるはずだ。

タッチに最適化されたUIでひととおりの機能が利用できるmixiアプリ LINEを「スナップ」で常時表示しておくと、友人とのメッセージングを続けたままWebサイトの閲覧などができる

「スナップ」の組み合わせでWindws 8のソーシャルアプリがさらに便利に

こうしたWindows ストアアプリをさらに活用するためのWindows 8の機能が、これまでにも何度か登場した「スナップ」だ。スナップは通常画面全体に表示されるWindows ストアアプリを、画面の右端または左端に縦長の状態で表示できる機能。Peopleやmixi、LINEなどのアプリをスナップで表示しておくと、友達の最新状況を見ながら他のアプリを同時に使うことができる。

スナップ表示の際、スナップとは反対側のメイン画面「フィル」は、スナップと独立して扱われるため、デスクトップのウィンドウのようにフィルとスナップが重なり合って見えなくなることはない。また、フィル画面は通常のWindows デスクトップを表示することもできるので、Windows ストアアプリではなく従来のデスクトップアプリを利用する際にも、スナップにアプリを表示しておけば手軽に最新状況をチェックできる。

Peopleをスナップ表示しておいてソーシャルアップデートを確認。メイン画面となる「フィル」はフリック操作でどんどんアプリを切り替えていける Peopleをスナップで表示し参照しつつ、フィルで詳細情報を確認
スナップ時の親画面(フィル)はWindows ストアアプリだけでなく通常のデスクトップにもできる

Peopleはスナップに表示する場合、基本的に情報閲覧に特化しているが、Twitter公式アプリや、サードパーティTwitterアプリ「MeteorLine」を使えば、スナップに表示した状態のままTwitterへの投稿も可能だ。

Twitter公式アプリは、タイムライン表示、プロフィール表示、検索、トレンド表示など、ひととおりの機能をおさえ、写真や位置情報付きのつぶやきもできる。MeteorLineはタイムラインとリプライを表示するだけのシンプルなアプリだが、複数アカウントの登録に対応するほか、リアルタイムストリームでの表示もできる。

スナップ状態でもフル機能使えるのがうれしいTwitter公式 リアルタイム更新対応なので、スナップしてながら見するのに最適なMeteorLine

発売されて間もないWindows 8だが、Peopleを中心としてソーシャル系のWindows ストアアプリも充実しており、コミュニケーション用途であればほとんど問題ないレベルで使える。特にPeopleアプリによるソーシャルサービスの統合は非常に便利で使いやすい。Windows 8を使うユーザーには一度体験して欲しいアプリだ。

(Reported by 甲斐祐樹)