子どものデジカメ写真をママ友さんへスムーズに受け渡すには?【後編】
〜スマホやガラケーからも楽に使える無料のオンラインアルバム〜

「閲覧制限」「会員登録なし」「ガラケー対応」のサービスとは?

 前編では、撮った写真をDPEによるプリントやフォトブックで手渡しするおすすめの方法をご紹介しましたが、後編ではインターネット経由で写真を渡す方法についてです。

 写真をデータで受け渡しする、というと、ZIPで圧縮してファイル転送サービスで〜というのを思い浮かべてしまう人も多いかもしれませんが、ママ友さん相手では、この方法はあまり使ったことがありません。忙しいお母さん達は、毎日パソコンを使うとは限りませんし、ゆっくりパソコンの前に座れるのは限られた時間だけ。できればスマホやガラケー??いわゆる“ケータイ”??ですぐに閲覧でき、最終的には欲しいデータをパソコンからダウンロードできるのが理想的。

 こういった用途には、オンラインアルバムのサービスを利用するのがいちばん簡単です。インターネットには無料で使える多種多様のオンラインアルバムのサービスがあるのですが、ぴったりフィットするものを見つけるのは案外大変です。

 ママ友さんと仲間内で撮った写真を受け渡すとなると、「広く一般公開せずに閲覧制限がかけられる」「閲覧者が会員登録せずに参照できる」「ガラケーからでも参照できる」という条件をつけることになり、じつは選択肢がかなり狭まってしまいます。

 まず閲覧制限については、内容が個人の写真なだけに、招待制かパスワードでアクセスを制限できることが必須です。

 また、相手が十数人になる場合などは全員に会員登録をしてもらうのも気が引けるので避けたいところ。

 そして、iOSやAndroid全盛の今となってはガラケーへの対応が意外な落とし穴です。世の中には、いまだに通話とメールがしっかりできれば古いガラケーで十分という、こだわりのない人が案外多くいます。実際、私の知り合いにもいまだに2007年発売のドコモのP905iを活用している人がいました。

 招待メールの送付方法と、メールの表示言語にも注意が必要。まず、ママ友さんのケータイに招待メールを送る時は、送信側もキャリアメールでないとブロックされる場合があります。パソコンのメールアドレスに送れば問題ないのでしょうが、ママ友さんと知り合いになるときはキャリアメールのアドレスしか交換しないケースも多いのです。

 そのため、オンラインアルバムへの招待は、可能なら招待リンクを自分でメール本文に貼り付けて、キャリアメールのアドレスから送ったほうが確実です。また、いくら便利なサービスでも、サービスのシステムから送信される招待メールが英語だったせいで読んでもらえなかった、ということもありました。

 私自身、オンラインアルバムに関してはいまだにトライ&エラーを繰り返している最中ですが、現状のベターと思われる方法をふたつ、ご紹介します。

1GBまで無料、Google+ユーザーなら実質無制限の多機能な「Picasa」

 ひとつはご存じGoogleのオンラインアルバム「Picasaウェブアルバム」。1GBまで無料で利用でき、アルバムの作成者がGoogle+のユーザー登録を行えば、2048×2048ピクセル以内の画像であればアップロード容量無制限になります。

 作成されたアルバムは、閲覧する相手がGoogle+に登録していなくても、Webブラウザーで参照することができます。また、スマホやガラケーにも対応。アルバムを作成すると、ガラケー用のURLのQRコードも表示されます(かなり古めのガラケーだとページ容量が大きすぎて表示できないこともあるのでご注意を)。パソコンから閲覧すれば画像をまとめてダウンロードすることも可能で、いたれりつくせり。

 アルバムの「公開設定」は、「一部のユーザー」を選び、公開を許可したい人のメールアドレスを登録すれば厳密に認証できるのですが、この場合、Googleから招待メールが送られるので、ケータイキャリア以外のアドレスからのメールをブロックしている人には届きません。

 そのため、少しセキュリティとしては下がりますが、公開設定を「リンクを知っている全員」に設定し、「このアルバムへのリンク」で取得したURLをキャリアメールで各人に送ったほうが確実です。

スマホとの連携も十分できる「Picasaウェブアルバム」。アルバムの「公開設定」を「リンクを知っている全員」に設定し、右側の「このアルバムへのリンク」をクリックして、このアルバムへのリンクを参照。これをキャリアメールで送信するのが確実
Google+のユーザーでなくても参照可能。右上の「もっと」ボタンから、アルバムの写真をまるごとダウンロードすることもできる
Picasaウェブアルバムをガラケーで見た状態。各画像の閲覧はできるが拡大はできない
ログインしない状態でPicasaのアルバムをiOSのWebブラウザー経由で見た状態。シンプルで、閲覧者からの投稿もできないが、閲覧だけなら十分
ちなみにこれがPicasaのアルバムのアプリ経由の見え方。アプリ経由のほうが見え方は圧倒的にいいので家族や親しい知り合いなどならアプリをすすめても良いですね

初心者にやさしくガラケーに強い「30daysアルバム」

 Picasaウェブアルバムは機能が豊富で自由度も高いのですが、その一方で使い方の説明は目に付くところにはなく、「使える人だけ使えればいい」ような雰囲気もあります。パソコンに詳しくない人が多い集まりだと、ちょっとハードルが高く、操作の説明をするだけで一苦労ということもあるかもしれません。

 そんな場合は、「30daysアルバム」が便利です。こちらは名前のとおり30日間限定で公開できるオンラインアルバムで、アルバムには「合い言葉」で閲覧制限がかけられます。前述のドコモP905iユーザーに写真を送る方法で悩んだ結果、このサービスに行き着きました。

 30daysアルバムは、ガラケーでの表示もスムーズ。初心者向けにわかりやすく作られていますが、機能も十分です。また、iOSやAndroid向けにアプリも用意されているほか、そのアルバム専用のメールアドレスへメールで写真投稿もできるなど、それぞれの環境で悩まず使えます。

 無料で使える「FREEプラン」と、月額315円〜の「PROプラン」がありますが、無料プランでも1アルバムにつき150枚までのアップロードが可能。同時に合計3アルバムまで作成できます。無料プランの場合は画像のサイズが長辺850pxに制限されるものの、画像はまとめてダウンロードもできます。

 Picasaウェブアルバムと30daysアルバム、どちらもいい部分があるので、まずは両方使って試してみてください。ぜひとも、かわいいお子さんの写真をハードディスクやメモリーカードの中に眠らせず、仲間内で共有してみましょう!

30daysアルバムのアルバム表示。時系列で表示されるので整理不要で見やすい。閲覧者からの投稿もできるので、仲間内でひとつのアルバムを作り上げるのに最適。30日という期間限定も、作成後のアルバム管理をどうするか悩む必要がなくてかえって便利
30daysアルバムの場合、「合い言葉」で閲覧制限をかけられるほか、ケータイのメール添付で画像が追加できるよう、そのアルバム専用のメールアドレスも用意されている
古いガラケー(P905i)から30daysアルバムを見た状態。いわゆる“ケータイらしい”見え方がしっかりできる。閲覧者の画像投稿もメール添付で可能
(2013/2/22)
西村敦子

1973年東京都生まれ。IT系出版社を経てフリーライター兼編集者に。カメラ雑誌の編集、家電製品のライターとしての活動が多く、インターネットの格安店やお得なサービスにも詳しい。2011年6月に第一子を出産し、子育て中。