カメラを買ったときに付いてくるズームレンズはちょっと遠い所にある被写体も大きく撮れて便利ですよね。だけど、安易にズームをして被写体を自分に引き寄せているだけでは、同じような写真しか生み出せません。
今回は、ズームを禁止して自分の足を使って被写体に近付いて撮ってみましょう! 必要なのは18〜55mm程度の標準ズームレンズ1本だけです。レンズの広角端(18〜55mmのレンズなら18mm)を使って撮影します。
広角レンズの特性として、被写体に近付けば近付くほど遠近感が強調されて迫力のある写真を撮ることができますので、どんどん近付いて行きましょう!
Best Shot!
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広角端(焦点距離18mm)で近付いて撮影
■絞り優先AE(F4.5)/ISO400/WBオート/+1.7EV/ピクチャーコントロール:ビビッド
カラフルな観覧車の真下から見上げるように撮影。観覧車の大きさとカラフルさ、太陽のまぶしさをリアルな思い出として残すことができました。 |
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広角端(焦点距離18mm)でその場から撮影
■絞り優先AE(F5.6)/ISO200/WBオート/+1.0EV/ピクチャーコントロール:ビビッド
「あ、かわいい観覧車!」と思ってもこんなに遠くから広角で撮ってもかわいらしさは伝わりません。 |
望遠端(焦点距離55mm)でその場から撮影
■絞り優先AE(F5.6)/ISO200/WBオート/+1.0EV/ピクチャーコントロール:ビビッド
その場から望遠ズームで撮ってみたけど、なんだか面白味のない写真に…。 |
レンズの特性を知りましょう
広角レンズの特性として、被写体に近付くほど遠近感が強調されて迫力のある写真が撮れるとお話しましたが、それでは望遠レンズの特性はというとその逆で、遠近感が弱くなって被写体と背景との距離が近くに感じられるような描写になります。この効果は一般的に「圧縮効果」と呼ばれています。
下の車の写真を見てみてください。車自体の大きさはそれほど変わらないのに、望遠端でその場から撮った写真よりも、広角端で近付いて撮った写真のほうが、背景のお店が遠くにあるように見えませんか?
また、広角端で近付いて撮影したものは車の造形もデフォルメされているので、見た目よりもダイナミックに描写されています。
Best Shot!
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広角端(焦点距離18mm)で近付いて撮影
■絞り優先AE(F5.6)/ISO800/WBオート/ピクチャーコントロール:ビビッド
遠近感が強調されて車の存在感がぐっと上がりました。車のボディが丸くデフォルメされたのでなんだか愛らしいイメージに! |
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広角端(焦点距離18mm)でその場から撮影
■絞り優先AE(F5.6)/ISO800/WBオート/ピクチャーコントロール:ビビッド
ズームレンズの一番広角側で赤い車を主役の被写体として撮影。周りがごちゃごちゃしてしまって、周りの状況を知るにはいいのですが、何を伝えたいのか分からない散漫な写真になってしまいました。 |
望遠端(焦点距離55mm)でその場から撮影
■絞り優先AE(F5.6)/ISO800/WBオート/ピクチャーコントロール:ビビッド
そのままズームを繰り出して望遠側で撮ってみましたが、背景に物が多いせいでやっぱりごちゃごちゃした感じは拭えないままです。 |
ちなみに真正面から撮ってみると…!?
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広角側で撮影
■絞り優先AE(F5.6)/ISO800/WBオート/ピクチャーコントロール:ビビッド
真正面から撮ると遠近感と車のパースが変わったことが分かりやすいですね。まるでカエルの顔みたい(笑)! |
望遠端で撮影
■絞り優先AE(F5.6)/ISO800/WBオート/ピクチャーコントロール:ビビッド
広角では伸びていた車の鼻が短くなり、背景が車に近寄ったように感じます。これが圧縮効果です。 |
このように、標準ズームレンズ1本だけでもその特性を活かして色々な写真を撮ることができるので、撮りたい被写体を見つけたらズームで捉えるだけでなく、自分の足を使って近寄って撮ってみましょう。今までとは違う‘自分の好きな写真’が誕生するかもしれません!
今回の撮影機材
NIKON D5100
AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR