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[VR技術書紹介]360度画像/動画の一歩進んだ活用方法がわかる。 VRパノラマオーサリングが学べる最新書籍「これからはじめるバーチャルツアー Panotour Pro 2 & krpano完全入門」
2017年8月8日 10:15
Google ストリートビューに代表される360度のパノラマ画像や動画は、VRの普及もあり近年すっかり一般的になりました。コンテンツが数多く公開されているだけでなく、手頃な360度カメラの普及もあり、撮影自体も誰でも手軽にできるものになりました。
一方で、「撮影した写真や動画をどう活用するか、どうやって観てもらうか」という部分に関しては、実はそれほど進展がないように思います。
多くの場合、撮影したパノラマ画像や動画は、専用のWebサービスやYouTubeなどにアップロードすることで誰でも閲覧できるようになります。ただ、そうしたサービスはあくまで「素材を閲覧できるようにする」だけです。Google ストリートビューのようなバーチャルツアーにして公開したい、自分のWebサイトでショッピング機能を組み込んだバーチャルショッピングを実現したい、など一歩進んだ要望にはなかなか応えられません。
そうした要望を叶えるのが「VRパノラマオーサリング」です。オーサリングとは、平たく言えば、ひとつひとつの素材を集め、編集し、取りまとめて最終的に一つのコンテンツにパッケージングすること。パノラマオーサリング用のソフトウェアを用いることで、パノラマ画像/動画をHTML5やWindows/macOS用の実行ファイルとして出力するなど、用途に合わせた形態へオーサリングすることが可能になります。
そんなオーサリングソフトの代表格が「krpano」と「Panotour Pro 2」です。とはいえ、ともに英語のソフトであり、krpanoのほうはそもそもGUIが存在しないこともあり、習得コストは高めです。
「これからはじめるバーチャルツアー Panotour Pro 2 & krpano完全入門」は、この両ソフトを解説する国内唯一の入門書となっています。
「krpano」はCUI(=GUIが存在しない)ソフトウェアになっており、処理内容を記述したXMLを読み込むことで処理を実行します。なかなか敷居が高そうですが、本書では基本的な使用方法から、XMLのカスタマイズ方法や文法、公式サイトのドキュメントの読みこなし方まで、手取り足取り解説されています。
また、「Panotour Pro 2」はkrpanoにGUIを付加したソフトウェアとなっていますが、UIは独特で、本書の中でも著者自身が「わけがわからない」とまで言うほど。しかし、本書を読むことで一通りの使い方はマスターできるようになっています。
本書は、VRパノラマを自由自在に活用したい、というユーザーにとっての第1歩としては申し分ない内容でしょう。また、初版限定ではありますが、「Panotour Pro 2」と「krpano」の10%割引クーポンも付属しています。Panotour Pro 2は日本円で50,000円ちょっとの値段なので、割引額だけで本書の元がほぼ取れてしまう計算になります(Panotour Pro 2にはkrpanoのライセンスが含まれているので、重複して購入しないように注意です)。
以下は、本書でも紹介されている、実際に作成できるコンテンツの一例です(画像をクリックするとリンク先のサイトに飛びます)。360度画像/動画でこんなコンテンツを作りたかったんだ!という方は、ぜひ本書を手に取ってみてはいかがでしょうか。