電力自由化特集
リオ五輪をリアルタイムで見ると、翌月の電気代がヤバい!
家電チャンピオンに節電のコツを聞いてみた
2016年8月5日 13:59
日本時間で明日の朝に開会式を迎えるリオデジャネイロ五輪。日本の地面を掘って、地球の裏側に行けば、ブラジルはリオデジャネイロに到着すると言われているほど正反対にある。なので、時差も大きく12時間。つまり昼夜真逆というわけだ。
開会式は日本時間で6:00~11:00となっているので、現地時間にすると8月5日(1日前)の18:00~23:00となる。日本は8月6日の土曜日なのでリアルタイムで見ることができるが、実際の競技に関しては、現地時間で9:00~21:00まで。つまり日本時間に直すと21:00~9:00になる。
多くの競技は昼から始まって、盛り上がりを見せるのが夕方ごろ。だから、日本でライブ映像を見るとなると、夜中の0時から夜明け前が見どころというわけだ。
ふだんは誰もが寝ている時間が不夜城となる開催期間。電気をうまく使わないと来月の電気代の請求がとんでもないことになるかもしれない……。
しかし、そうならないためのアドバイスをしてくれる方が東京電力エナジーパートナー(※1)にいるという。その人の名は、中村 剛さん! なんと、あの伝説の番組「TVチャンピオン」のスーパー家電通選手権で、家電量販店の販売員さんを凌ぎ、家電王となったその人だ。ということで、体当たり家電ライターの筆者は、さっそくタックルしてきた! ぬおおおぉぉぉーーーっ!
(※1)東京電力エナジーパートナー:電力小売り全面自由化をうけて分社化した東京電力グループの「小売り電気事業」を担う会社
リオ五輪観戦でのオススメ4カ条
中村チャンピオンの家電に対する愛はハンパない! 掃除機は最新のカメラ搭載ルンバ980、扇風機はバルミューダ。トースターに至っては、バルミューダのトースターをブームになる1年以上も前にゲットするというマニアっぷり(笑)。
しかも、職業は「商品開発室高度化技術グループマネージャー」という肩書きを持ち、「いかにエネルギーを上手に、無駄なく使うか?」という視点から、電機メーカーとの省エネルギー推奨企画など、さまざまな取り組みを行っている。まさに仕事も趣味も家電にどっぷりと浸かっているのだ。
そんな家電チャンピオンが教えてくれたのは、夜中のリオ五輪観戦でのオススメ4カ条だ。
オススメ4カ条
その1:熱帯夜はエアコンを切らない
ひと眠りしてから真夜中に観戦しようという場合は、エアコンのスイッチを切らないほうが省エネになるという。とくに熱帯夜の場合だ。なぜなら、仮眠の際にエアコンを切ってしまうと、部屋の温度がどんどん上がってしまい、“いざ観戦!”となったときは、部屋の温度が最高温度に。起きてからエアコンのスイッチを入れると、エアコンは最大パワーで部屋を急速に冷やそうとするため、電気を食ってしまうという。
仮眠程度ならエアコンの設定温度を高くするなどして、ゆるく運転しておき、起きたら設定を元に戻すほうが電気を食わないからだ。リオ五輪の開催期間は1カ月、しかも熱帯夜の続く8月だ。いつもとは違う電気の使い方(生活パターン)になるので、エアコン代も気になる!
その2:扇風機は必ず併用
エアコンと扇風機と併用すれば、室温を2度上げても体感温度は変わらなくなると言われている。直射日光のない夜なら、なお節電効果が高くなるという。
また、涼しい夜ならエアコンは使わずに、扇風機と冷たい飲み物で観戦するのも風流だ。昭和のようなスタイルで涼みながら、心は熱くして応援するという楽しみ方を提案してくれた!
その3:冷蔵庫にはあらかじめ観戦セットを用意
CMや競技の間に何度も冷蔵庫を開けると、これまた電気代の増加につながる。いつもは家族全員が寝ていて、ほとんどアイドル状態の冷蔵庫が通常月の電気代。夜中も24時間稼動の冷蔵庫の電気代も要注意だという。
冷蔵庫の開け閉めが最低限で済むように、観戦セットを事前に冷蔵庫に用意しておくといいだろう。
その4:スマート契約は同時使用に要注意
アンペアブレーカー契約でなく、同時に使った電力使用量のピーク(実測値)から基本料金が決まるスマート契約。電力使用量のピークをうまく分散すれば、基本料を安く抑えられる東京電力エナジーパートナーの目玉プランだ。実際、電力自由化でプレミアムプランなどのスマート契約に変更したという人もいるだろう。
しかし、リオ五輪には落とし穴が! 観戦したい競技まで家族みんなで仮眠して、観戦直前にいろいろな家電の電源を入れて準備をするとなれば、ピークが集中して基本料金が上がってしまうこともある。
観戦に備えて電気湯沸かし器でお茶を用意したり、やむを得ず寝る前に切ってしまったエアコンの電源を入れたり、おつまみをオーブントースターで焼いたりといった場合は、タイマーなどを上手に使ってピークを分散させるといい。中村チャンピオンからのアドバイスだ。あとは、せっかく起きているのだからと、洗濯機を回したくなる人もいるかもしれないが、余計なことはせずリオ五輪に集中するといいだろう。
開催目前の今! “中村流省エネ”オススメのテクニック!
リオ五輪観戦でのオススメ4カ条のボディブローを繰り出してきた中村チャンピオン。次に繰り出したのは、軽めのジャブだが、後々にわたって省エネに効いてくる中村流の奥義だった。
・エアコンや冷蔵庫のお掃除
最近のエアコンは自動掃除機能が付いているものも多いが、ホコリを外に排出するものと、エアコン内部にためるタイプがある。なので、内部にためるタイプの場合は、マニュアルを読み返してゴミ捨てをしてキレイにメンテナンスしておきたい。
お掃除機能が付いていないエアコンなら、洗浄スプレーやお掃除サービスを頼んでもいい。アルミ板が何百枚も重なる、ミルフィーユのような熱交換器に軽く掃除機をかけるだけでも効果的だ。
・スマホでバーコードを読み取るだけ! 家電の棚卸しをすべし
家にある家電の消費電力や耐用年数、リコールが出ていないかの確認ができるのが、中村チャンピオン自らが旗振り役となって開発した「くらしTEPCO(※2)」の「家電アシスト」。誰でも無料で会員登録でき、スマホで家電のバーコード(外箱やレシートに記載)を読み込めば、サイズや重さ、消費電力などの、それぞれの家電のプロフィールを登録できる。耐用年数の切れた家電や、リコールが出ている家電などもチェックしてくれるので、古い扇風機などを使ってる場合に便利だ。
(※2)くらしTEPCO:東京電力エナジーパートナーが提供する家庭のお客向け無料のWebサービス
実際に、製品:コイズミセラミックヒーター(電気温風機)・機種(品番):KCH-1233・JANPOS:4981747042309を登録したところ、なんとリコールチェックの対象製品だった。無料で製品交換をしてくれるとのこと。さっそく連絡しないと……。
「家電アシスト」は、PCからも利用できバーコードを入力してもいいし、メーカーと型番などを入力してもいい。
またマニュアルを紛失してしまった場合など、家電アシストからメーカーのマニュアルデータベースにアクセスできるので、PDFの電子マニュアルをダウンロードすることも可能だ。
さらに便利なのは、冷蔵庫や洗濯機といった大型家電の買い替え。店舗からスマホで「家電アシスト」にアクセスすれば、サイズなどをスグに確認できるので、買い換えたけど設置できなかった! なんて悲惨なうっかりを予防できる。
「家電アシスト」をはじめとしたコンテンツがまとまっている「くらしTEPCO」は、中村チャンピオンのノウハウがたくさん詰まっているので、ぜひ参考にするといいだろう。
・目からうろこ! ガラリの掃除で電気代が安くなる!?
昔ながらの日本家屋にはないが、最近の高気密住宅なら必ずあるガラリ。「なにそれ?」という人も多いと思うが、部屋の隅の足元に外につながる換気口を見たことはないだろうか? おそらく家具の陰になってしまい、何年、年十年も掃除していないという人が大半だろう。
しかし、このガラリ、ここから外気を取り入れて部屋の中の空気を換気するための重要な部品。だからチョット家具を避けて、たまったホコリや汚れを洗ってほしい。
部屋の空気がキレイになるだけでなく、空気がうまく流れるようになるのでエアコンの節電や快適性もアップするというのだ。さすがマニアックな中村チャンピオンの着眼点!
・楽しむ節電! 使った電気の見える化「くらしTEPCO」
「くらしTEPCO」では、毎月届く請求書には数値しか書かれていない、電気使用量や電気代の対前年同月比較をグラフで確認することができる。また、家族構成や地域が似ているほかの家族と電気使用量・電気料金を比較することもできる。
電力小売り全面自由化以前の料金メニューを契約している人は、「でんき家計簿」でのサービス提供となる。「でんき家計簿」はスマホのアプリにもなっており、毎月の請求書のWeb版をいつでも確認できる。これを活用すれば、節電をゲーム感覚で楽しむツールになるだろう。
中村チャンピオンと筆者のトンチを融合した「楽しいオリンピック節電」
最後にオススメしたいのは、最もアナログな節電術! それはクーラーボックスだ。テレビ観戦で欠かせない、ビールやチューハイやジュース。そして、枝豆をクーラーボックスに入れておく。枝豆も冷凍ものを使えば保冷剤代わりに使える上、いい感じに冷たい枝豆が食べられるので一石二鳥というわけだ。
さらに飲み物は保冷カップや保冷缶ホルダーを使うといい。
テレビの近くにクーラーボックスを置いておけば、冷蔵庫を開け閉めする必要がないばかりか、冷蔵庫に立つ必要さえない! さらに、クーラーボックス自体がショットバーの小さいテーブルのように使えるので、とってもオシャレ! これが2人で出した結論だ。しかも、冷蔵庫に飲み物を取りに行った隙に決定的瞬間を見逃すこともないだろう。
とはいえ、節電は、家族の理解と健康があって初めてできるもの。無理をしない節電が一番であることを強調したい。そして、最後にチャンピオンが繰り出した最終奥義は!
「ショッピングモールなど、エアコンが効いてて、試合を放送しているテレビのある場所に、家族で出かけること」
ちょ!チャンピオンお茶目すぎるでしょ!(笑)
ん? でも待てよ、電気代以上に家族に、アレ買ってコレ買ってってせがまれませんか!?
(協力:東京電力エナジーパートナー)