これが日本のものづくり、おそるべき国産PCの実体なのカッ!?

スタパ齋藤、天板プリントが超キレイなので取材に行ったら富士通の工場がスゴすぎた件

2017/06/26 | スタパ齋藤

ノートPCを物色していたら、なぜかこんなところに!?

オリジナリティが超絶高いパソコンを最短2日で購入可能!

そろそろ新しいノートPC欲しいなぁ~と思ってアレコレ物色中。そんななか見つけたのが、富士通の「 カスタムメイドプラス 」というサービスです。

コレ、富士通パソコン通販サイトこと「富士通 WEB MART」で行われているサービス。「富士通 WEB MART」はパソコンのCTO購入ができるサイトで、つまり自分好みのパーツ構成のパソコンを注文できるわけです。ここで注文したパソコンの天板部分に、好きな画像やメッセージを印刷できるのが、この「 カスタムメイドプラス 」サービス。自分で画像などを用意せず、「富士通 WEB MART」独自のオリジナルデザインから選んでの印刷も可能です。
※著作権などの知的財産権の侵害はユーザー側の責任になります。富士通が不適切と判断した場合は、注文をキャンセルする場合があります。

このように、好きな画像を天板にプリントできる

お気に入りの写真、オリジナルイラスト、あるいは文字などをノートパソコンの液晶画面裏側すなわち天板に印刷してくれるらしい! むむむ! これはオモシロそう♪ ていうか確実に「世界で1台だけのオリジナルパソコン」を手に入れられるッ!!

というわけで、早速試してみました♪ 手順はヒッジョーにカンタンで、「富士通 WEB MART」で購入するパソコンを選びつつ、「カスタムメイドプラス」サービスも選択。これらをカートに入れて「見積作成&購入手続き」を進めて行くと、その途中でプリントする画像をアップロード(もしくは印刷する文字を入力)するステップがあります。そのステップでは画像などの大きさや位置を調節しつつ、プリント後のイメージを確認することができます。何度でもやり直せますので、気に入ったイメージになるまでトライ!

カスタムメイドプラス
天板プリント 対応モデル

A4ホームノート(15.6型)
LIFEBOOK WA3/B1、WA2/B2

CPUはノート向けとしては最高クラスの性能を誇るクアッドコア「第7世代 インテル® Core™ i7-7700HQ プロセッサー」を搭載。メモリは標準8GB/最大16GB、ストレージは標準で約500GB HDDだが最大で約512GBのSSDを搭載可能など、ハイスペックにカスタマイズ可能な15.6型大画面ノートPC。ディスプレイもタッチ対応/非対応を選択することができる。

液晶ディスプレイ
15.6型ワイド LEDバックライト付 広視野角 TFTカラーLCD(スーパーファイン液晶)1920×1080ドット (タッチ対応または非対応を選択可能)
CPU
インテル® Core™ i7-7700HQ プロセッサー(4コア/8スレッド/2.80~3.80GHz)
メモリ
8GB/16GB(選択可能)
ストレージ
約512GB SSD/約256GB SSD/約1TB HDD/約500GB HDD(選択可能)

その他の対応モデル

A4ホームノート(15.6型)
LIFEBOOK WA1/B2

A4ホームノート(15.6型)
LIFEBOOK WA1/A3

モバイルノート(13.3型)
LIFEBOOK WS1/B1

モバイルノート(13.3型)
LIFEBOOK WU2/B1

カスタムメイドプラス詳細はこちら

まずは富士通の直販サイト「富士通 WEB MART」へGO!

製品を選びます。対応するのは「カスタムメイドモデル」のWA3/B1、WA2/B2、WA1/B2、WA1/A3、WS1/B1、WU2/B1の計6機種となります。

構成選択画面に「カスタムメイドプラス」という項目があるので、希望のオプションを選択後、カートに入れます

構成の確認画面から天板印刷の詳細設定画面へ飛ぶことができます

画像をアップロードしたあとは画像の拡大、縮小、位置調整ができます

ちなみに、WEB MARTで注文したカスタムメイドモデルのパソコンは、「特急便」サービスを使えば最短で2日で手元に届きますが、印刷サービス利用時は特急便の対象外で、最短で7日〜10日間程度での発送になるようです。

……ていうか、さらっと流しましたが、スペックをフルにカスタマイズしたパソコンが最短2日で入手可能って、速っ!「富士通 WEB MART」ってシレッと業界最速級の速攻お届けを実現しちゃってますネ♪

想像以上のクオリティ! コレは楽しいわ~♪

さてさて、「カスタムメイドプラス」サービスを使った結果、出来上がった天板がコレです。完成品を見て思わず「おお~っ、クオリティ高っ!」とか言っちゃいました♪ 発色もイイし印刷の表面もバッチリ高品位。とても満足感のあるオリジナルプリントといった印象です。

実際に完成したオリジナル画像の天板

猫の毛並みもバッチリ再現な印刷品質。FMVのおなじみインフィニティーマークの上にまで印刷できてしまう

プリント行程も念入りなもので、天板に対して印刷を安定的に固定するためのプライマー(下塗り)が施され、その上に正しい発色を得るための下地色が塗装され、さらにその上に画像や文字などをカラーで印刷しているとのこと。複数の層の塗装が施されているわけですが、各層は塗装直後に特殊な方法で硬化させているので、色の滲みやズレなどもまず起きないそうです。

とは言っても、最終的には専門の技術者が微妙な調節を行いながらの塗装作業となるとのこと。発色は正しいか? 印刷位置はどうか? 表面にゴミなどが付着していないか? 色のカスレなどの不都合が起きていないか? プリント毎に厳密なチェックが行われています。

いや~、それにしてもプリントの実物見せたいわ~、ホント綺麗なんスよこのオリジナル天板! 仕上がりを見ると夢広がりますよ~。ええ、マジで!

この「カスタムメイドプラス」サービスは、前述のとおり天板に画像もしくは文字をプリントしてくれるサービスです。画像がプリントOKってコトは、つまり写真でもイラストでも図柄でもOK。もちろんフルカラー印刷。気に入った写真をプリントしてもいいですし、複雑な平面アートワークを印刷するのもアリです! 単色の画像を使って「独特の色のノートPC」としてみたり、カラフルなグラデーションの画像にして「目を惹くカラーの天板」にするのも楽しそうです♪

また、プリントは天板全体への印刷も、部分的な印刷もできます。天板全体にドーンと風景写真をプリントするようなことも、天板の端にワンポイントのイラストを入れるようなことも可能。さらに、背景を透過させたPNG画像を使えば、天板の色を活かしつつの画像プリントも可能です。

ちなみに、富士通製ノートPCの天板にプリントするので、天板中央にはおなじみの富士通マーク(インフィニティ)があります。普通に印刷するとこのマークは印刷の下に隠れてしまいますが、部分印刷や透過画像を使えば、マークを残すことも可能。マークと画像がうまく連携したようなユニークなデザインの天板にすることもできるでしょう。

ちなみに、背景が透過したPNG画像をアップロードすれば、透過部分には何も印刷されない。このようにワンポイントで部分印刷するのもオシャレ

この「カスタムメイドプラス」サービスにかかる料金は、指定画像での全面印刷で+10,800円、指定画像での部分印刷で8,640円。プリント工程を知ると「だったら安いっすわ~」と思える料金です。

ちなみに、7月19日まで、プリントが半額になるキャンペーンを実施中。つまり全面印刷が5,400円、部分印刷なら4,320円となる計算ですな。ますます安いっすわ〜と思えます。

余談ですが、富士通では企業向けに「天板に文字などがプリントされたPC」を出荷しているそうです。それゆえ、この「カスタムメイドプラス」サービスを開始するノウハウがあったり、プリントにかかるコストを抑えることができているそうです。

というわけで、「カスタムメイドプラス」サービスでオリジナルな天板をつくってみて思うのは、「やっぱり! 結局! どうせ買うならオリジナル天板のPCにしたい!」というコト。とても楽しいし、愛着もわきますし♪ プレゼントにするのもイイかもしれません。

天板プリント見学に行ったが――取材、ダメ。ゼッタイ……!?

ヒッジョーに楽しい&高品位な仕上がりの「カスタムメイドプラス」サービスですが、ハテ? ちょっと疑問が。

美しいハイクオリティプリントが得られるのはイイんですけど、たとえば顔写真とかも印刷できるわけですし、文字なら社名とか名前とかも印刷できます。そういうのって、個人情報です。富士通のCTOパソコンって、た~ぶ~ん~、いわゆる「ライン」を流れながら組み立てられていく製品。その途中で作業している方々に、顔写真とか社名とか名前とかいった個人情報を見られちゃったりしないんでしょうか?

などと頭上に「?」マークを浮かべていたら、運良く富士通のPC生産工場を訪れるチャンスが! じゃあ、ツイデに「カスタムメイドプラス」サービスでプリントが行われる現場も取材しちゃえ! 印刷現場を見せてもらおう! 個人情報絡みの質問もしよう! というわけで「株式会社 島根富士通」の工場へゴー!

やってきました島根県出雲市!の「株式会社 島根富士通」。富士通のPCやタブレットを国内生産する工場があります

工場に到着後、早々に「あの~例の天板プリントサービス現場を見せて欲しいんですけど~」とお願いした、その瞬間! 「ダメです絶対」とのことでした。え~っ、なんで~?

天板印刷の設備は工場の一室、パスコードと手のひら静脈認証によって厳重に守られた中に存在

その理由は「天板にプリントされるものはお客様の個人情報に関わるので、プリント現場には限られた関係者以外は立ち入り禁止」だそうです。その印刷現場の扉は厳重に施錠され、カードキーや生体認証などの複数の手順を踏まないとロックが解除できない状態。扉の外には監視カメラまで! ナニこのセキュリティ! キビシイ~! ちなみに、このプリント現場、ホントにごくごく一部の技術者などしか入ることができず、ナンと社長ですら立ち入り禁止になっているとのこと。

なるほど。これなら顔写真とか社名とか名前とかそういう個人情報が、不意に誰かに見られちゃうとか、外に漏れちゃうというようなコトはありません。納得。

というわけで印刷の現場は取材NGっ! ので、差し支えない範囲で写真を提供していただきました

これが天板印刷に用いる業務用UVプリンター

ちょうど印刷を終えたところ。ノートPCの天板は真っ平らというわけではないため、プリンターへのセットも非常に難しく、ノウハウが必要になるとのことだ

天板プリントの実作業を担当している島根富士通の岡武志さん。ノートPCの天板にきれいにプリントするのは実は非常に難しく、かなりの試行錯誤を重ねたとのことだ

ただ、このセキュリティは、「カスタムメイドプラス」サービスを行うためにつくられたというわけではないようです。こういった厳重なセキュリティがもともと整っていたから、「カスタムメイドプラス」サービスを「始めることができた」ということのようです。

どういうコト?

じつは、富士通は以前から法人向けに「カスタムメイドプラス」という「カスタマイズPC納入サービス」を提供していました。様々な提供形態があるそうですが、たとえば100台規模のPCに、企業の必要に応じたスペックやソフトウェアを組み込んで、設定等まで済ませたうえで納入するそうです。導入直後からすぐ利用できるように、ネットワークの詳細な設定やスーパーユーザー関連のパスワード等の設定も含まれることがあるそうです。そして、この「カスタマイズPC納入サービス」に関わる情報は、当然、絶対に流出などしてはならないものです。流出なんかしちゃった日には、富士通という企業の存続にも関わっちゃいます。

今回の天板印刷を企画した富士通クライアントコンピューティング株式会社の小谷聡洋さん。印刷する写真などは個人情報にあたるため、そのあたりは非常に気を使っているとのこと。「カスタムメイドプラス」サービスの次なる展開も鋭意模索中とのことで、期待大!

で、前述の「カスタムメイドプラス」サービスの印刷現場、行ってみたけど立ち入り禁止だった場所は、上記法人向けサービスの作業現場と同等のハイセキュリティ・エリアだそうです。なので限られた関係者以外は絶対立ち入り禁止。そういうエリアを確保できるノウハウがあるからこそ、個人情報を扱う「カスタムメイドプラス」サービスの印刷作業も安全に行うことができるというわけです。

な~るほどね~! 言われてみれば納得。コンピュータのトップ企業のコンプライアンス。当然、絶対、立ち入り禁止なんでした。

「実際にプリントされたものを見ると、非常にキレイで、とてもいい感じです」と自信を見せるのは、島根富士通の湯淺修司さん。高品質な天板プリントの可能性に期待を寄せる

出雲でつくられる日本のコンピュータ

プリント現場は取材NGだったものの、富士通製パソコンの生産現場は見せてもらえることに♪ ここ島根富士通の工場は、国内のノートPC生産拠点としては最大級の規模であると同時に、「生産拠点としての成功モデル」として国内外から熱い視線を浴びているそう。「かなりハイテクで、見るとテンション上がりますよ~」ってインプレスのなかの人が鼻息荒く語ってました。ぬぬぬ、なかなかオモシロそう♪

工場は「出雲大社」からクルマで30分くらいの距離にあり、何となく神々しい雰囲気なのかナ~? とか思っていましたが、そういうわけでもなく、広大な敷地にある巨大な建物でした。

でっ、すっ、がっ、工場内に入るとすぐにハンダが溶けるニオイが! おおおお~つくっているっぽい! この場所でコンピュータが製造されているのダ! と実感すると、なんかこう、神殿のなかに入ったような気分になったコンピュータ野郎のワタクシでした。

島根富士通の工場内部へ!

工場を案内してくださった島根富士通の吾郷純さん。島根富士通の工場は国内外から多くの見学や取材が訪れるとのことで、こうした案内も手慣れたもの。加えて工場各所には見学者向けの案内板や解説が至る所に設けられており、非常にオープンな雰囲気

さておき、この工場内で行われているのは、まさにノートPCやタブレット端末の製造です。島根富士通は基板から生産しており、ホントにバッラバラの部品から、完成品一式が箱に詰まって出荷される状態まで、この工場でつくられています。ちなみに、生産能力は、8時間で約1万台くらい。実際にその数が生産されることもあるそうです。

サッカー場ほどあろうかという広さの工場内ですが、見てみると、な~んか人がとても少ないという印象。多くの工程がロボットにより自動化されており、人はごく限られた場所で「熟達した人間でないとできない工程」に携わっているようです。

かなり広大な印象の工場内だが、生産設備まわりは人影がまばら

逆にロボットでないとできない工程も多々あり、たとえば鼻息でホントに飛んじゃうような微細部品を基板の上に超高速で並べたり、凄い精度で基板に刻印したり、あるいは高速・不休で基板を切り出したり整理してトレイに入れたり。そういう自動化が多くのセクションで見られました。

コネクター類など細かい部品を基板上に実装する汎用マウンターという機械

基板上にレーザー印字を行う機械

そんなロボットと、達人っぽい動作をする人が協調して働く工場内ですが、目立つのはロボット。ロボットによる自動化が徹底されていて、また、ロボットの動きがスゴいです。

たとえばPCのメイン基板の動作テスト。1台1台のPCについて、CPUやメモリなどの動作をテストするわけですが、基板のセットからテスト終了確認まで全部ロボットがやっちゃいます。動作検証のためにPC用DRAMを挿したり抜いたりするのもロボット。少し斜め上からDRAMを挿しつつ、下げながら力を加えてパチンと嵌め込んで、抜くときはロック金具をズラしつつ、逆の手順で……みたいな「あんなの人間がやってもなかなかタイヘンな繊細な作業」を、ロボット・アームが素早く正確にこなしていました!

DRAMをロボットが抜き差ししている?!

ほかにも、基板から基板を切り出して、より分けて、トレイに並べて……といった作業。説明されないと「ナニをしているのかわからない」ようなトリッキーな動きですが、説明を受けると「な~るほど。だからあのタイミングで裏返すのか~」みたいな感じで納得。

島根富士通は基盤の生産も可能。この機械は大きな基盤から複数の小さな基盤を切り出すもの

実際に切り出された基盤

扱っているものが細かなパーツの多いノートPCやタブレットだけに、多くのロボットはその動きも繊細です。その細やかな一連の動作は「ロボット登場のSF映画」を古くさいものに感じさせるほど。「現在の産業を支えている洗練されたロボットたち」は、最新SF映画のそれよりずっと先をいっているように思えます。

取材のなかで驚かされたのは、ラインに流れている「同じように見える製品」は「どれも別々のCTO製品」だというコト。全部別モノ。ノートPCなら、CPUやメモリなどパーツの組合せが異なり、さらにインストールされるソフトウェアも異なります。これを同じラインでつくってしまう。ちなみに、ひとつのラインで1分に1台程度のノートPCがつくられます。しかも構成の違ったノートPC。どうやってんの? と思っちゃいます。

イロイロなノウハウと技術でそういう効率を実現しているそうで、「なるべくマシンを止めないこと」「部品のピッキングミスの徹底防止」「間違えないしくみの数々」などなど、数え切れないほどの工夫がなされていました。工場内で自作した独自の装置も多々。人とロボットの協調生産の実際も多々見られました。

この場所では、製品組み立ての前段階となる「ピッキング」と呼ばれる工程を行う。CTOのカスタマイズ内容に従って、製品に用いる部品を人間が集めて(ピッキングして)いくのだ

ピッキングにはこの小型端末を活用

タブレット端末にピッキング内容と数量が表示されるので、指示に従って部材を取り出す

指示通りのものを取り出すと、タブレット端末に次の指示が表示される。ちなみに万が一取り出す部材を間違えても、RFIDで連携した小型端末に振動で通知が来て、間違いを教えてくれるのだ

こちらはいよいよ組立ライン。組み立ては大部分が人の手によって行われるということで、この一角は人がたくさんいる

組立ラインを次々と流れてくる部材。ちなみに、ここで作られる1台1台のPCのほとんどはカスタムメイドモデル。なので、筐体もメモリもストレージもCPUもみんな違う。カスタム内容にあわせて1台1台組み立てていくのだ

スリムノートも大型ノートもタブレットもごちゃ混ぜでラインを流れてくる。圧巻!

ネジ締めひとつとってもヒューマンエラーを減らす工夫が満載。たとえば、カウンターに残りネジ本数を表示することによって、ネジの閉め忘れをなくしている

こちらは自動ネジ締め機。1台ごとにネジの種類を選び、正確な順番、最適な力加減でネジ締めできるという。機械でできることはなるべく機械でやる。というのが合い言葉。ちなみに、超軽量な13.3型ノートPC「LIFEBOOK UH」はキーボードの取り付けに百数十本ものネジを使用しているが、それらも全て機械で取り付けられるとのこと

この巨大な黒い箱はVST(Visual Sound Tester)と呼ばれ、内部に設置されたカメラとマイクでディスプレイ画質やスピーカー音を検証したり、ラベルやキーボード配列の正誤を自動判別できる。島根富士通では日本だけでなくヨーロッパ諸国など幅広い地域向けのPCを生産しているため、キーボード配列の正誤を自動で確認できるのは重要だ

キーボードが正しく動作するかを確認する自動キーボード打鍵機

大量の組立済みPCがケーブルに繋がれ鎮座するここは、ずばりOSインストール場。最近はOSのサイズも大きくなっていてインストールに要する時間も増えているということで、PCが組み上がる速度よりもここでインストールされている時間のほうが長くなっているんだとか

梱包工程

梱包時に添付品の間違いを減らす仕組みも

梱包時の内部に入れる段ボール。これも、段ボール業者に切り抜きだけお願いして、実際に使用する際に工場内で機械で組み立てているとのこと

……でも、こういうアレコレを、見せちゃって大丈夫なんですか? せっかく積み重ねてきたノウハウが、こういう記事になっちゃうと多かれ少なかれ外に漏洩しちゃわないんですかね、と。

問題ナイんだそうです。たとえばロボット・アームやラインで使われている治具や工具やセンサーなどは「業務用の売り物」で、それを島根富士通の工場内で加工し、チューンし、カスタマイズして生産現場で使っているそうです。この工場内では、すご~い効率でコンピュータを生産する様子が見られますが、その装置や動作や連係のひとつひとつは「見た程度ではマネできない」というレベルのもの。また、そういった生産技術やノウハウは既に「売り物」で、要望があれば他社への供給も行っているそうです。なるほどネ、見て真似て同じようなコトをするより、島根富士通の工場から直接買って使ったほうがずっと安上がりってわけですネ。

そういうのって、もはや「技」ですよね。「真似すればもしかしたらできるかもしれないけど、時間はかかるし、やってみてもできないかもしれない。あの職人に頼めば1時間で、しかも間違いなく熟練の技でやってくれるから、頼むことにしよう」、みたいに、物凄く大きな価値がある力だと思います。

ラインの横に掲げられていた「コンマ1秒へのこだわり」という文字が印象的です。屈指の生産効率を誇る島根富士通の工場ですが、まだまだ前のめりで効率を突き詰めています。

そうして日々磨かれる「技」と、そこから生まれる「価値」。そんな現場を目の当たりにしたら、同じ日本人としてとても誇らしい気持ちになりつつ、すっかり富士通ファンになり次買うならゼッタイ富士通のパソコンだぜ! となりました。あっ、買うときは「カスタムメイドプラス」サービスを追加して天板プリントしたいと思いま~す♪

超スゴすぎの島根富士通の工場と、そこで生み出される高品質なPCに脱帽ですッ!

LIFEBOOK SHシリーズ

LIFEBOOK UHシリーズ