FMV「ESPRIMO FH77/XD」でシン・ゴジラっぽい動画を作ってみたい!
みなさんはもう、話題の映画「シン・ゴジラ」をご覧になっただろうか。まさかアレがああなって、最後はああなるとは誰も予想しなかっただろうけれど、そんなネタバレはさておき、その劇中でひときわ輝いていたPC……いや、ひいき目過ぎるのでもうちょっと普通に言うと、劇中で登場したPCのうち一部で、富士通のFMVが使われていたことにもみなさん当然のごとく気付いたはずだ。そうに違いない。
記録的観客動員数を記録しているあのシン・ゴジラに富士通のPCが登場していたなんて、筆者はちっとも知らなかった。ごめんなさい。しかしその話を伺って映画館で確認してみたら、たしかにわりと重要な人物が、重要な局面でFMVのノートブックを普通に使っていたので、ちょっとうれしい気分になった。
というわけで、映画で使われていたFMV、せっかくだから同じものをお借りして、全くの動画素人ながらもシン・ゴジラ的なシーンを再現……と言うとおこがましいが、なんとなく動画を撮影・編集してみたくなった。
さすがにノートPCで動画編集するのは、不可能ではないにしても力不足を感じる可能性が高いので、シン・ゴジラ感を出すための撮影用の小道具としてノートPCを使い、動画編集はデスクトップPCであるFMV「ESPRIMO FH77/XD」を使うことにした。FMVでの動画編集、果たしてどれくらい快適にできるのだろうか。
エンタメにも、業務にも使えるハイパフォーマンスPC
まずは簡単に、動画編集に用いたFMV「ESPRIMO FH77/XD」と、映画に登場したノートPCを紹介しよう。
FH77/XDは、従来からのスリムな一体型スタイルを引き継ぐデスクトップPC「ESPRIMO」シリーズのハイパフォーマンスモデル。フルHD解像度の23インチディスプレイとPC本体が一体化された、奥行きが少なく設置性の高い薄型ボディで、地上・BS・110度CSデジタル放送チューナー2個とパイオニア製ハイレゾ対応スピーカー、BDXL対応のBlu-rayディスクドライブを内蔵している。
FMV「ESPRIMO FH77/XD」
品名 | ESPRIMO FH77/XD |
---|---|
CPU | インテル® Core™ i7-6700T プロセッサー (最大3.60GHz) |
OS | Windows 10 Home 64ビット版 |
ディスプレイ | 23型ワイドフルHD[1920×1080] 高色純度・広視野角 スーパーファインVX液晶 |
メモリ | 8GB/最大16GB |
ストレージ | HDD 約2TB |
光学ドライブ | BDXL™対応 Blu-ray Discドライブ(スーパーマルチドライブ機能対応) |
ネットワーク | LAN(1000BASE-T対応)、ワイヤレスLAN(IEEE 802.11a/b/g/n/ac準拠)、Bluetooth ワイヤレステクノロジー Ver.4.1準拠 |
テレビ | 地上・BS・110度CSデジタル(ハイビジョン/視聴専用)+地上・BS・110度CSデジタル(ハイビジョン/録画・リモート視聴専用/AVCREC対応) |
拡張I/F | ダイレクト・メモリースロット(SDXCカード対応)、USB3.1(Gen1) Type-C×1、USB3.0 Type-A×4、USB2.0 Type-A×1 |
サイズ(W×D×H)突起部含まず | 544×158×418mm(本体最小傾斜時) 544×229×395mm(本体最大傾斜時) |
主な付属品・ソフト | Office Home & Business Premium プラス Office 365 サービス、ワイヤレスマウス、ワイヤレスキーボード、ACアダプタ、miniB-CASカード、リモコン等 |
ボディは薄く、壁に近づけて設置しやすい
パイオニア製のハイレゾ対応スピーカーが本体正面に
チップセットはいわゆるSkylake世代で、CPUはクアッドコアのインテル® Core™ i7-6700T プロセッサーを搭載し、メモリは8GBのDDR4、HDDは2TB。Windows 10 Home 64ビット版とOffice Home and Business Premiumなどがプリインストールされる。ちなみに、録画番組をそのままの画質で他の対応機器に持ち出せるSeeQVault(シーキューボルト)に対応しているのも面白いところだ。
新規格のUSB 3.1ポートが本体側面に用意されていたりもする
富士通の直販サイト「WEB MART」では、WHシリーズのカスタムメイドモデル「ESPRIMO WF1/X」も購入可能。Officeのグレードやテレビチューナーの有無、CPUやHDDなどの各部パーツについてカスタムすることも可能になっていて、エンタメ用途が中心の家庭向けPCとして最適なのはもちろんのこと、機能を絞ってカスタマイズすることで業務用途にも適するモデルと言える。富士通WEB MARTにおけるカスタムメイドモデルの直販価格は16万5024円(税込)からだが、クーポンを利用することでここから大幅な値引きも実施される。
一方、映画に使われていたノートPCは、はっきり確認できるところでは、なんと主人公が使用していたハイスペックなノートPC「AHシリーズ」がある。劇中で使用されたのは旧モデル「LIFEBOOK AH77/U」だが、現在はその後継機にあたる「LIFEBOOK AH77/Y」が販売中で、15.6インチタッチ対応ディスプレイ、クアッドコアCPUのインテル® Core™ i7-6700HQ プロセッサー、標準8GBメモリ、1TB HDDといった充実の装備となっている。
劇中で主人公が使用していたFMV「LIFEBOOK AH77/U」。過去のモデルであり、現在は後継機が発売している
ちなみにこちらが「AH77/U」の後継となる最新世代機「LIFEBOOK AH77/Y」
Office Home and Business Premiumがプリインストールされ、Windows 10 Home 64ビットの他にWindows 10 Pro 64ビット版も選べる、オフィスでのデスクワークに最適な1台で、まさしく巨大不明生物と夜を徹して戦うハードな業務に使いたくなるノートPC……かもしれない。ちなみに今回撮影・編集した動画に登場するノートPCは、これ以外にAH53/XとSH90/Wの2台もある。いずれもカラーはブラックだ。
FMV「LIFEBOOK AH53/X」
FMV「LIFEBOOK SH90/W」
動画変換処理から高速さを実感
さて、いよいよFH77/XDを使った動画編集に取りかかる。撮影には、画質やズームの有無を考慮して一眼レフデジタルカメラを使ったのだけれど、(筆者も含め)動画編集初心者にはこの撮影方法はあまりおすすめできないかもしれない。というのも、記録される動画ファイルを編集ソフトで読み込めない場合があるからだ。
今回の動画編集には、「CyberLink Director Suite 5」というマルチメディア制作ツールがワンパッケージになったものを使用している。このスイート製品に含まれる動画編集ツールの「PowerDirector」や写真編集ソフト「PhotoDirector」などの機能限定版がFH77/XDのカスタマイズモデル(WF1/X Director Suite特別版モデル)にもプリインストールされていて、そのPowerDirectorでも今回の動画の出来上がりとほぼ同じものを作ることができるだろう。
「CyberLink Director Suite 5」に含まれる動画編集ツール「PhotoDirector 15」
しかし、動画編集に用いるツール(特に簡易的な動画編集ツール)によっては、対応する動画のファイル形式が限られていることがある。その場合はいったん別のソフトで動画の変換作業を行わなければならず、余計な手間が増えてしまう。今回、撮影した動画ファイルの数は89個、ファイルサイズは約8.3GB、総撮影記録時間は30分以上、カット数は55ほどあり、これらを変換するのはかなり骨が折れるに違いない。
ところが、フリーソフトの変換ツール「XMedia Recode」を使って、、1920×1080ドット、59.94fpsの動画89個を、試しにMOV形式からAVI形式(コーデックはH.264)に変換してみたところ、わずか1時間と5分で変換が終了してしまった。思っていたより早く、あっさり終わったなあ、という印象だ。さっそくFH77/XDの処理性能の高さを実感した出来事でもあった。
試しに動画変換を実行してみたところ、総撮影時間30分、89個のフルHD/60fps動画ファイルを1時間余りで処理してみせたせた
PowerDirectorの場合は対応ファイル形式が多く変換は必要なかったので、すぐに動画編集を始められる。ざっくりとした動画編集の手順は以下の通りだ。
- 動画をPCに取り込む
- PowerDirectorに動画や静止画を読み込む
- 動画をタイムラインに並べて長さなどを調整する
- テキストやBGM、効果音を挿入する
- 1つの動画ファイルに出力する
最初の動画取り込みは、デジカメのSDカードから行うのが手っ取り早い。FH77/XDは本体正面にSDカードスロットが設けられており、サクッと挿し込んでPCのHDDにコピーできる。このコピー操作に使うのは、もちろんWindows標準のエクスプローラでもいいのだけれど、FH77/XDの場合は写真・動画取り込み用の「F-LINK Neo」が用意されているのがポイント。SDカードを挿入すると即座に起動して、SDカード内の全データを一気にPCに取り込むこともできるし、ファイルを選んで取り込むこともできる。取り込み忘れや、重複取り込みを防げる仕組みになっているので、積極的に使いたい。
ちなみに、F-LINK NeoはSDカード挿入時だけでなく、デジカメとUSB接続する際にも利用できる。デジカメからメモリを取り出すのが面倒だったり、特殊な記録媒体を使っているデジカメの時なんかに便利に使えるだろう。FH77/XDのSDカードスロットのすぐ横にはUSBポートがあり、この場合でも簡単に接続できるようになっているのがうれしいところだ。
FH77/XDの正面に設けられたSDカードスロットとUSBポート
「F-LINK Neo」なら取り込みし忘れたり、重複して取り込んだりすることがない
ついに、できあがった動画、公開!
動画編集というと一般的に「重い」作業と思われがちだが、PowerDirectorとFH77/XDの組み合わせは、かなりサクサク、快適だ。PowerDirector自体、高解像度の動画素材を使っていても高速に処理できる仕組みを取り入れているのも大きいが、クアッドコアCPUのインテル® Core™ i7 プロセッサーであることも影響しているだろう。タイムラインに動画を挿入したり、それを移動・削除するのに処理を待つ時間は全くと言っていいほどない。
ビジュアルエフェクトや効果音を多数重ねていても、そのプレビュー再生はコマ落ちがほぼゼロで、限りなく仕上がりに近い見栄えのまま編集作業できる。挿入する動画クリップがどんどん増えていっても、最初から最後までその軽快さは変わることがなかった。
タイムラインにどんどんアイテムを並べていっても、快適さは全く変わらない
エフェクトを追加したところで、リアルタイムプレビューはコマ落ちなし
そんなこんなで、筆者自らプロットと(脳内)絵コンテ作成、撮影、演出、動画編集、そして総監督を務めて作り上げた動画が以下となる。あくまでも素人が作ったものなので、厳しい批評は心が折れてしまうからできればご遠慮いただきたい。筆者としては、なかなか安っぽくて、それでいて雰囲気もある仕上がりになったと思うのだが……。
動画の撮影風景
劇中の巨災対を再現……?
劇中に出てきたPCを並べると、それっぽくなってくる気がする
最新のエントリークラスPCFMV「ESPRIMO FH53/YD」もおすすめ
こんな素人でも動画作品らしきものを最後まで、たった1日、2日の作業で作り上げられたのは、PCとしての基本スペックが高いFH77/XDと、簡単に扱えるうえに凝った演出も際限なく可能な動画編集ソフト、PowerDirectorのおかげと言えるだろう。
また、映像内でふんだんに使わせていただいた本格的なBGMや効果音のフリー素材があればこそ、作品として成立する動画になったのだとも思う。今回使用した素材は念のため下記に記したので、参考になれば幸いだ。
なお、今回使用したFH77/XDのもっとホームユース寄りなデスクトップPCFMV「ESPRIMO FH53/YD」が5月に発売されている。こちらはCPUがインテル® Celeron® G3900T プロセッサー、メモリが標準4GB、HDDが1TBというスペックで、他は3波チューナー×2、ハイレゾ対応スピーカーなど多くの装備がFH77/XDと同等のものになっている。さすがにFH77/XDほどのパワフルさはないが、常に軽快に動作するPowerDirectorを使えば本格的な動画編集もこなせるはずだ。
CPUはインテル® Celeron® プロセッサー G3900T でもポテンシャルは高いFMV「ESPRIMO FH53/YD」
FMV ESPRIMO FHシリーズ 関連リンク
【使用したフリー素材一覧】
BGM: 大地獣 / tactics / Paranomal
効果音: 人にぶつかりました / モノが落ちる音 ガタン / ライオンの鳴き声 / 不機嫌なライオン / 争うような物音が聞こえました / 剣の戦い / 爆発 /