表向きは「体当たり家電ライター」として家電の記事を書いたり、ペットメディアでマルチーズの定吉君のお友達として記事を書いたり、某所で趣味の飛行機の取材記事なんかを書いているが、実は裏家業としてプログラマーもやっているこのオレ、人呼んで藤山哲人。どこでどんなプログラムを書いているのかは、「誰も知らない知られちゃいけない〜♪」なのだ(知らないヤングな読者はお父さんに聞いてみよう)。
普段は会社至急の激安デスクトップPCで開発しつつ、その100倍ぐらい資料作成したりもしているが、今回、ノートPCの「LIFEBOOK SH90/W」を使い始め、そして感動した!
プログラマーにとって最も重要な「キーボード」。それが超打ちやすい上に、バッテリの寿命がとんでもなく長い! 24時間戦うプログラマー同志諸君、そして物書きの同志諸君、そしてOfficeで資料ばっかり作ってる同志諸君に、ぜひその存在を知って欲しいノートPCといえよう。
日本人の手に馴染む大きさ、日本に馴染む静かなキーボード
「LIFEBOOK SH90/W」を使うきっかけになった理由はこうだ。プログラミング仕事の方で「近々、エンドユーザー端末がWindows 7から10に切り替わるって話があるらしい」ということになった。なので、開発中のものをWindows 10環境でテストしないとヤバくね?という話になったのだ。今の時期の「システム屋さんあるある」ネタである。そこで、テスト用に導入したのが富士通の「LIFEBOOK SH90/W」というわけだ。
いつもは開発機のデスクトップPCのキーボードを叩いているので、「LIFEBOOK SH90/W」の平たくてアイソレート型のキーボードは「出たな!ノートPCのノッペリキーボード!」という感じではある。というのは実はオレ、ノートPCのキーボードにはトラウマがある。2年ぐらい前に買った「ノッペリキーボード」のノートPCが海外メーカー製で、キー間隔が広く、すぐミスタイプしちゃう上に打鍵していると指がつりそうになってウンザリしてしまったのだ。だから家のノートPCで原稿を書いたこともなければ、プログラムも書いたことはない! 屋外で実験データ取るときぐらいしか使ってなかったという伝説のマシンとなっている。
そんなわけで「LIFEBOOK SH90/W」を見たときに、あっちゃー、また打ちづらそうなキーボード来ちゃったよ!と思ってしまったのだが、実際使ってみると、超!イケる。というか、疲れない。やっぱりノートPCは、国内メーカーが日本人の手には馴染むみたい。さらに、普段使ってるデスクトップPCのキーボードより、ぜんぜん打ちやすいのだ。
「LIFEBOOK SH90/W」のストロークは、公称で1.2mm。独自に測ってみると2.2mmぐらいあった。デスクトップPCのキーボードと比べれば浅いが、ノートPCとしては深めな部類。シッカリ押した感じがある
デスクトップPCのキーボードは、キーストロークがだいたい5mmぐらいある。「しっかり押した感」があるのはメリットだが、逆に指の動きも大きくなる。でもSH90/Wのキーボードは、公称約1.2mmで、キーも軽く指の動きが小さくなる。それでいて「押した感」がかなりあり、キーのクリック感(ある程度まで押し込むとスコッ!と入る感じ)にメリハリがあるので、打ってて疲れないのが特徴だ。
なによりデスクトップPCのキーボードと違うのは、キートップがブレがないこと。ホームポジションに手を置いて、あれこれ考えていると、キートップは前後左右に2mmぐらいブレ(良く言えば遊び)があるのが当たり前。でもSH90/Wのキートップは、ガタつかないので、打ってて気持ちいいし、ミスタイプも少ない。
また打鍵音の静音性も高い。プログラマーだと、リリース直前に根が深い障害が発生していたりすると、ウルセー!と叫びたくなるぐらい、皆バリバリとキーボードを叩く。しかもEnterキーをバチコーン!と叩いてこれ見よがしにテンションを上げていたりする。
しかし! SH90/Wのキーボード打鍵音は、ガタつきがないのでめちゃめちゃ静か。爪先でキーを叩く人以外は、ほとんど打鍵音がないぐらい。電車の中なら、向かいの座席にはまったく聞こえないのはもちろん、目の前でつり革につかまっているヒトにも打鍵音は聞こえないだろう。
静かな図書館や喫茶店、静粛な記者発表で原稿を書く場合などにもオススメしたい。とくに調子が乗ってきたり、サッパリ終わらネー!という膨大なテストケースを消化してると、自然と打鍵が強くなる同僚たちには、頼むからこのキーボードを使ってほしい……!と切に願う。
しかも驚いたことに、このキーボード、「キーごとに荷重が違う」のである。例えば、人差し指や親指などに比べて力の入りにくい小指で押すキー(左右外側)は、ストロークを軽くしてあるので、Enterキーも「バチコーン!」とこれみよがしなパワフルストロークでなくてもすんなり押せるのである。
後述する打鍵テスト装置を作ったとき、スペースとEnterキーは往々にして必要な荷重が重いので、2個だけチョット力の入る部品を買っておいた。でもイザ設計しようとして、ストロークの重さを測ったらTABやShift、Enterキーの荷重が軽い!
次がその証拠写真(我が家にあるもので、荷重を測るっていったらボルトなのである)。独自に試してみたところ、文字キーはデスクトップ用のキーボードより少し軽めの65グラムでキーインできた。でもEnterキーと右側のShiftキーはだいたい52グラム。そのほかのキーも調べてみると左側のTab,CapsLock,Shift,Ctrlと中央のスペースが軽い52グラムとなっていた。
キーごとに荷重を変えることで、キーボード全体が同じような感覚で入力できようにしているこの配慮!
ちなみに、SH90/W以外にも、FMVの現行機のほとんどはSH90/W同様の「キーごとに適した所要荷重」「静音」に対応したキーボードを装備している。 富士通最高ォー!という感じなのだ。
【うそだろ?】バッテリー駆動で14.8時間戦える【マジかよ!】
「LIFEBOOK SH90/W」のもうひとつの最高なところは、バッテリの持ちがスゴイこと。手元にあるカタログモデルのスペックだと、フル充電すると14.8時間稼動できるというのだ! 昼間はプログラマーとして、夜はライターとして24時間戦う戦士のオレには、バッテリの持ちは愛よりも大切。
とはいえ14.8時間ってのは、かなりうさん臭い値なので実際に測ってみることにした。しかし15時間ブッ通しのテストとなると、規定の8時間勤務から超過すること7時間。1ヶ月にすると相当な長時間労働になるうえ、無休憩でテストするとなると、全国アチコチで目を光らせている労働基準監督署を敵に回すことになる。
そこで法の目をかいくぐるために、こんな装置を作った!そう、オレのもう1つの裏家業は、何でも作っちゃう「必殺工作人」。
その名も(ドラえも●の声で)「たた叩きマシーン」! 透明なアクリル板の上に載っている円筒状のものは、ソレノイドという電磁石。洗濯機が排水をするときにバン!と大きな音を立てて排水弁を開くが、それと同じ部品を使っている。ただ洗濯機用のヤツは超強力で、キーボードを叩くというより、マシンをブチ壊す感じ。そこでキーを指で叩く程度の優しいソレノイドを用意した。でもバンバン言う騒音は洗濯機に負けない(笑)。
こうして「たた叩きマシーン」を「LIFEBOOK SH90/W」の上に乗せ、別のパソコンから8個あるソレノイドを制御してやれば、あたかもヒトがキーボードを打っているように、労働基準法の目を盗んで長時間キーボードを叩き続けるテストが可能だ。実際的なバッテリー駆動時間の計測になるし、キーボードの耐久性チェックにも使えるって寸法だ。
なおパソコンの奥にあるのは、ソレノイドを制御するスイッチボックスで、このボックスのスイッチはUSB接続したパソコンから、自前のプログラムで制御できるようになっている。
実際の実験風景を取ったのが、次のムービー。
なかなか笑える動きをしてくれるし、かな漢字変換のやり方がとっても人間的でプリティーだ。
ここでは「たたみ たたいて たたかい うたう かてい」というキーを打たせ「畳叩いて戦い歌う家庭」と入力している。どんな家庭なのかは各自の判断に任せたいが、下手すると通報一歩手前な家庭な気がする。そしてもうひとつ言えるのは、窓を開けたままで夜通しパソコンを猛烈に叩く音が聞こえるオレん家も同様に通報一歩手前であることだ。
さて。Windowsはちょっとでもアイドル状態を検知すると、CPUクロックを落としたりして省電力モードに入り、電池を長持ちさせようと企てる。しかしここには猛烈に原稿を入力しまくるたた叩きマシーンがいるので、Windowsは省電力になかなか移行できずもどかしさ炸裂! 実際に原稿やプログラムを書きまくっているときに近い使用状態をテストできるはずだ。
こうしてバッテリがなくなるまで何時間駆動できるかを調べたのが次のムービー。
WiFiはON、液晶パネルの明るさは30%にしたが、結果は夜中の1時28分から「畳叩いて戦い歌う家庭」しはじめて、明けてお昼の13時14分「たたみ」まで入力し、強制的にスリープモードに入った。
※利用方法によってバッテリー駆動時間は異なります。
なんとキッカリ12時間。これだけのタイピング速度で12時間ブッ通しで原稿やらコード書けるスーパーマンは、オレ様ぐらいしかいないので、一般ピープルが使ったら14.8時間使えてもおかしくない。っつーか、スペック以上に電池長持ちしそうな感じだ。疑ってスマン!富士通のヒト!
打鍵行数は17829行と3文字。ちなみに打ったキー数は、427,899回。文章量にすると、400字詰め原稿用紙だと446ページ。チョット長めの推理小説を1冊書き上げたっていうイメージだ。生産効率は尋常じゃなく高いが、内容が「畳叩いて戦い歌う家庭」の話なので尋常じゃなく面白くない。
もちろん「た」の打鍵数が124,806回とダントツに多かったが、キーが入りづらくなったりすることもなく、まったく問題なく「LIFEBOOK SH90/W」は快調に動いている。キーボードの耐久性もホンモノだ。
タフネスなバッテリ駆動と打ちやすいキーボード。これさえあれば、以下のような事案でも楽勝で対応できる。
- 「今頃そんなこと言うのか?」的、不条理な仕様変更への対応
- 今日が原稿締め切り日。目の前には未着手の特集記事16ページ
- 明日テストするからダミーのDB作っといて!とか言われてブチ切れなDB管理者
- 「なんかイメージ違う」とか言われて全部作り直しなWebデザイナーやコーダー
- パワポが使えない上司に「明日までによろ♪」とか言われて資料作成ケツ持ち中の人
長時間連続で戦える「LIFEBOOK SH90/W」と、企業戦士の熱き魂。この2つの力を合わせることで、どんな仕事でも片付けたるわい!かかって来いやぁ!……となる…かも、しれない。
【ご注意】
- ※仕事が終わるかどうかは個人差があります。
- ※筆者の個人的な意見で諸説あります。
- ※PCは戦えても、やる気という名の心の羽が折れた場合はその限りではありません。
品名 | LIFEBOOK SH90/W |
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CPU | インテル® Core™ i5-6200U プロセッサー(最大2.80GHz) |
OS | Windows 10 Home 64ビット版 |
メモリ | 標準4GB (オンボード。空きスロット1)/最大12GB |
ストレージ | 約256GB SSD |
液晶 | 13.3型ワイドWQHD[2560×1440] フルフラットファインパネル 「IGZO」(タッチ対応) |
光学ドライブ | スーパーマルチドライブ(DVD±R DL(2層)書き込み対応)[着脱式] |
サイズ | W315.8×D214×H11~19.8mm |
質量 | 約1.49kg(DVDスーパーマルチドライブ装着時) |
駆動時間 (JEITA(Ver.2.0)) | 約14.8時間(内蔵バッテリパック) |