とにかく広い!30インチと同程度の解像度を持つ4Kディスプレイ
前回のレビューでも紹介したが、GRANNOTE(LIFEBOOK AH90/X)は、FMVのラインナップの中でも、特に上質さを極めたモデル。3,840×2,160ドットの4K液晶はその最大の特長のひとつだ。この解像度の高さは写真や動画の表示・編集に抜群の力を発揮する。
品名 | LIFEBOOK AH90/X |
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CPU | インテル® Core™ i7-6700HQ プロセッサー(HTテクノロジー対応) (最大3.50GHz) |
OS | Windows 10 Home 64ビット版 |
メモリ | 8GB (4GB x 2) |
ストレージ | HDD(約1TB) |
液晶 | 15.6型ワイド 4K[3840×2160ドット]LEDバックライト付タッチパネル式高解像度・高輝度・高色純度・広視野角 TFTカラーLCD |
光学ドライブ | BDXL™対応Blu-ray Discドライブ(スーパーマルチドライブ機能対応) |
質量 | 約2.5kg |
駆動時間 (JEITA 2.0) | 約4.9時間 |
もちろんGRANNOTEには、この4K液晶を活かせる画像整理や動画編集が可能なアプリケーションがプリインストールされている。FMVならではのアプリケーション群を用いて、4K PCをフル活用してみたい。
CyberLinkの映像編集アプリをはじめ数多くのアプリをプリインストール
4K液晶を搭載したGRANNOTEで、はじめて本格的に4Kの美しさを満喫することになるユーザーも少なくないだろう。最近はスマートフォンやタブレットも非常に高解像度で、4Kに迫る解像度のものもあるが、やはり15.6インチの大画面で4Kとなると、その感動はまったく別物。フルHDの画面と比べればまさに天と地ほどの差で、これは是非店頭で体験してみてほしい。
さて、この超高解像度の4K液晶は、前述の通り画像や映像の閲覧・編集には本当に便利。そして、GRANNOTEなら画像・映像アプリのための追加投資は必要ない。「PowerDirector」や「PowerDVD」シリーズで有名なCyberLink社のアプリがインストールされているためだ。動画と写真に関しては、メディアからの取り込みから整理、編集作業まで、このプリインストールアプリだけでひと通り対応できる。
たとえばデジタル一眼レフカメラのRAW現像やレイヤー処理も行える「PhotoDirector 7 Ultra」、高速で本格的なビデオ編集ができる「PowerDirector 13 Ultra」、そしてそのPowerDirector 13 Ultraと連携もできる音声編集アプリの「AudioDirector 5 Ultra」とビデオ用の色編集アプリ「ColorDirector 3 Ultra」といった具合だ。
最近は4Kの動画撮影が可能なスマートフォンも増えてきているが、撮影した動画を実際の解像度で確認しつつ編集できるのは、4K液晶搭載のWindows PCであるGRANNOTEだからこそできること。また、4K動画を強力なCPUでスムーズに閲覧・編集できる快適さも、やはりGRANNOTEならでは。「一応撮っておく」だけで貯まるばかりだった動画も、高速CPUと4K液晶を持つGRANNOTEを用いることで「4K画質」の美しさを日常的に楽しめる。これだけ手軽なら、4K動画を躊躇する理由もなくなりそうだ。
また、写真のRAW現像時もパワーの差を大きく感じた瞬間だった。「PhotoDirector 7 Ultra」では多数のメーカーのRAW画像に対応している。いくつかのメーカーのデジタルカメラを使い分けているユーザーや、家族で使っているカメラメーカーが違う場合などには特に便利だろう。大量のRAW現像を行う際も高速だし、4K解像度の画面では写真が原寸に近い解像度で表示できるため、たとえばピント位置のチェックや、シャープネスの効果をチェックしやすい。
ちなみに同じく画像編集が行える「Corel Digital Studio for FUJITSU」もインストールされているほか、動画の再生には「Corel WinDVD」や「PowerDVD 12」、ディスクへの書き込みには「Roxio Creator LJ」や「Corel Direct DiscRecorder」が利用できる。ひとつひとつアプリを買い足したり、オンラインアプリを探す手間がないのは快適だ。
使わないともったいない、FMVシリーズ独自の「My Cloud」シリーズ
富士通製のプリインストールアプリ「My Cloud プレイ」は、写真や動画を自動で整理できる便利なアプリケーションだ。日々増え続ける高画素の写真の整理や編集、そして鑑賞が「My Cloud」+GRANNOTEの4K画面と高速CPUで、非常に快適に行える。
特に便利なのが写真と動画の閲覧と管理。デジタルカメラやスマートフォンから取り込んだ写真を日付順に自動で整理して参照できるほか、写真の内容を顔認識して映っている人物ごとにまとめられる。また、「フォトギャザー」機能をオンにすると、構図や背景が似た複数の写真を解析し、「これらの写真は同じシーンを映したもの」ということを自動認識、同一シーンの写真をまとめてくれる。また、一番ピントが合っているカットには自動的に「BEST」マークがつけられ、画像の閲覧時、このベストショットのみを順に表示していくこともできる。通常の画像アプリであれば連写した画像などが何十枚もサムネイル一覧に並んで邪魔なことがあるが、「フォトギャザー」を用いればより効率よく写真を整理・鑑賞できる。
このフォトギャザーでの画像の閲覧が、子どもを撮った写真には特に便利でハマってしまった。子どもに「写真撮るよ」と声をかけたからといって、思うようにポーズを取ってくれないし、じっとしていてくれないのでブレが気になり連写も多くなりがちだ。そうしてムダに枚数ばかりが多くなって、いざ整理するときに目的の写真が埋もれて探しにくいのだ。その点、「My Cloud プレイ」で類似写真をまとめると、「写真・動画」でシーンごとにまとめられたサムネイルが並ぶので、目的の写真が圧倒的に探しやすい。撮りためた未整理の写真が恐ろしいほどあったので、それらをMy Cloud プレイで読み込んでみたが、フォトギャザーでまとめると拍子抜けしてしまうほど閲覧性が高くなる。また、ベストショットのみを順に表示する機能は、サムネイルではなく大画面で手軽にダイジェストが見られる楽しさを感じられる。
というのも、家族旅行やイベントのあとは、家に帰ってから撮った写真をみんなで見返そうと盛り上がるものだ。しかし、前述のようにムダな写真も多いと同じシーンを何度も見ることになってダラダラ続いてしまうので、まず誰かがパソコンに向き合って写真を選別して、次にみんなでそれを見る、という流れになることが多いのではないだろうか。この方法は誰かが整理する時間を取らないと後回しになってしまうし、いざ見るときに、整理した人はすでに一度見た写真を家族ともう一度見直すことになる。意外とこれがつまらない作業なのだ。
自動的にベストショットを判別してくれるフォトギャザーの機能を使ってベストショットだけを見ていけば、誰もこの作業をしなくてよくなる。見たいと思ったタイミングですぐ楽しめるし、なにより全員一緒のタイミングで楽しめる。もちろんベストショットは任意に変更できるし、ベストショット以外をざっくり削除する機能もあるなどなかなか多機能だ。
また、顔認識で検出された人物に名前を登録しておくことで、その人の1年間を「アルバム」や 「成長フォトムービー」としてショートムービーにまとめてくれる機能も面白い。作成されたアルバムや成長フォトムービーは自動で保存されるほか、内容の編集も可能。「My Cloud プレイ」には「ゲストログイン」のシステムがあるため、共有すれば遠く離れた実家の両親に孫の成長フォトムービーを見てもらう、ということもできる。
ちなみに、この「My Cloud プレイ」からさまざまなアプリも呼び出せる。たとえば写真を表示した状態でメニューから「デコレーション」を選ぶとフレームやスタンプ、文字の追加を行って写真の飾り付けができる「My Cloud スタジオ」が起動。「手書きカード」を選べば「筆ぐるめ」が起動するといった具合だ。
ビジネスにも安心。常にOfficeシリーズの最新版が使える
上記で紹介した以外のプリインストールアプリも充実している。筆頭は「Office Home & Business Premium プラス Office 365 サービス」。これがあればWord、Excel、Outlook、PowerPoint、OneNoteの最新バージョンが永続的に利用できる。さらに、1TBのオンラインストレージを利用できるOneDriveや、スマートフォンやタブレットでもOfficeが利用できるサービス「Office 365」が1年間無料で使える「Office 365」をセット。
持ち帰った仕事の処理をするときも、高速なCPUでサクサク動くのでWordやExcelもスムーズ。文字入力も「ATOK 2015 for Windows」を搭載済みなので、タイプミスも防止できる。広辞苑や英和辞典など計7種類の辞書、辞典コンテンツ「電子辞書」もプリインストールされており、文章作成時にも頼もしい。
ウイルス対策アプリとしては「McAfee Central for Fujitsu」や、「マカフィー リブセーフ 3年版」を搭載済み。廃棄時にハードディスクのデータを消去する「ハードディスクデータ消去」が利用できるのも安心だ。
このほか、有害サイトの閲覧を制限する「i-フィルター for マルチデバイス」もプリインストールされているので家族での利用にも便利。あると普段の操作がスムーズになる「ウィンドウ整列ユーティリティ」や、「バックアップガイド」、「アップデートナビ」、「パソコン乗換ガイド」など富士通のアプリも、かゆいところに手が届く働きをしてくれる。
親切な「あんしん専用ダイヤル」からレジャーの優待サービスまで使い倒したい
GRANNOTEを購入すると、「My Cloud プレミアム」の「あんしんプラスコース」が1年間無料で利用できるのだが、このプレミアムサービスの内容がおもしろい。
まず、パソコンの使い方について専任のアドバイザーに相談できる「あんしん専用ダイヤル」。OSやOfficeなどの基本的な使い方や、GRANNOTEにプリインストールされたCyberLink社製アプリについてはもちろん、なんとGRANNOTEに付属しない他社製アプリや周辺機器についても相談できる。
また、「あんしんプラスコース」にはパソコン関連のサービスだけでなく、宿泊施設やレジャー施設を優待価格で使える「クラブオフ fo My Cloud」も利用できる。「株式会社リロクラブ」と提携して行われているサービスで、対応範囲が非常に広い。たとえばお台場の「レゴランド」の入場券2,300円→1,400円、人気映画の鑑賞券1,800円→1,310円など。ファミリーで出掛ける機会が多い方はかなりお得になるだろう。せっかく無料で1年間使えるなら、ぜひとも使い倒したいところだ。
GRANNOTE本体や、プリインストールされているアプリ、そして提供されているサービスを見ていると、自然で楽に行えるキー入力から自動の画像整理まで、パソコンをストレスなく、気持ちよく使えるような配慮が満載だ。「したいこと」がすんなりと「できる」ようになる、そんな自然な快適さを楽しんでほしい。
TIPS: さらに充実の「My Cloud プレミアム」上位コース
「My Cloud プレミアム」には、「あんしんプラスコース」よりもさらにサポートが充実した「あんしんスタンダード」(月額998円)や、「あんしんワイド」(月額1,980円)もラインナップ。GRANNOTEに付属する「あんしんプラス」から移行する場合は「あんしんプラス」の1年の無料期間を放棄する必要があるものの、そのサービス対象範囲は驚きの広さ。たとえば「あんしんワイド」では、設置場所に出張訪問を行って、PCの活用方法や操作方法などを説明する「PC家庭教師」が半年に1回無料で利用可能。さらに水道トラブルや高所作業など住まいのトラブルや困りごとまでサポートしてくれる。こうしたPCメーカーの有償サポートで、パソコンに関することだけでなく、生活する上で必要な手厚いサポートを行なってくれるのは富士通だけとのこと。高齢で一人暮らしの親がいる場合などは、GRANNOTEといっしょに「あんしんワイド」を契約してあげれば安心だろう。
こうしたサービスは、個別に利用すると高額になるし、あまり知られていない会社だと、いざサービスを依頼するときに不安を感じることもある。その点、「あんしんワイド」は富士通ブランドの充実したサービスを月額1,980円で受けられる安心感と便利さがメリットだ。
もし「あんしんワイド」ほどのサービスを必要としないのなら、「あんしんプラス」と「あんしんワイド」のちょうど中間のプランとなる「あんしんスタンダード」もおすすめ。「あんしんプラス」のサービスに加えて、100種類以上のアプリが使い放題となる「ソフ得」や、データ復旧サービスの引き取り初期診断無料などの特典が付く。