梱包から取り出した時、「おっ、これは!」と思えるデスクトップPCに、久しぶりに出会ったような気がする。FMVの新しいデスクトップPC「ESPRIMO FH77/UD」(以下、FH77/UD)は、意外……というほどではないけれど、ちょっと予想していなかった進化を遂げ、6月末に発売開始される。今回はこのFH77/UDのポイントとなるところを紹介していこう。
品名 | ESPRIMO FH77/UD |
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CPU | インテル® Core™ i7-4712MQ プロセッサー (最大3.30GHz) |
OS | Windows 8.1 Update 64ビット版 |
ディスプレイ | 23型ワイドフルHD[1920×1080] 広視野角 スーパーファインVX液晶 |
メモリ | 8GB/最大16GB |
ストレージ | HDD 約2TB |
光学ドライブ | BDXL対応 Blu-ray Discドライブ(スーパーマルチドライブ機能対応) |
ネットワーク | LAN(1000BASE-T対応)、ワイヤレスLAN(IEEE 802.11a/b/g/n/ac準拠)、Bluetooth ワイヤレステクノロジー Ver.4.0準拠 |
テレビ | 地上・BS・110度CSデジタル(ハイビジョン/視聴専用)+地上・BS・110度CSデジタル(ハイビジョン/録画・リモート視聴専用/AVCREC対応) |
拡張I/F | ダイレクト・メモリースロット(SDXCカード対応)、USB3.0×4/USB2.0×2 |
サイズ(W×D×H)突起部含まず | 544×158×418mm(本体最小傾斜時) 544×229×395mm(本体最大傾斜時) |
主な付属品・ソフト | Office Home & Business Premium プラス Office 365 サービス、ワイヤレスマウス、ワイヤレスキーボード、ACアダプタ、miniB-CASカード、リモコン等 |
薄っ! シンプル・すっきりなコンパクト筐体
開梱と同時にびっくりしたのは、何よりもまず本体の薄さ。梱包自体がそもそもコンパクトだったのでなんとなく予感はあったのだけれど、取り出してみると、明らかにこれまでのFMVの一体型PCにはない薄さを感じた。
FH77/UDは、通常のマウスとキーボードで操作する非タッチディスプレイの64ビット版Windows 8.1搭載デスクトップで、ディスプレイは23型のLEDバックライト付きフルHD(1920×1080ドット)液晶ということもあり、決して小型PCではない。それでもコンパクトで、とりわけ「薄っ!」と感じたワケは、本体の厚みが絞り込まれているのはもとより、側面を含め全体的にシンプルになった筐体デザインと、背面の“何もなさ”加減によるところが大きい。
この背面の“何もなさ”は、なかなか興味深い。これまでのFHシリーズだとスタンド部分の作り込みが凝っていたり、円筒状のわりと大きめのスピーカーが装備されていたりした。これだと“PCらしさ”はあるんだけれど、筐体の奥行きがどうしてもコンパクトになりきれない原因にもなっていた。新しいFH77/UDは、スピーカーがディスプレイ下部に巧妙に配置され、スタンドも小さくなって、まるで普通のテレビのようなすっきり感が出た。
正面から見たときも、余計な装飾が一切ない控えめなデザインで、ディスプレイに映るものに集中できそうな出で立ちでありながら、正面下部には最大128GBまでの容量に対応するSDカードスロットと、USB 3.0ポートが設けられていて、本体側面に用意されていた従来製品と比べ、明らかにアクセスしやすくなった。デジタルカメラの写真データやUSBメモリなどに入っているデータをPCとやりとりするのが、間違いなく手軽で便利になるだろう。
家庭向けには必要十分な機能、性能をそろえる
全体がシンプルな見た目になったからといって、ポート・インターフェース類が減っているようなことはない。USB 3.0ポートを前面、側面、背面に計4つ備えているのに加え、USB 2.0ポートも2個搭載されている。そのうち側面の1個については本体の電源を切っていても給電される、充電向けのUSBポート。電池が減ったスマートフォンやタブレットなどをここにサクッとケーブル接続して、いつでも充電できるわけだ。
PC性能については、動作クロック2.30GHz(最大3.30GHz)のクアッドコアCPU、インテル® Core™ i7 プロセッサーに、標準で8GBのDDR3メモリ、約2TBのHDDが搭載されている。BDXL対応Blu-rayディスクドライブが装備されているのも同様だ。
無線LANは最大866.7Mbpsで通信が可能なIEEE 802.11acに対応するほか、ギガビット対応の有線LANポートと、Bluetooth 4.0を内蔵する。Webカメラももちろん搭載されているから、Skypeのようなビデオチャットツールもきっちり使える。
機能面で最も進化したと言えるのは、内蔵スピーカーが最近話題の「ハイレゾ」に対応したことだろう。ハイレゾ対応についてはまた次の機会に詳しく紹介する予定だけれど、今までハイレゾ音源の再生はソフトウェア的に可能ではあっても、実際にそれを出力するヘッドフォン端子や内蔵スピーカーはハイレゾに対応しておらず、ハイレゾ音源本来の高音質を再現できていなかった。
今回、ハイレゾ対応スピーカーを搭載したことで、最終の出口までしっかりハイレゾのまま出力し、録音時の原音に限りなく近い臨場感あふれる音質で聞けるようになる。わざわざ外付けのハイレゾ対応スピーカーや、ハイレゾ対応USB DACを用意することなく、FH77/UD単体で、ピュアオーディオ的に音楽鑑賞ができるのは本当にうれしい限り。
さらに、地上デジタル・BS・110度CSデジタル放送を受信できるデュアルチューナーもある。裏番組を録画しながらの番組視聴や、スマートフォン・タブレットと連携したリモート視聴などが可能で、テレビのあるライフスタイルをとことん満喫するための機能も相変わらずの充実っぷり。今回はFMV初の機能として、DTCP-IPを用いた放送中番組のライブ配信にも対応した。他のFMVやスマートフォン、タブレットなどから、放送中のテレビ番組を視聴することができる。
フル機能のOfficeが利用可。My Cloudの起動も簡単に
ソフトウェア面では、Microsoft Office Home & Business Premiumをプリインストール。Word、Excel、PowerPointをフル活用でき、オンラインで動作するOfficeソフトや大容量クラウドストレージ、それに加え情報共有ツールなどを包含した最新サービス「Office 365」の1年間無料使用権も付いてくる。家庭向けPCではあるけれども、どうしても持ち帰らなければならない仕事の資料作りや、他の人とのデータのやりとりを考えると、Officeソフトを自由に使えるに越したことはないだろう。
その他、ワイヤレスキーボードの仕様が一部変更され、FH77/UDの使い勝手を向上させている。これまでもキーボードの上部にはボリューム調節ボタンやディスプレイの輝度調整ボタン、電源ボタンといった、本体のリモート操作を手早く行えるようにする特殊キーを備えていたが、ここに新しく「My Cloud」ボタンが追加された。
My Cloudボタンをワンプッシュするだけで「My Cloud ホーム2.0」アプリを起動し、写真・動画を閲覧する「My Cloud プレイ」や、お気に入りスポットを登録して自分だけのお出かけマップが作れるサービス「MapMark」などをすぐに使い始められる。もはやおなじみとなったこのMy Cloudファミリーのアプリやサービスは、初心者から上級者まで、FMVでデータ管理するのに間違いなく役立ってくれるツール。ボタン1つで呼び出せるようになったのはうれしいところだ。
Windows 10へのアップグレードも安心!
見た目のスタイリッシュさがぐっと上がり、基本性能も安定している。ハイレゾ対応スピーカーやデュアルチューナーなど、リビングPC、あるいは自室用のメインPC兼セカンドTVとしても申し分のない装備というか、そういった用途にはちょっぴり贅沢さが漂う気さえする。
発売当初の搭載OSはWindows 8.1だが、7/29にリリースが発表された次期Windows 10の無償アップグレードにもきちんと対応しており、最新のOSで使い続けることが可能だ。FH77/UDをいち早く購入して使い倒しながら、Windows 10がやってくるのを指折り数えて待つのも楽しそうだ。せっかくなら新スペック、新デザインのFH77/UDで、Windows 10誕生の時を迎えてみてはいかがだろうか。