2月4日、富士通のPC「FMV」の2014年春モデルが2機種、発表された。
ひとつはコンバーチブルタイプの13.3型Ultrabook™「LIFEBOOK TH90/P」。ノートPCとしてもタブレットとしても使え、超高解像度の「IGZO」液晶ディスプレイを搭載し、さらにワコム製筆圧ペンにも対応する。
もうひとつは、「GRANNOTE(AH90/P)」。画面やキーボードなどの随所に富士通ならではの「使いやすさ」を盛り込んだ、AHシリーズのハイエンドモデルだ。
今回は、いちはやく試作機を入手できたので、速報レビューをお届けする。なお、両機種ともに後日、詳細なレビューを掲載する予定なので、お楽しみに。
2 in 1でしかも超高解像度液晶+ペン対応の「TH90/P」
まずは、コンバーチブルタイプのUltrabook™「LIFEBOOK TH90/P」。店頭モデルの製品仕様は下記の通りだ。
OS | Windows 8.1 |
---|---|
CPU | インテル® Core™ i5-4200U プロセッサー(最大2.60GHz) |
メモリ | 8GB x 1 |
ストレージ | Hybrid-HDD(約500GB) |
液晶 | 13.3型ワイド IGZO液晶 WQHD(2560×1440) グレア |
タッチパネル、デジタイザ(1024段階筆圧)、強化ガラス(Dragontrail) | |
質量 | 約1.59kg |
駆動時間 | JEITA(Ver1.0)約12.5時間(バッテリ着脱可) |
付属ソフト | Microsoft Office Home and Business 2013 ほか |
「TH90/P」は、キーボード一体型で、変形してタブレットとしても使えるWindows 8.1 PCだ。富士通のコンバーチブルタイプのUltrabook™といえばほかに「ARROWS Tab QH77/M」も存在するが、そちらは必要に応じてキーボードを着脱するタイプとなっており、画面サイズもQH77/Mの12.5型に比べ、13.3型と大きい。デザイン的には、最薄部で17.1mm、最厚部でも19.3mmと薄型。同社「LIFEBOOK UHシリーズ」の「日本刀」のイメージを継承したエッジィでスタイリッシュなものになっている。
変形機構だが、通常のノートPC形態から、液晶ディスプレイをクルっと180度回転し折りたたむとタブレット形態になる。また、キーボードを背面に回してスタンドのように利用する「シアタースタイル」も可能。
ディスプレイの回転は非常にスムーズでガタツキもナシ。このタイプの回転機構はディスプレイと本体のあいだを1点で保持するため強度がネックになりがちだが、使ってみた感じでは十分な剛性があるように感じられた。
液晶ディスプレイは13.3型ワイドサイズで、解像度はWQHD(2560x1440ドット)。「IGZO」技術を用いた高解像度ディスプレイは非常に高精細で美しい。Webブラウザーを横に2個並べても余裕な圧倒的作業領域の広さもうれしい。デスクトップでもModern UIでも、ウィンドウを複数並べたマルチタスクが可能なWindows 8.1で活きる解像度だ。
また、ワコム製の1024段階筆圧対応のデジタイザを搭載しており、ペン入力に対応。Microsoft Officeの「OneNote」やMetaMoJiの「Note Anytime」など、いわゆる「ノート系」アプリで活用したい。13.3型という画面サイズとWQHDの超高解像度ということで、「液晶タブレット(液タブ)」としてフォトレタッチやお絵描き等、クリエイティブな用途に期待する人も多そうだ。
というわけで実際にペンでノートアプリやペイントアプリを試してみたが、書き心地は非常に良好。13.3型の大画面に手書きできる解放感は格別だ。
ちなみに、ノート系アプリは手書きとキーボード入力を併用することが多いが、ノートPCスタイルならキーボード入力とタッチ、ペン入力をシームレスに行き来でき、非常に快適。コンバーチブルタイプPCの利点のひとつと言えるだろう。
CPUは低電圧版である「インテル® Core™ i5-4200U プロセッサー」を搭載。マシンの動作は非常にスムーズで、上述のお絵描き中もモタつきはほとんど感じなかった。Haswell世代なので電力効率も良く、JEITA測定法で約12.5時間の駆動時間を確保。最近の薄型PCとしては珍しく、バッテリー着脱可能なのもうれしいところ。
ストレージは約500GBの「Hybrid HDD」を内蔵。SSDとHDDのハイブリッド仕様ということで、動作速度と大容量を両立している。
「これ1台あればとりあえず色々できる」というオールインワンなモバイルPCとして魅力的な「TH90/P」。2 in 1かつこのサイズ、この解像度でペンにも対応するPCというのは唯一無二であり、注目すべき存在といえそうだ。
大人世代のための高品位PC「GRANNOTE(グランノート)」
FMVの中でもベーシックなノートPCラインアップとしての立ち位置を占める「LIFEBOOK AHシリーズ」に、新たにハイエンドモデルとして加わったのが「GRANNOTE(AH90/P)」。
「GRANNOTE」は、「洗練された大人のパソコンで人生を豊かに」のコンセプトのもと、デザインや使いやすさにこだわった大人世代のために開発されたモデルだ。さらに、「GRANNOTE」ユーザー向けに、富士通が厳選したネットサービスを揃えた安心・安全な「GRANNOTE サービスパック」を提供するほか、クーポンや割引サービスなどの特典付きのネットサービスも用意されている。大人世代向けとして開発されたモデルでありながら、なかなかどうして、それ以外のユーザーもグッとくるような仕上りだ。
OS | Windows 8.1 |
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CPU | インテル® Core™ i7-4500U プロセッサー (最大3.00GHz) |
メモリ | 8GB (4GB x 2) |
ストレージ | HDD(約1TB) |
液晶 | 15.6型ワイド Full HD(1920x1080) ハーフグレアIPS液晶 |
質量 | 約2.8kg |
駆動時間 | JEITA(Ver1.0)約10.5時間 |
付属ソフト | Microsoft Office Home and Business 2013 ほか |
天板などで黒を基調にしながらも、「すりガラス調」のアクリルパネルをキーボード面にあしらい、風格がありながらもスタイリッシュなたたずまい。重量は約2.8kgあるのでモバイル用途には向かないが、家の書斎などに置いておくと良い雰囲気になりそうだ。
GRANNOTEは、なによりも「使いやすさ」を重視して開発されたということで、そこかしこに富士通の細かなこだわりが反映されている。特に力が入っているのがキーボードで、キートップの形状、キーストロークの深さ、打鍵感、フォントの視認性、キーボードバックライトなど、あらゆる面で気を配っている。とくに打鍵感の面では、親指で押すキーは重めの感触、薬指か小指で押すキーは軽め……というように、キー毎の押下圧も細かく調整しており、外付けキーボードの高級機にもひけをとらない完成度だ。
ほかにも、環境やユーザーの年代に応じてディスプレイ画質を自動調整する「インテリカラー」や「あわせるビュー」、やはりユーザーの年代に応じて高音域の音量を補正する「あわせるボイス」など、富士通がスマートフォンで培った「ヒューマンセントリックエンジン」の成果が盛り込まれている。
家族全員が使うリビングPCとしてもおすすめしやすい1台だ。